配達の仕事に興味があるものの、体力仕事のイメージが強いから自分にはきついかもと感じている女性の方も多いのではないでしょうか。
たしかに、配達は決して楽をして稼げる仕事ではありません。また、女性ならではの苦労があるのも事実です。
しかし、だからといって女性にはできない仕事ということはなく、男性と同じように活躍している女性ドライバーはたくさんいます。
この記事では、女性目線で配達の仕事について解説していきます。また女性におすすめの働き方も紹介するので、これから配達の仕事をしてみようか悩んでいる方は必見です。
配達の仕事は大きく分けて3つ
配達の仕事は、大きく分けて以下の3つの種類があります。
- 軽貨物ドライバー
- トラック運転手
- フードデリバリー
「車で配達先を回って荷物を運ぶ」という点は共通していますが、それぞれ特徴が異なります。
仕事内容や必要な免許などの違いは以下のとおりです。
| 仕事内容 | 必要な免許 | 契約体系 | 月収目安（本業の場合） | 参入難易度 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 軽貨物ドライバー | 荷積み配達代引き | 普通自動車免許 | 業務委託アルバイト正社員 | 20万～40万円 | 低 |
| トラック運転手 | 集荷荷積み・荷下ろし配達 | 中型・大型運転免許フォークリフト（荷積みや荷下ろしもおこなう場合） | 正社員契約社員パート・アルバイト業務委託派遣社員 | 20万～35万円 | 中 |
| フードデリバリー | 配達 | 普通自動車免許（車で配達する場合） | 業務委託アルバイト | 10万～30万円 | 低 |
これらに共通しているのは、常に人手が不足している点です。
ほかの項目については、それぞれの見出しで詳しく解説します。
軽貨物ドライバー
軽貨物ドライバーの仕事は、比較的小さく軽い荷物を個人宅や企業に届けること。
単純に荷物を配達するだけではなく、軽貨物車両への荷物の積み込みもおこないます。
全体的に人手が不足していることもあり、年齢や性別、学齢、経験などを問わず募集していることが多いです。
ただし、軽貨物車両で荷物の配達をおこなうため、普通自動車免許は必須です。また、運送会社によっては免許を取得してから1年以上経過していることなど、条件が設けられているところもあります。
契約体系はさまざまですが、業務委託がもっとも一般的な働き方です。
月収目安は20万～40万円程度ですが、荷物を配達すればするほど報酬がもらえる歩合制のケースでは、月収100万円以上稼いでいるドライバーもいます。
トラック運転手
「トラック運転手」とひと口にいっても、その種類はさまざまです。
ここでは大型・中型ドライバーについて、軽貨物ドライバーと比較しながら解説します。
まず、大型と中型の違いは以下のとおりです。
| 車両の大きさ | 運転距離 | 荷積み・荷下ろし | 長距離手当 | |
|---|---|---|---|---|
| 大型ドライバー | 10t | 長距離が多い | フォークリフトを使用する | あるところが多い |
| 中型ドライバー | 4t | 日帰りできる距離が多い | 手積み・手下ろしが多い | なし |
| 軽貨物ドライバー | 軽バン | 1軒ごとの距離は短いがトータルすると長距離になる | 手積み・手下ろし | なし |
大型ドライバーは遠方の仕事が多く、車中で仮眠をとらざるを得ないこともしばしば。
一方で、中型の場合は日帰りできる案件が多く、軽貨物ドライバーはかぎられた範囲内で配達をおこなうため、エリア内に配達先が密集しています。
また、大型トラックの場合は、荷積みと荷下ろしの際にフォークリフトを使用します。
中型ドライバーは手ずから荷積みと荷下ろしをおこなうケースが多いため、大型よりも「きつい」と言われることも。
軽貨物も手で荷物を積み込みますが、車両が小さく荷物も軽いものが大半であり、それほど負担にはなりません。
報酬面では長距離手当がある分、大型のほうが中型よりも多く稼げる傾向にあります。
ただし、軽貨物ドライバーも、頑張り次第で大きく稼げる可能性がある仕事です。
なお、国が推進するプロジェクト「トラガール」では、運送業界を女性が働きやすい環境に変えていこうという取り組みがされており、未経験者の育成や働きながら大型免許取得を目指せます。
（参考：トラガール促進プロジェクト公式サイト｜国土交通省）
フードデリバリー
フードデリバリーは、顧客が注文した料理を指定された配達先に運ぶ仕事です。
アルバイトとして働く道もありますが、一般的なのは業務委託で、配達する際の移動手段やスマートフォンがあれば誰でも気軽に始められます。
配達に車両を使用するなら、普通自動車免許が必要です。軽貨物ドライバーやトラック運転手とは異なり、車は必須ではなく、自転車で配達するのであれば普通自動車免許は必要ありません。
大手フードデリバリーサービスのUber Eatsや出前館などでは、専用のアプリを使用し、配達リクエストを受けることで仕事を獲得します。
リクエストを受けたレストランで料理を受け取ったら、配達先に配達して終了です。
月収は人によって大きく差があり、本業でも10万～40万円程度の幅があります。ただし、リクエストを受ければ受けるほど報酬がもらえるため、それ以上稼いでいる人もいます。
配送の仕事は女性にはきついと言われる理由
もともと男性社会というイメージが強いこともあり、配達の仕事は「女性にはきつい」と言われることがあります。
どのような部分が女性にとってきついのでしょうか。
配達中にトイレに行くのが難しい
まず、配達中はトイレに行くのが難しいという問題があります。
たとえば、宅配の仕事であれば、朝センターを出発したら基本的には昼まで戻りません。
配達の途中でトイレに行くならエリア内にあるコンビニなどで借りるしかありませんが、時間指定に縛られて1分1秒が惜しい中、トイレ休憩の時間を確保するのは難しい場合もあるでしょう。
トイレに立ち寄ることで配達ペースが乱れてしまうこともあり、生理中でも昼までトイレに行けないという女性ドライバーも少なくありません。
また、生理でつらいときでも、シフト制で担当エリアが決まっているため、突発で休むのは難しいケースがほとんどです。
しかし、隣接しているエリアの担当者や同じエリアを担当している社員との交渉次第では荷物を引き取ってもらえるため、荷物量の調節ができる可能性はあります。
なかには稼ぎたい、とにかく荷物がほしい、というドライバーもいるため、そういったドライバーに荷物を渡して少しでも負担を減らしましょう。
また、トイレに関しては、配達に集中しているとそれほど気にならないこともあります。慣れれば自分で折り合いがつけられる部分ともいえますね。
重い荷物の持ち運びがきつい
荷物の中には重いものもあり、女性にとってはきついと感じる場合もあるでしょう。
重い荷物がいくつもある場合、力のある男性なら一度に2ケース運べるところが、女性の場合は1ケースしか運べず、何度も往復しなければならないこともあります。
ただ、こちらもトイレ同様、慣れでどうにかできる部分でもあります。
荷物の持ち運びに時間がかかる分、積み込みを早く終えられるようにしたり、効率の良い配達を心掛けたりなど、工夫次第ではたいした問題ではなくなるでしょう。
女性だからと強気な態度で出られることがある
顧客の中には、相手が女性だからと強気な態度で言いがかりをつけてくるクレーマーや、失礼な態度をとる人などもいます。
そのために不快な思いをすることがあるかもしれません。
しかし、ドライバー側もそうであるように、顧客にもさまざまな人がいます。
反対に女性には甘く男性に厳しい顧客などもいるため、女性だけが損をするというわけではありません。
嫌な態度をとられたら「この人はそういう人」と割り切ることが重要です。
配達の仕事が向いている女性とは？
配達の仕事が向いている女性とはどのような女性なのでしょうか。
ここでは、配達の仕事に向いている女性の特性を紹介します。
社交的な女性
社交的な性格の女性は配達の仕事に向いています。配達中は単独行動が基本ですが、人と接する仕事であるためです。
顧客とコミュニケーションをとることにストレスを感じない人や、人と接するのが好きだという人には向いているといえるでしょう。
逆に、人と接することにストレスを感じてしまう人にとっては、精神的にきつい瞬間が多い仕事かもしれません。
前向きで切り替えの早い女性
配達の仕事は、前向きで切り替えの早い性格の女性にも向いているといえます。
配達中は、不在が続いていらいらしたり、時間指定に間に合わず焦ったりなどさまざまなことが起こります。
その都度マイナスの感情をひきずってしまうと配達ペースに影響するため、アクシデントがあってもあまり気にせず、かつ切り替えの早い性格であれば、ストレスを溜めることなく進められるでしょう。
反対に、一度落ち込んでしまうとなかなか立ち直れない性格の場合は、崩れたペースが立て直せず配りきれなかったり、さまざまなことの積み重ねで配達自体が嫌になってしまう可能性があります。
負けず嫌いな女性
負けず嫌いな女性は配達に向いています。
負けたくない、なんとしても自力で配りきりたい、もっとたくさん配りたいという気持ちが成長につながるためです。
配達は肉体労働ですが、メンタルも大きく関係する仕事です。
そのため、多少運動が苦手で体力面に自信がなくても、やる気や負けん気があれば優秀なドライバーになれる可能性があります。
反対に、そこまでたくさん配れるようになりたいとは思わない、配りきれなくても別によい、というような考え方の場合はあまり向いていないかもしれません。
初心者の女性におすすめしたい配達の仕事
配達は初心者からでも始められる仕事です。
ここでは、初心者の女性におすすめしたい配達の仕事を紹介します。
ルート配送
初心者の女性におすすめの仕事はルート配送です。
ルート配送とは決まった企業や店舗に決まった商品を届ける仕事であり、多くの女性ドライバーが活躍しています。
宅配などとは異なり配送先が決まっているため、道順さえ覚えてしまえばルーティン化が可能です。
また、配達の仕事は長時間労働になりがちですが、ルート配送の場合は決まった時間だけの稼働で問題ないというメリットもあります。
さらにフリーランスであれば働く時間が柔軟に選べるため、プライベートとも両立しやすいでしょう。
荷物は軽いものから重いものまでさまざまですが、比較的軽いものが多いです。運送会社にもよりますが、重くて持てないような荷物は、男性ドライバーが担当するなどの配慮をしてくれる場合もあります。
アマゾンフレックス
アマゾンフレックスも、初心者の女性におすすめしたい配達の仕事です。
アマゾンフレックスとは、アマゾンと直接業務委託契約を結んでアマゾンの荷物を配送する働き方です。
シフトがあるわけではなく、アプリ上で飛んでくる依頼である「オファー」を獲得すれば仕事が発生します。そのため、自分の都合に合わせて稼働できる点が魅力です。
たとえば、主婦が家事の合間だけ働くということもできます。
軽貨物車両を自分で手配する必要がありますが、普通自動車免許と軽貨物車両、スマートフォンがあれば初心者でも始められます。
宅配
宅配は初心者でも性別関係なく始められる仕事です。
収入が安定していることから、子育てが落ち着いた40代や50代といった世代のドライバーも珍しくありません。
実際に、30代後半から宅配の仕事を始め、男性ドライバー並みに活躍している女性ドライバーもいます。
朝の積み込みや階段の上り下り、夜間の再配達など体力的にきつい部分もありますが、体を動かすことや運転が好きな人は、一度挑戦してみるのもよいでしょう。
宅配の仕事は長時間労働になりがちですが、条件を指定して探せば、半日だけの勤務など短時間の求人もあります。
短時間から始めて、できそうであれば勤務時間を伸ばしていくという手段もあります。
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配達は男性の仕事というイメージが強いですが、実際はそんなことはありません。
たしかに、配送ドライバーは男性の割合のほうが多いものの、ルート配送を中心に、活躍している女性ドライバーは着実に増えています。
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