昨今、軽貨物事業の需要は増え始めており、脱サラして軽貨物ドライバーとして働く人も多くいます。軽貨物の仕事は個人事業なので、自分のペースで仕事ができるメリットがありますが、「軽貨物はやめとけ」といった言葉も聞いたことがあるのではないでしょうか。
この記事では「軽貨物はやめとけ」といわれる理由や、軽貨物の仕事でやってはいけないこと、信頼できる会社の探し方が気になる方はぜひ最後までご覧ください。
軽貨物は「やってはいけない」仕事ではない
結論からいうと、軽貨物は決して「やってはいけない」仕事ではありません。
とはいえ、人によって仕事の目的や期待することが異なるので、それが叶えられなかった場合は「やめとけばよかった」と感じることもあるでしょう。
これはどの業界、どの仕事にも共通することです。
軽貨物の仕事にはメリットも多く存在します。
例えば、自分のペースで働けるためサラリーマンよりは自由度が高いといえます。また、リースなどを活用して車両を用意すれば、初期投資が比較的少なく済むため、資金が少ない段階でも始めやすい仕事です。
さらに、軽貨物ドライバーは需要が高く、特にECサイトの普及により配送業務が増加しているため、安定した仕事の獲得が期待できます。
このように、メリットやデメリットを十分に把握して、自分の期待している働き方ができるか、事前に判断しましょう。

軽貨物は「やってはいけない」「やめとけ」に関する実際の声
ここでは、実際のドライバーの意見の中からネガティブなものをピックアップして紹介します。
軽貨物ドライバーの実態に関する声が挙がっていますね。個人事業主として軽貨物の仕事をする場合、正社員のように税金や保険は源泉徴収されるわけではなく、自身で支払う必要があります。
また、ほかの業界の正社員にはない「手数料(ロイヤリティ)」「リース料」なども自分の報酬から引かれるため、思っていたより手取りが少ないというのは軽貨物をはじめたばかりの人にとってはあるあるです。
そのため、本業にするならそれなりの覚悟が必要だといえるかもしれません。

軽貨物の仕事は「やってはいけない」「やめとけ」といわれる理由
軽貨物ドライバーの需要が高まっているにもかかわらず「軽貨物はやめとけ」と主張する声が少なからずあります。
まずはその理由を紐解いていくため、軽貨物の仕事のデメリットといわれる点をあげていきます。

労働時間が長くなることがある
軽貨物の仕事は、さまざまな仕事を請け負うことが可能ですが、どれも労働時間が長くなることが多いです。
個人事業主となるため、残業という概念がないことから、やればやるだけ稼げて、自分のペースでできるのは軽貨物事業のメリットですが、裏を返せばその分労働時間は長くなってしまいます。
もっとも一般的な宅配では、時間指定があるため、一日のうちに午前中指定・夜指定があった場合には帰って休むことはできません。再配達で夜遅くに時間指定されれば、遅い時間帯に荷物が集中して切り上げられないケースもあります。
解決方法としては、がむしゃらに働くのではなく、ルートなどを見据えて短時間でコンスタントに荷物を運べるよう、計画を練ること。

効率を高めることで、結果として労働時間を減らせます。


実際の手取りが見えにくい
軽貨物の仕事は「月収50万円以上も可能!」といった、魅力的な言葉で募集されていることがよくあります。ですが、実際に働いてみると「思っていたより手元に残るお金が少ない……」と感じる人も少なくありません。
その理由のひとつが、求人情報で書かれている金額が売上ベースであること。たとえば、月に50万円稼いだとしても、そこからロイヤリティ(業務委託料)やガソリン代、高速代、車のリース代、保険料などの経費が引かれるため、実際に自分の手元に残るのは30万円前後、場合によっては20万円台になることもあります。
たとえば月の売上が50万円のこんなケースです。
- ロイヤリティ10万円
- ガソリン代・高速代で5万円
- 車両費・保険などで5万円
→手元に残るのは約30万円程度
さらに、業務委託で働く場合は配達個数=報酬という形式が珍しくないので、労働時間の上限や残業代の保証がないことも多く、長時間働いても収入が安定しづらいという面もあります。
このように、最初に見える「高収入」という数字だけで判断してしまうと、あとから「こんなはずじゃなかった……」というギャップに直面する可能性があるのです。




理不尽なクレームがある
前提として、クレームがあって当然なことを軽貨物ドライバーがしてしまったなら仕方ありませんが、たまに理不尽で酷い内容のクレームもあります。
たとえば、宅配の仕事で何回かインターフォンを押しても応答がなく、委託先の業務規定どおり、不在票を残したにもかかわらず「在宅していたのに荷物が届かなかった」というクレーム。
フリーランスの軽貨物ドライバーへのクレームは、基本的にその場でいわれるのではなく、後々依頼主に電話などで入ります。最悪の場合、理不尽なクレームだったとしても依頼主から叱られ、契約解除という事態にもなりかねません。
正直、“クレーマー”と呼ばれる人はどこにでもいるため、残念ながら理不尽なクレームをいわれることは運も関係しています。そのためもし理不尽なクレームがあった際、こちらの言い分を聞いてもらえるよう、依頼主との信頼関係を築いておくことが重要です。



誠実な仕事を日々こなすことが解決法といえますね。
孫受け・ひ孫請けの多重下請け構造で稼ぎにくい
軽貨物ドライバーの仕事は、多くが業務委託という形で成り立っています。ただしその中身を見てみると、実際に荷主から仕事をもらっているのは元請けの大手業者であり、そこから何社も下請けを経由して、ようやく個人ドライバーの手に仕事が届くというケースが少なくありません。
こうした「多重下請け構造」のなかでは、仕事を受ける段階ごとにマージン(中間手数料)が差し引かれていくため、最終的に個人ドライバーが受け取る報酬は、元の依頼価格より大幅に下がってしまうことがあります。加えて、契約内容や報酬体系が中間業者ごとに異なるため、ルールが不透明になりやすく、「聞いていた条件と違う」と感じることもあります。
さらに、個人ドライバー自身は配送1件ごとの出来高払いが基本となることが多く、件数が少なければ当然収入も減ります。ところが、配送件数の調整権限は中間の業者が持っているため、仕事を安定してもらえるかどうかも運次第という側面があります。
このように、働く人がいちばん現場で動いているにもかかわらず、報酬や労働条件のコントロールが難しいというのが、多重下請け構造における軽貨物業界の課題です。


軽貨物でやってはいけない働き方とは?
軽貨物の仕事を長続きしたいと考えるなら、やってはいけない働き方がいくつかあります。始めてすぐはもちろん、慣れてきたころにも度々確認しておくべき項目です。
稼ぎたいために仕事量を増やしすぎる
軽貨物は仕事を入れれば入れるだけ稼げます。それは軽貨物の仕事のメリットでもありますが、仕事がどんどん入ってくると、寝る間も惜しんでの仕事になります。これでは身体を壊し、最悪の場合、生活ができなくなってしまうかもしれません。
とにかく身体が資本なので、しっかり自分の体調と向き合いながら、仕事量を増やしすぎないよう気をつけることが大切です。
おいしい条件にこだわりすぎる
スポット便など単発の仕事は、依頼主と報酬交渉をする必要があります。このとき、単価を上げようとよい条件にこだわりすぎると、依頼主としてもできるだけ安価で請けてくれるドライバーを選びたいため、仕事がなかなか舞い込んでこないという事態になりかねません。
また、よい条件に囚われ「高額報酬」と謳い騙そうとしてくる会社の詐欺の餌食にされてしまう可能性もあるので注意が必要です。


ミスを認めない
軽貨物の仕事では、荷物を届けるだけでなく、受け取り側とのやりとりや対応も大切です。特にミスを隠したり責任を押しつけたりすると、顧客や委託元の信頼を失う原因になりやすく、委託契約の打ち切りにつながることもあります。
ある配達員は置き配を誤ってしまったものの、すぐに謝罪と再配達を行い、逆に感謝されたという事例も。初動対応で印象は大きく変わります。
雑な態度やミスへの無関心が続くと、評価が下がり、仕事が減っていくのがこの業界です。小さな誠実さの積み重ねが、継続的な収入に直結します。



ミスをしたら受け入れ、速やかに対処する癖を身につけることが大切です。
軽貨物の仕事でやってはいけないこと
軽貨物の仕事を通して絶対やってはいけないNG行動を紹介します。
仕事をバックレる
軽貨物の仕事で「バックレる」、つまり無断欠勤することは絶対に避けるべきです。
運送会社は、ドライバーのシフトに合わせて配送スケジュールを綿密に調整しています。
代理を立てるなどをせずバックレると、このスケジュールが崩れ、ほかのドライバーや委託元に大きな迷惑がかかります。
また急な欠勤が発生すると、配送遅延やサービスの質低下につながり、顧客満足度も低下します。また、委託ドライバーであっても、無断欠勤が繰り返されると信頼を失い、契約の更新が難しくなる可能性もあります。
個人事業主で自由度が高い仕事とはいえど、一度自分で提出したシフトには責任をもち行動するのが必須です。
誤配や早配
誤配や早配もやってはいけないミスです。
まず、誤配は顧客にとって深刻な迷惑となり、信頼を損ないます。荷物が正しく届けられないと、顧客は不便を感じ、再配達が必要になるため、顧客満足度が低下します。
ドライバー自身も、誤配や早配が多発すると評価が下がり、業務の信頼性が疑われます。運送会社にとっても、これらのミスは再配達やクレーム処理に追加のリソースを必要とし、コストが増加します。
1度や2度ならまだしも、何度か繰り返すと契約を切られる可能性のある行為です。




【契約はやめとけ】軽貨物ドライバーを騙す悪徳業者の手口


個人事業として軽貨物ドライバーを始める場合、気をつけなくてはいけない悪徳な業者も存在します。具体的にどのような手口があり、どのようなことに気をつけるべきなのでしょうか。
個人事業未経験の場合はとくに、甘い言葉で騙そうとする詐欺師に狙われやすいことをよく頭に入れておくことが大切です。


内職商法
「高収入」を売りにして広告で人を集め、業務に必要だと高額な商品を売りつける内職商法です。
これはよくあるやり口で、軽貨物ドライバーには軽自動車を購入させ「最初に出資すればすぐに高額収入が得られる」と甘い言葉で騙そうとします。未経験者は、嘘だらけの巧みな話術に騙されやすいので注意が必要です。
内職商法については以下の記事で詳しく解説しています。


売掛金詐欺
売掛金詐欺のやり方は、報酬を何度か翌日現金で支払い、安心させた後、継続して仕事を紹介するからと月末締の振込を促してきます。信用して口座振込にし、報酬が振り込まれるのを待っていると、会社ごと消えてしまうという詐欺です。
この詐欺の予防法としては、相手の経営状況などをしっかり確認する・複数社から仕事を受けるなど、リスク分散が重要です。
高額な加盟金の要求
詐欺ではないですが、開始時に高額な加盟金を支払わされることがあります。あまりに高額だと軽貨物ドライバーにとって不利益になりますので、求人を探す際には慎重な見極めが必要です。




軽貨物の仕事はやめたほうがよい、やってはいけない人
どんな仕事にも向き不向きがあります。軽貨物の仕事を始めたいと考えている人にとってはとくに、自分は軽貨物の仕事に向いているのか、気になるところですよね。
もちろん一概にはいえませんが、ぜひ参考にしてください。
- 運転するのが苦痛に感じる人・苦手な人
- 自分に甘すぎる人
- 機械やスマートフォンの操作が苦手な人
運転するのが苦痛に感じる人・苦手な人
先述したとおり、軽貨物の仕事は車の運転を長時間要することになります。そのため、車の運転が好きであることや技術があることは最低条件です。
車の運転が苦痛だと感じていたり、事故経験が多い方は、軽貨物の仕事をする上で、トラブルになる可能性が高くなるため、向いていないといえます。
自分に甘すぎる人
軽貨物の仕事は個人で行うため、自分でメリハリをつけて仕事をする必要があります。
人の目がないと、つい怠けてしまったり、つい「このくらいよいだろう」といった甘えが出てしまいやすかったりする人には不向きといえるかもしれません。
機械やスマートフォンの操作が苦手な人
軽貨物の仕事は稼働する案件にもよりますが、ドライバー用端末の操作やスマートフォンを使っての報告業務なども求められます。例えばAmazonをはじめヤマトなど多くの配送業務のでは専用のスマホアプリを駆使して配送を行なっていくことになります。
そのため、機械やスマートフォンの操作が苦手でついつい時間がかかってしまうという人は向いていないといえます。
軽貨物の仕事は委託先の運送会社選びが一番大切!
軽貨物の仕事を検討している方は、委託先の会社選びが一番重要といっても過言ではありません。信頼できる請負元を見つけることが、軽貨物ドライバーとして成功する鍵です。
軽貨物ドライバー専門の求人サイト「ハコボウズ」は現役の運送会社が運営するサービスです。配達するドライバーと委託する運送会社の両方の立場を理解しているので、透明性の高い「クリア」なマッチングを実現しています。
そのため、安心して軽貨物の仕事探しが可能です。是非1度利用してみてくださいね。

