配送の仕事を検討している人の中には、医薬品の配送に興味があるものの、「きつい」と聞いて不安になっている方もいるのではないでしょうか。
医薬品配送は「きつい」と言われることがありますが、その一方で「楽」であると言われることもあり、楽しみながら働いているドライバーも数多くいます。
この記事では、医薬品配送がきついと言われる理由や仕事内容、評判について解説します。
医薬品配送の仕事に興味がある人は、ぜひ最後までご覧ください。
医薬品配送とは
医薬品配送とは、医療機関や調剤薬局などに医薬品を届ける仕事です。
ルート配送の一種であり、宅配のように毎日異なる配達先に行くのではなく、配送先や日程はあらかじめ決まっています。
そのため、慣れればルーティン化が可能です。
ただし、医療機関は診察時間がかぎられているうえ時間指定の荷物が多い傾向にあるため、慣れるまでは指定の時間に間に合わなかったり焦ってミスをしたりなど、きついと感じることがあるかもしれません。
医薬品配送に資格は必要?
医薬品配送に特別な資格は必要ありません。
基本的にはハイエースや軽貨物車両などで配達を行うため、普通自動車免許さえあれば問題ありません。
ただし、会社によっては中型や大型のトラックを使用することもあります。
その場合は中型や大型の運転免許が必要です。
また、フォークリフトの資格を所有していると重宝されることがあります。
医薬品配送ドライバーの契約形態
以下のとおり、医薬品配送ドライバーの契約形態はさまざまです。
- 正社員
- 契約社員
- アルバイト
- パート
- 業務委託
- 派遣社員
正社員やパート・アルバイトといったような、直接雇用されて働く形態が多い傾向にあります。
しかし、契約社員や業務委託なども少なくありません。
自分のライフスタイルに合わせて働き方を選ぶとよいでしょう。
医薬品配送の仕事内容
医薬品配送ドライバーは、普段どのように働いているのでしょうか。
医薬品配送の主な仕事内容は以下のとおりです。
- 注文伝票を印刷し医薬品を検品する
- 医療機関や薬局へ納品する
- 帰社し受取伝票を提出する
それぞれ解説します。
1.注文伝票を印刷し医薬品を検品する
出社したら、まずその日に配達する分の注文伝票を印刷します。
そして、注文伝票を確認しながら薬の在庫を確認します。
在庫に問題がなければ検品し、配送先ごとに車両に積み込みますが、在庫が不足していれば医薬品卸売会社の営業担当者に報告しなければなりません。
そのため、慣れてくればスムーズに作業を行えるようになりますが、慣れないうちやイレギュラーが生じた場合は、会社を出るまでに時間がかかってしまう可能性があります。
医薬品の名称も、なじみがなければなかなか覚えられないかもしれません。
注文伝票は、配送先に着いたあとすぐに取り出せるよう、ルート順にしておきます。
会社を出発したら、あとは決められたルートで医療機関や薬局を回り、指定された時間内に医薬品を届けます。
2.医療機関や薬局へ納品する
配送先に医薬品を受け渡す際も検品作業は必要です。
受取伝票に記載されている薬品名や数量を読み上げてもらい、それに従って品物を出します。
薬品の種類や数量に問題がなければ印鑑をもらい、次の配送先に向かいます。
受付や勝手口など、受取場所は医療機関や時間帯によって異なるため、配送先の指示に従いましょう。
注意が必要なのは、いつもの時間よりも早く届けてほしいと依頼されるケースがあることです。
その場合はルートを変更する必要があり、予定をうまく組み立てないとほかの配送先に影響が出る可能性があります。
基本的にはルーティン作業ですが、ときには臨機応変に対応できる柔軟さが求められます。
3.帰社し受取伝票を提出する
配送先をすべて回ったら、帰社し受取伝票を決まった場所に提出します。
しかし、1〜3のステップを1日に2〜4回行う必要があるため、それで終わりではありません。
新たな注文伝票を印刷したら在庫を確認し、検品・積み込みを行ったらまた配送に出ます。
1日の配送件数は会社やルートによって幅がありますが、10〜50件程度です。
場合によっては、さらに多くの配送をこなすこともあります。
1日の配送が完了したら、その日の業務は終了です。
配送先が医療機関や調剤薬局ということもあり、残業が発生しにくい点はメリットといえるでしょう。
医薬品配送(薬を仕事を運ぶ仕事)の給料
医薬品配送の給料は、平均年収で300〜350万円程度であるといわれています。
極端に少ないわけではありませんが、宅配などの一般的な軽貨物案件と比べるとあまりよいともいえません。
月収50万円を目指したいなど、大きく稼ぎたい人には物足りないでしょう。
ルート配送は安定的に仕事があることや長時間労働になりにくい点などメリットもある働き方ですが、単調な仕事ゆえ配達案件の中でも高収入を得られにくいのです。
ただし、案件によっては平日のみの稼働で月収40万円稼げるようなものもあるため、探せば条件のよい案件が見つかる可能性もあります。
以下は、医薬品配送と宅配の収入の比較です。
案件 | 月収例 | 年収例 |
---|---|---|
医薬品配送 | 290,000円 | 348,000円 |
宅配 | 562,500円 | 6,750,000円 |
上記はほんの一例であり、宅配は特に大きく稼げている人の収入例となっています。
必ずしもこのような金額になるとはかぎらない点に注意しましょう。
なお、宅配の収入例は、荷物単価150円×1日あたり150個で荷物を配達したと仮定した場合の金額です。
医薬品のルート配送ってどんな感じ?評判は?
実際に医薬品の配送ドライバーとして働いている人は、医薬品配送に関してどのように思っているのでしょうか。
ここでは医薬品のルート配送の評判や、実際に体験した際の感想などを紹介します。
投稿にもあるとおり、「毎日時間どおりに配送する」というのはなかなか大変なようです。
ある程度は自分で調整できるかもしれませんが、のんびり配送できるわけではなさそうです。
また、収入面に不満を感じている書き込みも見られました。
しかし、全体的にそれほど否定的な声はなく、「楽しい」「この仕事が好き」という人も多い印象です。
医薬品の配送が「きつい」と言われている理由
医薬品の配送は、なぜ「きつい」と言われるのでしょうか。
ここでは、医薬品の配送がきついと言われている理由について解説します。
人間関係に気を遣う
医薬品配送が「きつい」と言われる理由には、人間関係の複雑さもあります。
医薬品配送は、移動中こそ1人で黙々と運転しますが、意外に人と接する機会の多い仕事です。
たとえば医薬品卸会社の営業担当者(MS)や医薬品を保管している倉庫の倉庫係、配送先である医療機関や薬局の職員などさまざまです。
医療機関によっては医師が気難しく、医師の機嫌をとりながら業務を行わなければならないケースもあります。
また、MSや倉庫係も付き合いやすい人間ばかりとはかぎりません。
医薬品配送ドライバーの中には、仕事内容よりも人間関係に悩んで辞めてしまう人もいます。
重い荷物を運ばなければならない
重い荷物を運ばなければならないことも「きつい」と言われる理由のひとつです。
医薬品配送で取り扱う荷物には、軽いものばかりではなく重いものもあるためです。
「薬品を運ぶだけ=軽い荷物がほとんど」だと思われがちですが、たとえば輸液が入った10kg以上の段ボールを大量に運ばなければならないことなどもあり、それをきついと感じる人もいます。
そのため、ある程度体力が必要な仕事です。
医薬品配送を行うなら、重い荷物を運ぶ必要があることを念頭に置いておいたほうがよいでしょう。
紛失させると大ごとになる医薬品もある
配送する医薬品の中には、紛失するだけで都道府県知事に届け出なければならないものもあります。
たとえば、パニック障害や睡眠障害などの治療に使用される「向精神薬」などが該当します。
配送先を間違えたり、どこかに置き忘れてしまったなどということは許されません。
また、紛失届を提出する必要のない薬品でも、高額なものや割れやすい容器に入っているもの、冷凍保管が必要なものなどもあります。
そのため、医薬品の取り扱いには細心の注意を払う必要があります。
責任の重い仕事であるという自覚を持って働く必要があるでしょう。
医薬品配送は「楽」という意見も
医薬品配送は「きつい」と言われることがある一方で、「楽」という意見もあります。
どちらかといえばむしろ、楽だという意見のほうが多い傾向にあります。
どのような点が楽と言われるかについて、宅配や長距離ドライバーなどと比較してみましょう。
たとえば宅配は、1日の物量がその日によって異なります。
少ないときもありますが、アマゾンのセールや繁忙期には、1人のドライバーでは到底さばききれないような荷物を持たされることもあります。
しかし、医薬品配送は配送先と日時が決まっているため、予想外に荷物が多くなるということはありません。
また、長時間労働になりにくいところも「楽」と言われる理由のひとつです。
たとえば長距離ドライバーは500km以上の距離を走るため、労働時間が13時間を超えることも珍しくありません。
ところが、医薬品配送は主な配送先が医療機関や調剤薬局であり、あらかじめ時間が決まっているため決まった終業時間に帰れることが多いです。
以上の点から、「楽」と言われることがあります。
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重い荷物の運搬や責任の重さなどから「きつい」と言われることがある医薬品配送ですが、一方で「楽」と言われることもあり、中には楽しんで働いている人も数多くいます。
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