現在、トラック運転手として働いている方の中には、今の仕事内容や将来性について悩みや不安を抱えている方もいるでしょう。
とはいえ、実際に辞めるとなると後悔しないか不安で、一歩踏み出せないこともありますよね。
本記事では、トラック運転手を辞めてよかったと感じている人の声や、具体的な転職先の選択肢を紹介します。
また、トラック運転手に向いている人・向いていない人の特徴や、2024年問題による運送業界への影響についても詳しく解説します。
トラック運転手を実際に辞めて「よかった」と感じている人の声
まずは、トラック運転手を実際に「辞めてよかった」と感じている人の声を紹介します。
トラック運転手は、猛暑や積雪といった天候に大きく影響を受ける業務に従事しています。
運転だけでなく荷物の積み下ろしも業務に含まれるため、特に手積みや手降ろしが求められる場合は、体への負担が大きくなります。
これに加えて、16時間以上の労働が日常化している状況も多く、一般的な職業と比べて長い勤務時間が特徴です。
さらに、十分な休憩時間が取れないことも課題です。疲労が蓄積するなかで運転を続けると、注意力が散漫になりやすくなり、事故のリスクが高まる危険性があります。一部のトラック運転手からは、「毎日3〜4時間しか眠れない……」といった声も聞かれ、慢性的な睡眠不足に悩まされている現状が浮き彫りになっています。
こうした働き方が続くことで、最終的には体調を崩し、心身に深刻な影響を及ぼすケースも少なくありません。
実際にトラック運転手を辞めた人々の中には、「辞めてから健康を取り戻し、生活の質が向上した」という意見が多く見られます。
このように、辞める決断が心身ともに余裕を持てる生活を切り開くきっかけとなることは少なくありません。
トラック運転手が「辞めてよかった」と感じるポイント
トラック運転手を辞めたあと、多くの人が「よかった」と感じるポイントがあります。
具体的にどのような点が「よかった」と感じるのか、詳しく解説します。
長時間労働から解放された
長時間労働から解放されることで、心身ともに健康を取り戻し、日常生活に余裕が生まれます。
トラック運転手を辞めたことでストレスや疲労が軽減され、「仕事終わりに自分の時間を楽しめるようになった」と感じる人も多くいます。
トラック運転手は、長時間労働が常態化している仕事です。特に長距離運転の場合、深夜や早朝の時間帯も含めて連続した勤務時間が続くことがあり、身体的・精神的負担が大きくなります。
例えば、10時間以上の運転を繰り返すことで、体力が限界に達し、睡眠時間が削られるケースも少なくありません。
家族や友人との時間が増えた
トラック運転手の仕事は不規則な労働時間が特徴で、家族や友人との時間を十分に確保するのが難しい傾向があります。
特に長距離運転の場合、数日間自宅を離れることも多く、家族とのコミュニケーション不足がストレスの原因となるかもしれません。
この理由から、転職後は「家族との食事の時間や旅行を楽しめるようになった」という声が数多く聞かれます。
子どもの成長を身近で見守れるようになったり、夫婦での会話が増えて関係がより良くなったりすると、具体的な変化が報告されています。また、友人と定期的に会えるようになり、社会とのつながりも保ちやすくなるでしょう。
このように、大切な人たちとの時間が増えることで、心が満たされ、生活の質も向上しています。
規則正しい生活となり、睡眠不足や疲労が改善された
トラック運転手は早朝や深夜に働くことが多く、生活リズムが乱れがちです。その結果、慢性的な睡眠不足や疲労の原因となり、健康面に悪影響を与えます。
しかし、辞めたことで規則正しい生活が送れるようになり、睡眠の質が向上するケースもあります。
疲労が蓄積しにくくなることで、睡眠不足や疲労が解消され、健康的な生活リズムが取り戻せます。こうした変化により、日々の生活に活力が生まれるなど、大きなメリットを感じられるでしょう。
交通事故やトラブルの不安がなくなった
トラック運転手を辞めたことで「交通事故やトラブルに対する不安が解消され、心が軽くなった」という人も多いようです。
常に神経を張り詰めて運転していた人が、デスクワークや軽作業といった危険の少ない職種へ転職することで安心感を得られたケースもあります。
トラック運転手の仕事は長時間の運転により集中力が低下しやすく、さらに過密なスケジュールが重なることで、交通事故のリスクが高まります。
加えて、荷物の遅延やトラブル対応には精神的なプレッシャーが伴い、心身に負担を感じる人も少なくありません。
収入が安定するようになった
トラック運転手は一般的に、仕事量や歩合制によって収入が変動する賃金体系です。
そのため、荷物の取扱量が少ない時期や体調を崩して働けない場合、収入が大きく減少するリスクがあります。
このような不安定な収入状況から、月給制や時給制の仕事に転職することで、安定した収入を得られるようになったという声が多く聞かれます。
さらに、新しい職場でスキルや経験を積むことにより、昇給やキャリアアップの機会も増えます。
収入の安定は金銭面での不安を軽減し、生活にゆとりをもたらすという点で、大きなメリットとなっています。
辞めても「よかった」「後悔しない」と感じるトラック運転手の特徴
トラック運転手の中には、退職後に「辞めてよかった」「後悔しない」と感じる人がいます。
以下では、トラック運転手を辞めることで、より良い状況を得られる可能性が高い人の特徴を詳しく解説します。
長時間労働に限界を感じている人
長時間労働による心身の疲弊は、トラック運転手を辞める最も一般的な理由の1つです。
トラック運転手の1日の拘束時間は、ほかの職種と比べて長くなリ安い傾向にあります。
例えば、荷物の積み下ろし作業や車両点検、運行前の準備時間を含めると、13～15時間の拘束が珍しくありません。
もし早朝4時の出勤する場合、7～8時間の睡眠を確保するためには遅くとも19時に就寝しなければならず、家族との団らんの時間を取ることが難しくなります。
また、道路状況や天候による遅延、荷主都合での待機時間の発生などもあり、予定通りに業務が終わらないこともしばしば発生します。
このように不規則な勤務形態が続くと、十分な休息時間を取れず、慢性的な疲労が蓄積します。
長時間労働の限界を感じることは、健康を守るための重要なサインといえるでしょう。
拘束時間の割に収入が低い人
トラック運転手の収入は、実際の労働時間に見合わないと感じる人も少なくありません。長時間の拘束時間にもかかわらず、基本給が低く設定されているケースが多く、待機時間や荷物の積み下ろし時間が労働時間として正確に計算されないこともあります。その結果、実質的な時給が低下しがちです。
1つの例として、月間の拘束時間が250時間を超えているにもかかわらず、手取り収入が25万円程度にとどまるケースも報告されています。
また、統計データによると、トラック運転手の年間労働時間は全職業平均より約2割（300〜400時間）長いにもかかわらず、年間収入は全産業平均より5〜10％（20〜50万円）低い水準となっています。
これに加えて、高速道路料金や駐車場代などの経費が自己負担となる場合もあり、手元に残る収入がさらに減少することがあります。
さらに、休日出勤や深夜勤務に対する手当が、働き方改革以前の基準で支払われている企業もあり、収入面での不満を抱える運転手もいるのが現状です。
出典：第16回（令和5年3月13日）※トラック運送業の生産性向上協議会と同時開催【資料1】 国土交通省提出資料｜国土交通省
身体的な疲労や健康問題が深刻な人
トラック運転手の仕事は、長時間の運転作業や重量物の積み下ろしなど、身体に大きな負担がかかる業務が多いのが特徴です。
特に長距離運転では休憩が十分に取れず、同じ姿勢を強いられるため、腰痛や肩こりなどの身体的な不調が慢性的に蓄積されます。
また、不規則な食事や勤務時間が原因で、胃腸の不調や生活習慣病のリスクも高まります。腰痛が悪化し、痛み止めが手放せなくなるケースや健康診断で異常を指摘される運転手も少なくありません。
加えて、不規則な勤務による睡眠不足は、免疫力の低下や精神的なストレスの原因となり、体調不良がさらに悪化することがあります。
将来への不安がある人
トラック運転手という職業では、将来的なキャリアの展望が見えづらく、不安を感じる人が少なくありません。
自動運転技術の発展や物流業界の構造変化により、従来型のトラック運転手の需要が減少する可能性が指摘されています。
また、年齢を重ねるにつれて、運転技術や体力の維持が困難になることも予想されます。例えば、深夜運転や長距離運転の負担が年々大きくなり、50代以降はより負担の少ない業務への転換を選ぶケースも少なくありません。
さらに、運転免許の更新や適性診断の基準が厳格化される傾向にあり、将来的な就業継続への不安も存在します。
年齢を重ねてからの転職はより困難になることから、早い段階でのキャリア転換を検討する必要性が高まっています。
運送会社の労働環境に改善の見込みがない人
トラック運転手の職場では、長時間労働や低賃金といった問題が常態化しているにもかかわらず、会社側に改善への意欲が見られないケースがあります。
しかし、運送業界全体が低単価競争に陥っており、個々の運送会社では待遇改善が困難な状況が続いているのが現状です。
荷主からの厳しい納期要求や運賃の低価格化により、労働環境の改善に必要な投資が行えない企業も多く存在します。
例えば、休憩施設の整備や最新の安全装置の導入、給与水準の引き上げなど、必要な改善が先送りにされることが頻繁にあります。
また、人手不足が深刻化するなかで、1人当たりの業務負担は増える一方です。会社側から具体的な改善計画が示されない状況では、今後も労働環境の改善は期待できません。
そのため、改善の見込みがないと感じた多くのトラック運転手は、転職後により良好な環境で働けるようになり、「転職して良かった」と実感しています。
トラック運転手に向き・不向きはある？
トラック運転手の仕事には、向いている人と向いていない人がいます。
以下の表で、それぞれの特徴をまとめました。
| 向いている人の特徴 | 向いていない人の特徴 |
|---|---|
| ・車の運転が好きな人 ・体力や健康に自信がある人 ・1人の時間が苦にならない人 ・プライベートに仕事を持ち込みたくない人 ・責任感がある人 | ・運転のセンスがない ・運転が苦手な人 ・時間やルールを守れない人 ・1人ではなく複数人で仕事がしたい人 ・体調面に不安がある人 ・気性が荒い人 ・気が短い人 |
トラック運転手の仕事は、長時間の運転や不規則な生活リズムが求められるため、体力や健康に自信があり、1人の時間を楽しめる人に向いています。
一方、運転が苦手であり、チームでの作業を好む人には不向きといえます。
トラック運転手を辞めたあとの仕事には何がある？
トラック運転手としての経験は、物流業界での新たなキャリアにつながる可能性があります。トラック運転手は、物流の仕組みや配送ルート、安全管理など幅広い知識とスキルは、多くの職場で重宝されるでしょう。
転職を検討する際には、それぞれの業界の動向や求人情報を収集し、しっかり準備することが重要です。
ここでは、トラック運転手から転職後も活躍できる職種を3つ紹介します。トラック運転手としての経験やスキルを活かしつつ、新たなキャリアを築く際の選択肢となるでしょう。
軽貨物ドライバー
軽貨物ドライバーは、主に小型の車両で荷物を配送する仕事です。
トラック運転手と比較して軽貨物ドライバーは、運転時間や移動距離が短く、身体的な負担が軽減されます。
また、業務委託や個人事業主として働く軽貨物ドライバーは、自分のペースで収入や労働時間を調整できるため、柔軟な働き方を求める方に適しています。
さらに、オンラインショッピングの利用増加に伴って個人宅への配送が増えたことで軽貨物ドライバーの需要が高まり、安定した仕事量を確保しやすいというメリットもあります。
物流倉庫の作業員・管理者
物流倉庫では、商品の入出庫や在庫管理、ピッキング作業など、多岐にわたる業務が行われています。
トラック運転手としての配送経験や現場での知識は、作業や管理業務において大いに役立ちます。荷物の流れや現場の課題を深く理解しているため、効率的な作業やスタッフの指導に貢献できるでしょう。
また、運転業務から離れることで、身体的な負担を軽減したい方にも適した選択肢です。
物流業界は今後も成長が見込まれており、物流倉庫の作業員や管理者としても安定した雇用が期待できます。
タクシードライバー
タクシードライバーは、乗客を目的地まで安全に送り届ける仕事です。運転技術や地理の知識を活かせる仕事で、トラック運転手の経験が役立ちます。売上に応じた歩合給が導入されているため、努力次第で高収入を目指せるでしょう。
さらに、シニア世代でも長く続けやすく、年齢を重ねても働きやすい環境が整っています。
タクシー業界は24時間体制で稼働しているため、勤務時間の選択肢が広く、自分の生活スタイルに合わせた働き方が可能です。
ただし、接客業務が含まれるため、コミュニケーション能力も求められます。
【FAQ】トラック運転手を辞めることに関するよくある質問
トラック運転手の退職を検討する際、さまざまな疑問や不安が生じることがあります。
以下では、よくある質問とその回答を紹介します。
トラック運転手は2024年問題にどのような影響を受ける？
2024年問題は、働き方改革関連法の施行により、運送業界での労働時間規制が強化されることを指します。
具体的には、2024年4月からトラックドライバーの時間外労働に年間960時間の上限が適用されます。これにより、労働時間が短縮され、運送業界全体での人手不足や物流コストの増加が懸念されています。
その結果、運転手一人ひとりの業務負担や収入に影響が出るかもしれません。
また、運送会社は労働時間の制約に対応するため、運賃の見直しや業務内容の再編成をすることも考えられます。
この変化に適応するため、運転手自身もスキルアップや新たな働き方への柔軟性が求められるでしょう。
トラック運転手にも楽な種類がある？
トラック運転手の仕事には、荷物の種類や運行距離、勤務時間帯などにより負担の程度が異なる業務があります。
例えば、決まったルートを走る定期便や短距離の配送は、長距離運行や不規則な勤務時間の業務と比べて、負担が少ないと感じる人もいます。
ただし、業務にはそれぞれの特性や求められるスキルがあるため、自分に合った業務を選ぶことが重要です。
また、同じ業務でも、仕事が「楽すぎる」と感じる人もいれば、逆に「厳しい」と感じる人もいます。これは、個々の経験や適性、勤務先の環境によって異なるため、一概にはいえません。
そのため、自分の体力や生活リズム、希望する労働条件に合った業務内容や勤務形態を選ぶことが大切です。
安定×高収入の運転職は軽貨物ドライバー◎
トラック運転手からのキャリアチェンジを考える際、軽貨物ドライバーは安定した働き方と高収入を両立できる魅力的な選択肢です。
軽貨物ドライバーは小型車両を使用するため、運転の負担が軽減され、体力的にも続けやすい点がメリットです。
また、業務委託や個人事業主として働くことで、収入や勤務時間を自分で調整でき、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が可能になります。
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