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アマゾンの下請け配送とは。配達員によるストライキについても紹介

アマゾンの下請け配送について、明確に理解している方は少ないのではないでしょうか。

2024年9月現在、軽貨物ドライバー対象のアマゾン配送では3つの働き方があります。

それぞれメリット・デメリットがあり、求める報酬額や働き方に適した選択が重要です。ここを間違えてしまうと思ったほど稼げない、といった状況になってしまうかもしれません。

この記事では、アマゾンにおける下請け配送の仕組みからそれぞれの働き方の詳細、おすすめの働き方を解説します。

アマゾン配送に挑戦したい方はぜひ参考にしてください。

目次

そもそも下請け配送とは

下請け配送とは「1次請けの運送会社から依頼され配送業務を行う」業務形態です。

1次請けの運送会社が自社で対応しきれない配送業務を外部の運送会社に委託します。

1次請けの運送会社は傭車として別の運送会社や個人の軽貨物ドライバーに業務を委託し、人員の不足や物量増加に対応します。

下請け配送は運送業界で一般的なビジネスモデルであり、効率的な配送を行うために用いられています。

下請け配送のメリット

下請け配送のメリットは以下の通りです。

  • 人件費の削減
  • 車両費・固定費の削減
  • 広範囲な地域への配送が可能
  • セール時の物量増加時に、一時的なドライバー確保が可能
  • 年末など人員が不足する時期の対応が可能
  • イレギュラーや緊急時の対応が柔軟に行える

1次請けの企業は自社ドライバーや確保する車両の必要数を減らし、人件費・固定費の削減を目指します。また、自社がカバーしていない地域を得意とする配送業者に委託することで、配送エリアを広げることが可能です。

1次請け企業にとって下請け配送を活用する価値は高く、下請け業者にとっても継続して仕事を受注できるといったメリットがあります。

アマゾンで下請け配送をするのはどの働き方?

アマゾンでの下請け配送がどのようなものか、働き方の種類ごとに紹介します。

下請け配送:デリバリープロバイダ(デリプロ)

アマゾンデリバリープロバイダ(デリプロ)は、アマゾンから直接配送を委託された運送会社です。佐川急便やヤマト運輸などの超大手運送会社ではなく、中規模の運送会社がデリバリープロバイダに該当します。

デリプロは、アマゾンでの下請け配送の代表的な働き方であり、デリプロ業者は多くの協力会社にアマゾン配送業務を委託しています。

2024年9月現在、国内でデリプロ事業者は9社しかなく、ほとんどのドライバーは下請けに当たる協力会社を介して、案件を振ってもらっています。

そのため、デリプロ案件の配達ドライバーは、デリプロ事業者のドライバーではなく下請け協力会社の孫請けドライバー、またはひ孫請けのドライバーとなるのが一般的です。

アマゾンが、デリバリープロバイダに配送を委託する理由として考えられるのは以下の3つです。

  • 大手運送会社に任せるより、配送コストを抑えられる
  • 細かな配送エリアに柔軟に対応できる
  • 繁忙期の配達量増加に対応できる

従来アマゾンは、ヤマト運輸や佐川急便などの大手運送会社に配送業務を委託していました。

ですが、大手運送会社に依存した業務委託により、配送コストの増加や遅配といった配送サービスの品質低下が課題となっていました。

デリバリープロバイダに配達業務を委託することで、配送コストの削減・配送サービスの向上を期待したのです。

アマゾンと直接契約:Amazon Flex

Amazon Flexは個人事業主がアマゾンと直接契約し配達するサービスです。

働く時間をブロックごとに選択し、自由な働き方が実現できる点が特徴です。

ブロックとは、Amazon Flexで使われる配達業務の単位です。各ブロックの時間は配達個数の所要時間を目安に設定されており、短いもので2〜4時間、長いもので8時間のブロックがあります。好きなブロックを選び、自分の都合に合わせて配達ができます。

AmazonFlexは、副業軽貨物ドライバーや、Wワークをしている人に支持されています。自由な時間を選んで働ける点が人気の理由の1つです。

パートナー企業と直接契約:Amazon配送サービスパートナー

ここでいうアマゾンのパートナー企業とは、Amazonの配送サービスパートナープログラムにより、Amazonと直接契約を結び、配送を委託されている運送会社を指します。

ドライバーはこのパートナー企業と委託契約を交わし、配送の仕事を振ってもらいます。

デリバリープロバイダとの大きな違いとして、ドライバーは売上からロイヤリティを引かれない点が挙げられます。

また、Amazon配送サービスパートナーでは再委託ができないため、契約先の企業が孫請けやひ孫請けになることはありません。

そのため、ほかの働き方に比べ報酬も高めに設定されています。

アマゾンの下請け配送の問題点

運送業界では一般的に行われる下請け配送ですが、いくつか問題点もあります。

ここではアマゾンの下請け配送に関する問題点について、下請け構造が発生するとなるデリバリープロバイダに絞って解説していきます。

多重下請け構造になりやすい

アマゾンの配送業務が多重下請けになりやすい原因は、膨大な取り扱い荷物量にあります。

取り扱い荷物個数に関する公式からの発表はありませんがさまざまなデータから推定される日本国内におけるアマゾン商品の年間配送個数は一説によると、約10億個以上とも言われています。

国土交通省の調査によると、令和5年度の国内での全宅配便取扱個数は、50億733万個で、前年度と比較して145万個、約0.3%増加しています。。

アマゾンから1次請けするデリプロ業者も膨大な個数の荷物を自社のリソースだけで配達することは困難です。

荷物をさばくためには、配達を協力会社に一部委託する必要があり、その結果1次請け、孫請け、ひ孫請けという多重下請け構造になりやすくなります。

このような理由から、デリプロでは再委託が常態化しています。

出典:令和5年度 宅配便・メール便取扱実績について|国土交通省

単価が低くなりやすい

下請けの中間業者が増えるほど、階層の下に位置するドライバーは報酬単価が低くなります。

デリプロによるアマゾン配送は多数の下請け業者を介しています。各業者が自社分の利益を確保(中抜き)し、下請けに再委託するため、必然的に階層の末端で荷物を配達するドライバーの配達単価は安くなります。

配送ドライバーからみて、最終的に手数料を引かれた報酬と業務量が見合わないという事態も多く発生しています。

過酷な労働環境になりやすい

孫請けや、ひ孫請けで業務を委託した運送会社は、限られた自社のドライバーで膨大な荷物量と依頼されたコースを守り配達をする必要があります。

基本的に軽貨物ドライバーは、配達が完了した荷物の分だけ報酬を受け取れます。無理難題を押し付けられても、報酬のために仕事を引き受けるといったケースもあるでしょう。

このような状況が慢性化すると、長時間労働につながり、配達ノルマに対するストレスが重なって肉体的、精神的疲労が蓄積します。また、過酷な労働環境により事故のリスクが増加し、配達業務の質の低下、顧客満足度の低いサービス提供につながります。

労働環境の悪化が原因で、デリプロ案件の協力会社と個人事業主ドライバーのトラブルに発展するケースも少なくありません。

Amazon本部が末端の下請け会社の状況を把握できない

多重下請け構造の影響で、下請け配送の現場で起きている問題を、Amazon本部が把握していないケースがあります。

これは、中間業者が増えれば増えるほど、下請け構造が複雑化するためです。

また、運送会社によってはドライバーが不当な条件での配送を強いられているケースもあり、Amazon本部はこれらを把握できず、放置されている可能性があります。

Amazon本部が、下請けの現場を把握できないことによる問題点には以下のようなものがあります。

  • 違法的な労働条件での業務を見過ごしてしまっている
  • 下請け業者が個人事業主ドライバーを実質的に、「雇用」と変わらない労働条件で働かせている
  • 下請け業者とのコミュニケーションがうまく取れず、トラブルの発見・解決が遅れる

下請けの運送会社によっては、委託契約の個人事業主ドライバーに正社員と変わらない働き方を求めるケースも発生しています。この問題点は、ドライバーが契約上は個人事業主であるということ。休業補償や労災など労働関係法令の適用がない点が問題視されています。

この状態は偽装請負と呼ばれ、実際に労災認定が認められた事例もあります。

出典:Amazon配達員に労災認定、労基署が「実態は雇用」と判断「名ばかり個人事業主」は救われるか|東京新聞TOKYO Web

未経験者や初心者の教育・トレーニングが行われない

デリプロ案件において下請けの協力会社へ新人ドライバーの研修を一任しているケースでは、協力会社によってドライバー研修の品質にばらつきがでます。協力会社のリソースが不足している場合、新人ドライバーは十分な研修を受けることができません。

デリプロに限らず、実際に大手荷主企業も、委託ドライバーの教育はeラーニングなどで対応している場合も多く、実地指導がされないまま業務を開始せざるを得ないケースは多いでしょう。

特に未経験者や初心者ドライバーは慣れない配達と、プレッシャーで事故やトラブルを起こすリスクが増加します。ドライバーの教育不足によりトラブルに発展するケースも考慮しなければなりません。

アマゾンの下請け配送でドライバーからストライキが発生した事例も

実際にアマゾンの下請けで配送するドライバーがストライキを起こした事例を紹介します。

ケース1)下請け業者間の委託切り

1次下請けが2次下請けとの業務委託を打ち切り、多くの配達員が失業の危機に直面しているとして、参加した約20人が「雇用を守れ」と声を上げた。

1次請けの運送会社による委託切りが行われ、2次請けの配送員によるストライキが行われた事例です。1次請けの運送会社の回答は「配送に特段の遅延はなく、お客さまには予定通りお届けできています」とのこと。

繁忙期のみ再委託を行い、繁忙期が終了したタイミングで委託契約解除になるケースも多いようです。

出典:Amazonに配達員たち「雇用を守れ」 下請け業者間の委託打ち切りに本社前抗議 長崎では配送ストライキ|東京新聞TOKYO Web

ケース2)セール期間における過酷な労働環境

抗議に参加した横須賀支部の40代の男性は、朝8時から夜9時まで、休憩1時間を除いて約200個の荷物を配達しているとし、「このまま働いたら、死ぬか第三者を事故に巻き込むかになる」と話す。

セール期間の荷物量の調整を求める抗議をアマゾンに対して行ったケースです。アマゾンは「委託先配送業者に安全な環境を整えることを求めている」と回答し、下請け業者とは実質的に関与していない事実が浮き彫りになりました。

出典:「このまま働いたら、死ぬか第三者を巻き込むか」Amazon配達員がブラックフライデー初日に抗議|東京新聞TOKYO Web

ケース3)200個以上の配達依頼

アマゾンの下請け運送会社で働く男性の配達個数は、午前118個・午後109個の合計227個であるとの報道です。

日常的に200個を超える荷物を扱うリアルな現役ドライバーの声が伝えられています。

出典:“1個3分”アマゾン配達“過酷”な現場12時間で200件以上「私はロボットか…」 2024年問題、大手「残業規制」のしわ寄せが|日テレNEWS NNN

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アマゾンデリバリープロバイダの下請け業者ってどんな会社?

先述の通り、アマゾンデリバリープロバイダは、アマゾンから直接業務委託を受けた運送会社のことです。

元請けをアマゾンとした場合、下請け業者の構造は以下のようになります。

  1. 元請け(アマゾン)
  2. 1次請け(デリバリープロバイダ業者)
  3. 2次請け(中範囲エリアで配送を行う中規模運送会社)
  4. 3次請け(限られた小さいエリアでのみ配送を行う小規模運送会社)

1次請けより下に位置する運送会社が下請け業者になります。

特に下層の業者は小規模な運送会社が多く、人員不足が慢性化しています。デリプロの過酷な労働環境が生まれる原因はこのような下請け業者の仕組みが大きく関わっているといえるでしょう。

アマゾンの下請け配送で痛い目を見ないための方法

ここまで解説してきた通り、アマゾンの下請け配送にはさまざまな問題点があり、何も考えずに下請け業者と契約すると、報酬が極端に少なかったり、悪質な労働環境だったりして、後悔することもあります。

ここでは、そんな事態に陥らないよう事前に回避するための方法を3つ紹介します。

Amazon配送サービスパートナーと業務委託契約を結ぶ

Amazon配送サービスパートナーであるパートナー企業の委託ドライバーとして働く方法です。

Amazon配送サービスパートナーのパートナー企業と契約するメリットには以下のようなものがあります。

ロイヤリティが発生しない

一般的な業務委託契約では運送会社へロイヤリティ(業務委託手数料)を支払います。

ロイヤリティの割合は運送会社によって異なりますが、売上の10%〜20%に設定している会社が多いです。

また、下請け構造の場合、仲介業者が増えるほど報酬額が低くなります。Amazon配送サービスパートナー は仲介業者を挟まず、パートナー企業との直接契約になるのでロイヤリティを支払う必要がありません。

そのため、報酬額はデリプロの案件と比較して、高くなります。

同じエリアを配達できる

Amazon配送サービスパートナーのパートナー企業には決められた配達エリアがあります。毎回同じエリアを担当できることはドライバーには大きなメリットです。

慣れないエリアで配達する場合にかかるストレスが減り、効率的な配送業務が可能です。

また、配達個数に対する所要時間のスケジュールが立てやすくなり、焦りによる事故のリスクも減少するでしょう。

研修・教育環境が整備されている

アマゾン仕込みの研修・教育環境が整っているのがAmazon配送サービスパートナー のメリットです。

デリプロやAmazon Flexのような、委託先の企業や個人に依存したトレーニングと異なり、アマゾンからのサポートを受けた教育体制が整った現場でスタートできます。

配達初心者でも安心して配達業務を始められるでしょう。

Amazon Flexで配達を行う

アマゾンとの直接契約であるAmazon Flexであれば、下請け配送の悪影響を受けることはありません。

Amazon Flexのメリットは、働く時間が自由に選べる点です。

ブロック単位で案件を獲得し、空いた時間だけ稼働するといった働き方ができます。

一方で、都度仕事を獲得しなければいけない点がAmazon Flexのデメリットです。Amazon Flexのオファー合戦は激しく、仕事を獲得できなければ報酬もありません。

また、遅配や誤配など、配送品質に問題があるとアマゾンに判断された場合、契約解除になるリスクがあります。

契約する前に下請けの運送会社について見極める

契約してから、「聞いていた話と違った」となっては手遅れです。

悪質な運送会社か否かは、求人募集の文章である程度見極めることができます。

アマゾン配送における危険度が高い運送会社の求人募集の特徴は以下の通りです。

  • 「未経験でも月収50万円以上稼げる」といった文言が使われている
  • 1日の配達個数が明記されていない
  • 「置き配で簡単」などの「楽な仕事感」が強調されている
  • トラブルへの対応環境についての明記がない
  • 研修制度・期間についての明記がない

人手不足の運送会社はドライバー確保のため、誇大広告や虚偽に近い募集内容で求人を出す傾向にあります。

また、これらのポイントに該当せずとも、何か不安な点があれば契約前にすべて解消しておくことが大切です。契約前に質問する内容を整理し、信頼できると判断した業者を見極めるように心がけましょう。

アマゾンの配達ならAmazon配送サービスパートナー(Amazon配送サービスパートナー)がおすすめ◎

ここまでアマゾンの下請け配送の実態について解説してきました。

アマゾンの下請け配送において、問題視されている案件のほとんどがデリプロ案件です。悪質な下請け業者の見分け方もお伝えしましたが、実際に見極めるのは難しいところもあります。

そのため、はじめからデリプロ案件ではなくAmazon配送サービスパートナーの案件に応募することをおすすめします。

Amazon配送サービスパートナー はアマゾンの既存の配達プログラムであるデリプロを進化させたプログラムです。

デリプロの過酷な労働環境、報酬の問題などを改善するための取り組みとして今後主流になっていくことが予想されます。

Amazon配送サービスパートナーであれば、ロイヤリティが引かれないので手取り報酬も高く、日当も保証されています。また、Amazonと直接契約しているパートナー企業のもとで働けるため、研修をはじめとした本部のサポートを受けられる体制が整っています。

現在デリプロでドライバーとして働いてる方や、これからアマゾン配送を始めたい方はAmazon配送サービスパートナー の求人を探してみてはいかがでしょうか。

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