ヤマト運輸で働きたい人やすでにヤマト運輸で働いている人の中には、ヤマト運輸で正社員をしながら、副業でさらに収入を伸ばしたいと考えている人もいるのではないでしょうか。
結論からいうと、ヤマト運輸では副業が禁止されています。
しかし、雇用形態によっては副業が制限されていないため、どのような場合でもできないわけではありません。
この記事では、ヤマト運輸で副業が禁止されている理由やバレたときのリスク、掛け持ちできる働き方などについて解説します。
ヤマト運輸のダブルワーク規定は?
政府の働き方改革によって副業解禁になる企業が増える中、ヤマト運輸では、頑なに正社員のダブルワークを禁止しています。
就業規則にも、副業できないことについて明記されています。
ただし、禁止されているのは正社員のみであり、雇用形態によっては可能です。
ダブルワークを禁止している理由については、次の章で詳しく解説します。
ヤマト運輸が副業を禁止する理由
一般的に、企業が副業を禁止する主な理由として挙げられるのは、副業によって生じる本業への支障や企業機密の漏洩などです。
同じくヤマト運輸も、上記のような理由から副業を禁止していることが想定できます。
とくに、運送業界では長時間労働になりやすく、ただでさえ過労による交通事故への影響が懸念されています。
すでにあるこのような問題が解決しない状態で副業を許可すれば、問題はさらに深刻化するでしょう。
そのため、運送業界ではほかの業界よりも副業に対して厳しくならざるを得ないという事情が考えられます。
運送業では副業禁止の会社が多い?
運送業では、副業禁止にしている会社が多い傾向にあります。
副業をした場合、もともと長くなりがちな労働時間がさらに長くなり、健康面や安全面に影響が出る可能性があるためです。
運送業界でも、年々副業を希望する人は増えています。
中には、入社時に副業は可能かどうかの問い合わせが増えたことをきっかけに、副業や兼業に関する就業規則を定めた会社もあります。
会社としては、すぐに賃金を上げることもできず、過労や事故を防止するためには禁止という手段を選ばざるを得ないのかもしれません。
しかし、副業を検討する人にはそれぞれ副業を検討するだけの事情があり、中には副業しなければ生活が成り立たない人もいるのが現実なのです。
参考:就業規則で副業を禁止するのは違法?
法律上、会社員が副業しても問題はありません。
政府の打ち出した「モデル就業規則」でも、本業を持ちながら、その勤務時間外にほかの会社などの業務に従事できると明言されています。
しかしそれと同時に、禁止または制限できる条件についても定められています。
上記にあてはまる場合、企業は副業や兼業を禁止・制限できます。
そのため、就業規則で副業を禁止することも違法にはあたりません。
ヤマト運輸で正社員として働きながらほかの運送会社で委託ドライバーをしていたケースでは、1や2、4などが問題になる可能性があります。
ヤマト運輸で副業が解禁される可能性はある?
残念ながら、ヤマト運輸で副業が解禁される可能性は低いでしょう。
なぜなら、運輸労連が副業解禁に否定的であるためです。
運輸労連(全日本運輸産業労働組合連合会)とは、日本通運やヤマト運輸などのさまざまな運送会社で働く労働者で構成された、産業別の労働組合のことです。
2018年1月30日に都内で行われた運輸労連の中央委員会で副業解禁について話し合われた際も、現状では認められないとの結論に至っています。
やはり懸念されるのは、副業をすることで過労が安全面に与える影響です。
それよりも適正運賃や料金収受、賃金の底上げを先に進めるべきであるとの考えですが、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、2018年から2022年までの過去5年間の運輸業・郵便業の賃金はほぼ横ばいになっています。
運輸業・郵便業の過去5年間の賃金は以下のとおりです。
<運輸業・郵便業の過去5年間の賃金の推移>
2018年 | 2,854,000円 |
---|---|
2019年 | 2,785,000円 |
2020年 | 2,853,000円 |
2021年 | 2,890,000円 |
2022年 | 2,890,000円 |
むしろ、増えるどころか令和4年の賃金は平成30年よりもやや下がっています。
2024年問題も目前に迫っていることから、副業解禁どころではないというのが現状なのではないでしょうか。
(出典:平成30年賃金構造基本統計調査 産業別|厚生労働省
:令和元年賃金構造基本統計調査 産業別|厚生労働省
:令和2年賃金構造基本統計調査 産業別|厚生労働省
:令和3年賃金構造基本統計調査 産業別|厚生労働省
:令和4年賃金構造基本統計調査 産業別|厚生労働省)
ヤマト運輸は「働き方改革に失敗している」という声もある?
ヤマト運輸は、2017年より働き方改革としてさまざまな取り組みを行ってきました。
しかし、その働き方改革について「失敗している」との声も上がっています。
たとえば、2018年に導入された「アンカーキャスト」の導入です。アンカーキャストとは、午後から夜間までの配達を担当するドライバーのこと。
アンカーキャストがコースに入ることで、正社員として働くドライバー「SD(セールスドライバー)」への負担が軽くなり、長時間労働の解消につながります。
ただし、アンカーキャストがもたらす影響はよいものばかりではありませんでした。
アンカーキャストに荷物を渡した分SDの荷物が減り、その分収入が減ってしまったというのです。
また、アンカーキャストとして採用されたドライバーに配達未経験者や地理に疎い人が多く、かえってSDの負担が増したケースもあります。
ほかにも、12〜14時、20〜21時の時間指定が廃止されたものの、再配達というシステムがある以上忙しさは変わらず、いずれも根本的な問題の解説にはほど遠いといった印象です。
ヤマト運輸で副業がバレたらどうなる?
ヤマト運輸で正社員として働きながら隠れて副業し、それがバレてしまった場合、重い処分は避けられません。
副業が見つかって即解雇、とまではいかなくても、初回に勧告を受け、それでも二度、三度と繰り返すようであれば解雇処分を受ける可能性は大いにあります。
中にはバレないよう現金で報酬を支給されるようなアルバイトをしている人もいますが、あまりおすすめできません。
ドライバーの仕事は決して楽な仕事ではなく、体力的にも精神的にもきついと感じる瞬間があります。
そのうえ、いつどこから副業をしていることがバレるかわからないという緊張感にさらされれば、体調や精神状態、本業のパフォーマンスなどに悪影響を及ぼすことも考えられます。
やはり、正々堂々と副業できる環境で行うのがベストなのではないでしょうか。
ヤマト運輸に勤めながら副業する方法は?
前述のように、正社員の場合は副業ができません。
では、ヤマト運輸に勤めながら副業をする方法はないのでしょうか。
ここでは、ヤマト運輸に勤めながら副業する方法を紹介します。
ヤマト・スタッフ・サプライで委託ドライバーになる
ヤマト運輸に直接雇用されるのではなく、ヤマト・スタッフ・サプライで委託ドライバーになるという選択肢もあります。
ヤマト・スタッフ・サプライとは、ヤマトグループのひとつであるヤマト・スタッフ・サプライ株式会社のフランチャイズ事業主に加盟し、個人事業主として配達を行う働き方です。
自分で営業をかけて仕事を取ることも、ヤマト・スタッフ・サプライから仕事を紹介してもらうこともでき、個人事業主であるため副業も可能です。
また、「ヤマト・スタッフ・サプライ」のロゴの入った軽貨物車両と制服による効果で顧客から信用を得やすく、営業しやすいといったメリットもあります。
アンカーキャストなら副業可能?
アンカーキャストにも副業は認められていません。
アンカーキャストとは、前述のとおり、正社員として働くドライバー「SD(セールスドライバー)」の助っ人的な存在です。
午後からラストまでの配達を担当することで、SDの荷物を減らしたり早上がりさせたりする役割を持っています。
SDとは異なり、アンカーキャストの雇用形態は正社員ではなく契約社員です。
しかし基本的に副業は許されておらず、隠れて行った副業がバレてしまった場合は、正社員と同様に解雇などの重い処分が待っています。
アンカーキャストの中には、副業をするためにアンカーキャストを辞め、わざわざ委託になった人もいます。
アシストやクロネコメイトになる
アシストやクロネコメイトといったポジションであれば副業も可能です。
それぞれ紹介します。
アシスト
アシストとは、朝の仕分け作業を行うスタッフのことです。
ヤマト運輸の直接雇用ですが、立場としてはパートになるため、正社員やアンカーキャストとは扱いが異なります。
多くのアシストが本業を持っており、本業の出勤前にアシストをしているというケースが多いです。
また、所属するセンターによっては、フルタイムで雇用してもらえることもあります。
その場合は、アシストとして仕分け作業を行ったあとほかの業務を行います。
クロネコメイト
クロネコメイトとは、クロネコDM便を専門に配達するスタッフのことです。
クロネコメイトは個人事業主であるため、ほかに仕事を持っていても問題ありません。
また、シフトが決まっているわけではないため、DMが溜まったタイミングで配る人や手が空いているときに配る人など、それぞれが自分の都合に合わせて配達を行っています。
中にはヤマト運輸でSDとして働きながら、休日にDMを配っている人もいます。実質副業をしているようなもので、良い小遣い稼ぎになっている人もいるようです。
ただし、クロネコメイトは2024年1月31日で終了し、それ以降は日本郵便に委託することが決まっているため、長く続けられる仕事ではない点には注意が必要です。
委託ドライバーなら副業OKだから自由に稼げる◎
ヤマト運輸のダブルワーク規定について解説しました。
記事の中でも解説したとおり、ヤマト運輸では正社員や契約社員として雇用されている場合は副業が認められません。
そのため、どうしてもヤマト運輸に勤めながら副業をしたいなら、正社員・契約社員以外の仕事を選ぶ必要があります。
雇用形態にこだわらないのであれば、委託ドライバーになるのもよいでしょう。
ヤマト運輸と契約している運送会社に所属すれば、ヤマト運輸で働けるうえ副業NGという制約がないため自由に副業が行えます。
また、ヤマト運輸の正社員のように福利厚生や賞与などはありませんが、配った分がそのまま報酬に反映されるため、大きく稼ぐことも可能です。
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