「普通運転免許と黒ナンバーの軽貨物車両があればすぐに始められる」のが売りの軽貨物ドライバー。
しかし黒ナンバー車両のリース審査に通らないことがネックで、なかなか軽貨物の仕事を始められないという人も多いのではないでしょうか。
この記事では、黒ナンバー車両のリースで「審査なし」はあるのかどうかやリース契約における審査項目、リース審査に通らない人の特徴などについて解説します。
「審査なし」で黒ナンバーをリースできる?
審査なしで黒ナンバーの車両をリースすることは不可能です。
黒ナンバーの車両にかぎらずリース契約には審査がつきものであり、基本的に無審査のリース契約は存在しないためです。
そのため審査に通るか不安な人は、審査に挑む前にリース契約での審査項目や審査を通過するポイントをチェックしておくことをおすすめします。
また、ブラックリスト入りしてしまっているなど審査に通る可能性が低い人は、リース契約ではなくほかの手段で黒ナンバーの車両を手に入れることを考える必要があるでしょう。
黒ナンバーのリース契約における審査項目
黒ナンバーをリース契約する際の審査項目は以下のとおりです。
- 安定した収入の有無
- 年収
- 勤続年数
- 信用情報
審査基準はリース会社によって異なります。
しかし、上記の項目について審査されることが一般的です。
収入面では、「この人は本当にリース料を払っていけるのか」を見られます。
勤続年数は、短いからといって必ずしも審査に落ちるわけではありませんが、あまりにも短ければ「すぐに辞めるかもしれない」という懸念材料を与えてしまう可能性があります。
なお、信用情報とはクレジットカードやローン、借入などの契約内容や利用履歴、支払い状況といった個人の情報です。
クレジットカードの利用や借入をしていること自体が審査に悪い影響を与える可能性は低いですが、支払いの滞納があった場合は審査に影響を与えます。
黒ナンバーのリース審査に落ちる人の特徴
黒ナンバーのリース審査は、どのような人が落ちる傾向にあるのでしょうか。
ここでは、黒ナンバーのリース審査に落ちる人の特徴を紹介します。
ブラックリストに載っている
何らかの理由でブラックリストに載っていると、黒ナンバーのリース審査に落ちてしまう可能性があります。
「ブラックリストに載る」とは、以下のことなどが原因で信用情報に傷がついてしまっている状態のことをいいます。
- 債務整理を行った
- クレジットカードの返済を滞納している
- カードローンやキャッシングの返済を滞納している
- 住宅ローンや自動車ローンを滞納している
- 携帯代を滞納している
- 連続してクレジットカードの申し込みをしている
自己破産や個人再生、任意整理といった「債務整理」を行うと信用情報に傷がつき、ブラック入りしてしまいます。
債務整理とは、借金を減額または免除することで借金問題の解決を目指す方法です。債務整理手続きをすると5〜10年は事故記録として残るため、その間審査に通りにくくなります。
クレジットカードやローン、携帯代を滞納している場合も要注意です。2〜3カ月以上滞納すると、ブラックリストに載る可能性があります。
そのほか、クレジットカードを連続して申し込むと、「お金に困っているのではないか」とカード会社から怪しまれ、ブラックリスト入りしてしまうことがあります。
安定した収入がない
安定した収入がないと、審査に通らない可能性があります。安定した収入がない=支払い能力がないと判断されるためです。
会社員や公務員であれば、辞めないかぎり毎月安定した収入を得られるため審査に有利です。
しかし、個人事業主は状況の変化や個人事業主本人の体調などによって収入が変動します。
たとえば軽貨物ドライバーなら、物量が多ければその分稼げますが、物量が少ない日が続けば、たくさん配れるドライバーでも稼げません。
たとえ契約時に収入が安定していても、今後もその収入をキープできる保証がないため審査に通りにくいのです。
現在会社員や公務員なら、退職前に審査を受けておいたほうがよいでしょう。
年収が低い
年収の低さも、リース審査に落ちる人の特徴のひとつです。
「◯万円以上でなければ審査に通らない」というような明確な基準はありませんが、年収が200万円未満の場合は、審査に落ちやすいといわれています。
個人事業主であれば、年収300万円でも審査に通らないなど、さらに審査が厳しくなる可能性がある点に注意が必要です。
保証人をつけると審査に通りやすくなるため、年収が低い人は保証人をつけることも検討しましょう。
黒ナンバーのリース審査に通過するためのポイント
リース審査を通過するためには、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。
ここでは、黒ナンバーのリース審査に通過するためのポイントを紹介します。
支払い状況を確認する
リース審査に挑む前に、自分の支払い状況を確認しましょう。うっかり支払いを失念してしまい、知らず識らずのうちに滞納している可能性もあるためです。
支払いの督促は封書やハガキで届くもののほか、メールや電話で来るものもあります。
現在滞納している支払いがないか郵便物などをチェックし、払い忘れているものがあれば支払いましょう。
信用情報が気になる場合は、信用情報機関に情報の開示請求をすれば自分の信用情報を確認できます。
個人の信用情報については、以下の機関が保管・管理を行っています。
- JICC(日本信用情報機構)
- CIC(株式会社シー・アイ・シー)
- KSC(全国銀行個人信用情報センター)
信用情報の開示請求は電話やメールではできません。それぞれ郵送やインターネットなどで請求する必要があります。
なお、情報開示には機関や請求方法によって金額は異なりますが、500〜1,500円の手数料がかかります。
自分の収入・支出に合った車両を選ぶ
車両をリースする際は、自分の収入と支出に合ったものを選びましょう。
審査は、一般的にリース料やローン、借入などの合計金額が年収の3分の1に収まっているかどうかが目安になります。
そのため、現在組んでいるローンや借入がある場合は、それらの金額も考慮してリースする車両を選ぶ必要があります。
年収の3分の1を超えてしまうなら、3分の1を超えない程度の金額の車種に変更するか、グレードを下げるなどの工夫をしましょう。
自分の収入・支出に見合った車両を選ぶことで、審査に通りやすくなります。また、自分にかかる金銭的な負担も軽減できます。
社内審査のリース会社を選ぶ
少しでも審査に通りやすくしたいなら、社内審査を行っているリース会社を選ぶとよいでしょう。
社内審査であれば、信販会社や銀行の審査よりも審査を通過しやすいためです。
ただし、社内審査を行っているリース会社は相場よりもリース料が高めになる傾向がある点には注意が必要です。
どうしても審査が不安な人や、信販会社や銀行の審査では落ちてしまう可能性が高い場合は検討してみてもよいのではないでしょうか。
黒ナンバーのリースに関するよくある質問
黒ナンバーのリースは、そもそも個人でも契約できるのでしょうか。また、短期でのリース契約は可能なのでしょうか。
ここでは、黒ナンバーのリースに関するよくある質問を紹介します。
個人事業主でもリース可能?
黒ナンバーのリースは、個人事業主でも契約可能です。
たしかに個人事業主は審査に通りにくい傾向にありますが、個人事業主=契約できないというわけではありません。
リース会社の中には個人事業主向け、フリーランス向けと謳っている会社もあるため、そのような会社を探してみるのもよいでしょう。
ただし、リース契約を結ぶためには審査を通過する必要があります。審査に通らなければ、個人事業主でも会社員でもリース契約できません。
短期でのリース契約はできる?
リース契約は短期でもできます。
たとえば、「軽貨物を始めたいけど続けられるかどうか自信がない」という場合に、1カ月や3カ月といった短期間で契約して試してみることも可能です。
リース期間についてはリース会社によって異なりますが、6カ月からの契約が一般的です。すぐに辞めたくなっても途中解約ができないため、6カ月間はリース料を支払う必要があります。
すぐに辞めたくなる可能性があるなら、短期でのリースのほうがよいケースもあるでしょう。
ただし、リースは基本的にリース期間が長ければ長いほど1日あたりのリース料が安くなるため、短期のリース契約の場合は金額が割高になる点に注意が必要です。
たとえば、とあるリース会社では以下のようにリース料が設定されています。
1週間 | 55,000円 |
3カ月 | 66,000円/月 |
6カ月 | 55,000円/月 |
12カ月 | 44,000円/月 |
上記のように、期間が短くなればその分リース料が高くなることを念頭に置いておきましょう。
激安のリース契約でも大丈夫?
黒ナンバーのリース料は20,000〜40,000円が相場です。
できるだけリース料を抑えたいと思いつつも、相場よりも安い場合はそこで決めてしまっても本当に大丈夫か不安になる人もいるでしょう。
しかし相場より安くても、中には安心して契約できるリース会社もあります。
たとえば、頭金0円、登録料0円で新車を月額18,900円で契約できる「箱バン.com」では、メンテナンスや車検、任意保険つきで安心です。
また、「定額ニコノリパック」では、リース期間や車種によっては月額14,000円台でリースできるものもあり、安さに加えて審査の通りやすさにおいても定評があります。
一度チェックしてみるとよいでしょう。
走行距離無制限のリースはある?
一般的な車両と同様に、黒ナンバーの車両をリースする際も走行距離に制限があることが一般的です。
しかし、中には走行距離無制限のリースも存在します。
たとえば「GMSリース」では、走行距離制限「なし」か「3,000km」のうちどちらかを選択できます。
走行距離制限なしの場合リース料が高くなりますが、走行距離を気にせず配達できる点はメリットといえるでしょう。
黒ナンバーのリース審査に通らないときの代案
審査通過率が高いリース会社もありますが、それでも状況によってはリース審査に通らないこともありえます。
ここでは、黒ナンバーのリース審査に通らないときの代案を紹介します。
黒ナンバーをレンタルする
黒ナンバーの軽貨物車両を、リースではなくレンタルする方法があります。
レンタルした軽貨物車両で配達を行うことは違法ではないため、どうしてもリース審査に通らず、軽貨物車両を購入するといったほかの手段も使えない場合は、レンタルを検討するのもひとつでしょう。
ただし、レンタルの場合はリースとは異なり、「車検証上の使用者が自分にならない」という問題があります。
使用者が配達を行う本人になっていないと、アマゾンフレックスや車両のナンバー登録が必要なマッチングサービスは利用できません。
また、リースよりも利用料金が割高になる傾向にあります。
黒ナンバーの軽貨物車両をレンタルするなら、以上の点を考慮する必要があるでしょう。
軽貨物車両を購入する
リースできないなら、購入してしまうのもひとつです。
リースの場合、リース期間終了時にそのまま買い取れるパターンもありますが、いつまでも自分のものにならず、契約しているかぎりリース料を払い続けなければならないこともよくあります。
しかし購入すれば自分のものになり、それ以降は車両そのものの費用がかかりません。
車両を購入できるだけの資金がない場合でも、これまで使用していた車があれば、車を売却して得たお金を軽貨物車両の購入に充てられます。
借金をしていないのにリース審査に落ちてしまった場合は、車両を購入するための資金を消費者金融などで借り、安くで売られている中古車を購入する手もあります。
同業者から譲ってもらう
知り合いに引退や車両の買い替えを考えている同業者がいれば、安く譲ってもらうという手段もあります。
直接の知り合いでなくても、知り合いのそのまた知り合いなど、人づてに譲ってもらえるケースもあります。
心当たりがあれば、だめもとで声をかけてみるのもよいでしょう。
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黒ナンバーをリース審査なしに契約できるかについてやリースをする際の審査項目、リース審査に落ちる人の特徴などを解説しました。
軽貨物ドライバーを始めるにあたって、軽貨物車両は必要不可欠です。
しかしどうしてもリース審査に通らずほかの手段も思いつかない場合は、黒ナンバーの車両を持ち込まずに働ける、業務委託の軽貨物案件を探すことをおすすめします。
委託会社の中には会社で所有している車両を貸してくれるところもあり、採用されればとくに審査を行わないケースもあります。
中には、委託会社と提携している好条件のリース会社を紹介してくれるところもあるでしょう。
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