軽貨物ドライバーの仕事に興味のある方にとって、軽貨物業界における現状の課題は気になるのではないでしょうか。
また、軽貨物運送に将来性があるのか?なども、今後の収入面に直結する重要なことです。
そこで本記事では、軽貨物運送業界の市場規模や、軽貨物ドライバーの収入や実態などについて解説します。
軽貨物ドライバーとして勝ち組になるための方法も紹介します。
軽貨物運送業とは
軽貨物運送業とは、軽トラックや軽バンなどの軽貨物車を使って、有料で荷物を運ぶ運送事業のことです。
黒ナンバーと呼ばれるナンバープレートをつけた車両で運送するのが特徴です。
軽貨物とは
「軽貨物」という用語には、以下の2つの意味があります。
- 軽自動車そのものを指す
- 貨物軽自動車運送事業での軽貨物車を使用する仕事
軽貨物運送業とは小さい荷物を配達する仕事
軽貨物運送業では、名前の通り「軽くて小さな荷物」を運ぶことが多いです。
片手でも持ち運べるサイズの荷物を扱うこともあり、女性ドライバーやシニアドライバーなど、幅広い方々が軽貨物ドライバーとして働いています。
大きな荷物の積み下ろしや長距離を走るなど、体力が必要な大型トラックと違い、運送業の中では比較的働きやすいジャンルといえます。
軽貨物ドライバーの働き方
軽貨物ドライバーの働き方には、以下のものが挙げられます。
- 個人事業主として働く
- 業務委託ドライバーとして働く
- 運送会社の社員として働く
個人事業主や業務委託のドライバーの方の中には、月収50万円以上稼げるような強者もいます。
副業として、空いた時間にサクッと稼ぐという働き方ができるのも、軽貨物ドライバーの特徴です。
軽貨物業界の現状
軽貨物ドライバーとして働く際は、業界の現状も理解した上で参入するかを決めましょう。
ここでは、下記の3点を解説します。
- 軽貨物業界の市場規模
- 軽貨物ドライバーの収入
- 軽貨物ドライバーの実態
各項目について詳しく解説します。
軽貨物業界の市場規模
株式会社矢野経済研究所の調査結果によると、2021年度の軽貨物業界の市場規模は21.5兆円の見込み、であることがわかっています。
インターネットやスマートフォンの普及でECサイトが増加したことにより、今後も市場規模は伸びると予測されています。
軽貨物ドライバーの収入
厚生労働省の「雇用類似の働き方を巡る現状等」調査によると軽貨物ドライバーの仕事で得られる収入額は、およそ300〜399万円が最も多いとされています。
月収に換算するとおよそ25〜33万円です。
ただし、これは個人事業主の場合の年間収入額であり、手取り額は経費を引いた金額です。
軽貨物ドライバーの実態
軽貨物ドライバーとして楽しく働いている方がいる一方で、残業代の賃金や報酬の未払いなど悪質な実態もあります。
なかには、軽貨物ドライバーを狙った詐欺行為も横行しており、道理から外れた手数料や高額なマージンを取るなど、さまざまな問題点があるのも事実です。
また、配達のために長時間車を運転したり階段の上り下りをするなど、体力のない方はきついと感じることも多いです。
お中元やお歳暮などの繁忙期には、配達の荷物量が増え、朝から晩まで休めないことも珍しくありません。
軽貨物業界の課題と今後
ECサイトなどの需要増加から、軽貨物業界は今後も需要が増えると予測されます。
ここからは軽貨物業界における課題や展望を、以下の3つに分けて解説します。
- 軽貨物がなくなる可能性は?
- 物流業界の働き方改革とは
- 物流業界の働き方改革とは
軽貨物がなくなる可能性は?
需要のある仕事でも社会の流れに合わせてなくなる仕事もあります。
運送業界や軽貨物ドライバーにおいては、現在でもECサイトなどのオンライン注文の増加や、軽貨物ドライバーの深刻な人手不足などの深刻な問題を抱えています。
しかし、ECサイトの需要が増加傾向にあることや、生活に必要不可欠なインフラであることから、今後も失くなる可能性は低いと考えられます。
物流業界の働き方改革とは
物流業界で今後問題視されているひとつが「2024年問題」です。
この「2024年問題」とは、2019年施行の「働き方改革関連法」に基づき、長時間労働改善のために時間外労働が960時間に制限されることで起こり得る、さまざまな問題のことです。
2019年に「働き方改革関連法」が施行されてから現在までは、猶予期間が設けられていました。
しかし、2024年4月以降は上限規制が適用されるため、軽貨物ドライバーの収入減収や売上の減収などの影響があると予測されています。
長時間労働をするほど多くの収入が得られていた軽貨物ドライバーには大きな痛手となり、仕事を辞めてしまうなど人手不足に拍車をかける可能性もあるのです。
軽貨物業界の今後の課題
需要が増えている一方で、軽貨物業界には以下のような課題が浮上しています。
- ドライバーの人手不足
- 再配達問題
- 4ナンバーの規制緩和
まず大きな問題となるのが、再配達問題です。
個人事業主の場合、同じところに何度配達に行っても、1件分の報酬しか得られません。ドライバーの負担となる再配達問題は、受け取り側の対応を変える、受け取りBOXなどの設置を進めるなど、社会全体で意識改革をおこない整備していく必要があります。
また、2022年10月から貨物車両専用のナンバープレートである「4ナンバー」以外でも、軽貨物運送が行える規制緩和が開始しました。これにより、人を乗せるための小型・軽自動車(5ナンバー)でも、届出をすることで運送業を始めることができます。
5ナンバーの規制緩和は、長期にわたり運送業界を悩ませていた、慢性的なドライバー不足が解消される可能性が高いです。
しかし、新規参入者が増える分、運送技術のスキル低下や運送賃金の低下も懸念されています。現在、軽貨物業界で働いているドライバーに、しわ寄せがくる可能性もあります。
このような課題から、今後軽貨物ドライバーとして安定した収入を得るためには、戦略を練る必要があります。
軽貨物ドライバーとして勝ち組になるには
5ナンバーの規制緩和で、新規参入の増加に伴う低賃金の影響から「食えない軽貨物ドライバー」が生まれる恐れがあります。
そのため、軽貨物ドライバーとして生き残るためには、先手を打つことが大切です。
ここからは、軽貨物ドライバーとして勝ち組になるための方法を解説します。
軽貨物運送会社と委託契約を結ぶ
運送会社と委託契約を結び、経験を積むことで、今後業界を生き抜いていく力をつけられるでしょう。
運送会社の看板を背負うことになるので、気が引き締まり、責任感も生まれます。
現在、軽貨物ドライバーは引く手数多のため、未経験でも必要とされるケースが増えています。
初心者から経験を積んでスキルアップすることで、その他と一線を引く、業界から重宝される軽貨物ドライバーを目指すことが可能です。
法人化して会社を設立するのもあり
個人事業主としてではなく、法人化して会社を立ち上げるのも一手です。
法人化は会社設立のために初期費用がかかるものの、節税ができたり社会的信用度が上がったりするなどのメリットがあります。
さらに、人を雇って組織体制を整えることで、業務の効率化もでき大きく稼ぐことも夢ではありません。
本気で軽貨物ドライバーとして稼いでいきたい場合は、法人化も視野にいれてみてはいかがでしょうか。
軽貨物業界の課題を意識しながらほかのドライバーと差をつけよう
軽貨物運送業は再配達問題や人手不足、2024年問などさまざまな課題が多く、改善の余地がある業界です。
しかし、私たちの生活を支えるためには必要不可欠な存在なため、軽貨物の仕事が失くなる可能性は低い考えられます。
しかし、参入障壁が下がったことも影響し、軽貨物ドライバーとしてどのように働くかを熟考する必要があります。
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