軽貨物ドライバーにとって毎日の配送に欠かせない軽バン。
これから軽貨物の仕事を始めようとしている方の中には、購入費用を極力抑えたいと考える方も多いのではないでしょうか。低価格で良質な軽バンを手に入れるには、車種の選択方法や車両価格相場を理解しておく必要があります。
この記事では、安く軽バンを手に入れたいと考えている方向けに、軽バンを安く入手する方法を詳しく解説します。軽バンの選び方や価格相場、購入時の注意点まで詳しくお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。
軽貨物配送業務に使う軽バンの選び方
軽貨物配送業務をスムーズに行うには、軽バンの選び方が重要です。
ここでは価格と機能面のバランスがとれた軽バンを選ぶポイントを紹介します。
配送業務内容に合った荷室サイズ・積載量か
軽貨物配送業務で使用する車両は、ワゴンタイプではなくバンタイプを選ぶのが一般的です。
ワゴンタイプは貨物用として設計されておらず、積載量が少なくなりがちです。
バンタイプは荷室スペースが広く、多くの荷物を積載できるため効率的な配達に適しています。
燃費性能が良いか
ガソリン代は軽貨物ドライバーができるだけ抑えたいコストの1つです。
配送業務では長時間の運転や長距離走行が日常的になるため、燃費の良い軽バンを選ぶことで経費を抑えられます。
軽バンの燃費性能は15〜20km/L前後のものが多いため、この数値を基準に検討するとよいでしょう。また、ハイブリッド車や軽油仕様の車両は、特に長距離を走る場合にコスト削減が期待できます。
参考:
エブリイ|スズキ
【公式】ハイゼットカーゴ|ダイハツ
N-BOX|Honda公式サイト
取り回しが良いか
配送ルートに細い道や狭い駐車スペースが含まれる場合、小回りの効く車両が便利です。
最小回転半径をチェックし、運転しやすいモデルを選ぶとよいでしょう。
維持費について
軽自動車は自動車税や重量税が低く設定されており、コストを抑えられる点が魅力です。
保険は事業用の加入が必要で、条件によっては費用が高くなるため、複数の保険会社を比較しましょう。さらに、タイヤ交換やオイル交換などの定期整備費用も考慮する必要があります。
特に中古車は修理費用がかさむ可能性があるため、購入時に整備履歴を確認し、信頼できる車両を選ぶことが重要です。
軽バンの価格相場
軽バンの価格は、新車・新古車・中古車のいずれを選ぶかによって大きく異なります。
国内で流通量が多い「スズキ エブリイ」を例に、2024年11月時点の相場を解説します。
新車相場
スズキ エブリイの新車価格は、グレードや装備によって異なります。
例えば、上位グレードの「JOINターボ(ハイルーフ)」の2WD・CVTモデルは、メーカー希望小売価格が166万5,400円です。一方、ベーシックな「PA(ハイルーフ)」の2WD・5MTモデルは、119万7,900円となっています。
詳細な価格情報は、スズキ公式サイトで確認できます。
新古車相場
新古車とは、登録済みでありながら未使用の車両を指します。
新古車は50万〜180万円程度と幅広く、新車より割安なものが流通しています。
具体的な価格は、車両の年式や装備、販売店によって異なりますが、新車価格よりも数万円から十数万円程度安くなる場合があります。ただし、在庫状況や市場の需要によって価格は変動するため、最新の情報を販売店で確認することをおすすめします。
中古車相場
2024年11月時点だとグーネットで13.9万円から購入できるものもあります。
中古車市場では、エブリイの価格は年式、走行距離、車両状態、グレードなどによって幅広く設定されています。
例えば、2022年式で走行距離が少ない車両は高めの価格設定となり、2015年式以前のモデルや走行距離が多い車両は価格が下がる傾向があります。
具体的な価格帯や在庫状況は、中古車情報サイトで確認できます。
出典:
エブリイ カラー・価格|スズキ
スズキ エブリイ 商用車の価格・新型情報・グレード諸元 |価格.com
エブリイ(スズキ)の新車・新型カタログ詳細|グーネット新車
エブリイの価格相場 – スズキの中古車|グーネット中古車(Goo-net)中古車検索
軽貨物配送業務用の軽バンを安く買う方法1)中古車や新古車を買う
軽バンは中古車の流通量が多く、購入費用を押さえるには中古車や新古車を検討することも有効です。
ここでは、中古車と新古車の違いや選び方のポイントを解説します。
中古車と新古車の違い
新古車とは、すでに登録されているものの、ほとんど使用されていない車両を指します。
ディーラーや販売店が販売促進や在庫整理のために登録した車が多く、走行距離が非常に短いのが特徴です。事実上「未使用車」でありながら、中古車として扱われるため、新車より価格が抑えられるメリットがあります。ただし、登録済みのため購入時のメーカー保証期間が短くなっている場合があります。
一方、中古車は、前の所有者が実際に使用した車両を指します。年式や走行距離、使用状況によって車両状態が異なり、価格帯も幅広いのが特徴です。新車や新古車と比べて価格が安いことが多い一方で、整備履歴や車両の状態をしっかり確認する必要があります。
要するに、新古車は「ほぼ新車」、中古車は「使用済みの車」と考えるとわかりやすいでしょう。
中古車や新古車の選び方
ここでは、中古車や新古車を購入する際のポイントについて解説します。
車両の状態をチェックする
中古車や新古車を購入する際、まずは車両の状態をしっかり確認することが大切です。特に注目したいのは、走行距離や外装の傷、錆の有無です。
走行距離が短い車は一般的に状態が良いとされますが、定期的なメンテナンスがされているかも重要なポイントです。
また、外装や車体の下回りに目立った損傷や錆がないかを確認することも欠かせません。さらに、過去の整備履歴を販売店に問い合わせ、消耗品の交換状況や修理歴を把握しておくと安心です。
信頼できる販売店を選ぶ
購入後のトラブルを避けるためにも、信頼できる販売店を選ぶことが大切です。
販売店を選ぶ際は、口コミや評判を調べるとともに、保証内容の充実度にも注目しましょう。主要部品に一定期間の保証が付いている場合は、万が一のトラブルにも対応してもらえます。
また、アフターサービスについても要チェックすべきです。購入後の点検や修理対応を行ってくれる販売店であれば、長期的な信頼関係を築くことができ、安心して車を使用できます。
割引・特典があるか
予算内で良い車を購入するためには、販売店が提供する割引や特典を活用することも検討しましょう。
年末や年度末などのセール時期には価格が下がることが多いため、そのタイミングを狙うと費用を抑えやすくなります。
また、諸費用の交渉も忘れてはいけません。車両本体価格だけでなく、登録費用や保険料など付随するコストも交渉次第で値引き可能な場合があります。さらに、無料のメンテナンスサービスやアクセサリーのプレゼントなど、特典付きプランを提供している販売店を選ぶと、よりお得に購入できるでしょう。
軽貨物配送業務用の軽バンを安く買う方法2)安い車種を選ぶ
軽バン車種の中には、一般的な相場に比べて割安なものがあります。ここでは、安い車種を選ぶポイントや購入時の注意点を解説します。
人気の低い車種や現行前のモデルを選ぶ
中古車市場で流通量が比較的少ない車種や、現行より前のモデルを選ぶのは、軽バンを安く購入する鉄板の方法です。
不人気な車種や古いモデルでも、配送業務に必要な基本性能や耐久性を備えていれば、通常の使用に問題はありません。最新装備や燃費性能にこだわりがなければ、検討対象になります。
中古車価格の安い車種
2024年11月現在、中古車市場で比較的価格が安い軽バンの例として、以下の3つがあります。
車種 | 特徴 |
---|---|
ホンダ アクティバン | 軽快な走行性能と広めの荷室が特徴。 |
スバル サンバーバン | 耐久性と実用性に優れたモデルで、特に2005年以前の年式は手頃な価格で流通している。 |
三菱 ミニキャブバン(旧モデル) | シンプルな構造と低燃費が特徴で、2007年式などのモデルが安価で入手可能。 |
これらの3つは、スズキ エブリイなどの人気車種に比べて認知度が低いため、中古車価格が比較的低い傾向にあります。軽貨物配送業務に必要な基本性能を備えており、日常の配送業務で使う分にはまったく問題ないでしょう。
安い車種を購入するときの注意点
車種や年式によっては、すでに部品の供給が終了しているケースもあります。そのため、購入時には事前に販売店へ確認することが重要です。
さらに、旧モデルは一般的に買い替え時の下取り価格が低くなる傾向があります。
しかし、配送用途のように車両をビジネスの道具として活用する場合、車両の価値よりも実用性や初期コスト削減が重視されます。配送用途では、下取り価格の低さが大きなデメリットになりにくいため、安価な車両の選択が合理的といえます。
軽貨物配送業務用の軽バンを安く買う方法3)人から譲ってもらう
販売店を通さず、親しい人に車両を譲ってもらう方法もあります。有償・無償どちらのケースもありますが、車両購入費用を大幅に削減できる点が最大のメリットです。
地元の掲示板サイト「ジモティー」などを利用して、個人間で軽バンの売買・譲渡が行われるケースも増えています。
定期的にチェックすれば、販売店と比較して割安に希望車種を購入できる可能性がありますよ。
知人や同業者、掲示板サイトからの購入・譲渡時の注意点
軽バンを人から譲ってもらう際は以下の点に注意が必要です。
- メンテナンスノートを確認する
- 事故歴・不具合箇所の確認をする
- 名義変更の手続きを確実に行う
- 税金・各種保険の手続きを行う
インターネットでの購入・譲渡の際は、先方との連絡手段を必ず確認しておきましょう。
友人や知人から譲ってもらった場合も、各種届出や書類の手続きを確実に行い、トラブルに発展しないよう注意しましょう。
軽貨物配送業務用の軽バンを安く買う方法4)リースを利用する
軽バンのリースとは、車両を購入するのではなく、一定期間リース会社から借りて使用する契約のことです。リース契約に基づき、利用者は毎月定額のリース料を支払うことで、軽バンを業務や個人用途に利用できます。
ここでは、軽バンのリース契約について、個人でリース会社と契約する場合を例に説明します。
リース契約のメリット
軽貨物配送を始める人が軽バンをリースすることには、多くのメリットがあります。
まず、リース契約では車両の購入に必要な大きな初期費用を支払う必要がなく、事業開始時の支出を抑えられます。リース料は月々一定額で、車両代金に加え、自動車税や車検費用、保険料、メンテナンス費用が含まれる場合も多いため、予算を立てやすく突発的な支出を抑えることができます。
さらに、契約期間が終了すれば車両を返却するだけで、新たな車両を手配することもできます。そのため、長期的な車両の老朽化リスクや売却時の手間を気にせず、常に最新モデルや状態の良い車両を使用できる点も魅力です。
また、配送業務に必要な車両台数が変動する場合でも、リースなら柔軟に対応できます。
特に軽貨物配送を始めたばかりの方にとって、仕事がうまくいくか不透明な段階でリースを利用することは、車両を購入するよりもリスクを抑えた選択肢といえるでしょう。
ちなみに、一部のリース会社では、黒ナンバーの取得を代行してくれるところもあるため、手続きに不安がある未経験ドライバーでも安心して利用できますよ。
リース契約のデメリット
リース契約では車両の所有者がリース会社となるため、自分の所有物にはなりません。また、リース期間や契約条件によっては、新車購入よりも最終的な支払総額が高くなるケースがあります。
リース期間を慎重に設定し、計画的にプランをシミュレーションすることが大切です。
軽貨物配送業務用の軽バンを安く買う方法5)ローンを利用する
軽バンの購入時にローンを組むことは、初期費用を抑えながら安く買う方法の1つです。
ここでは、車両購入時に一般的に利用される2つのローンを紹介します。
ディーラーローン
ディーラーと提携している信販会社とローン契約を結ぶ方法で、主に新車購入が対象になります。
購入時にそのままローン契約ができるため、手間がかかりません。
ただし、金利が後述のマイカーローンよりも高く設定されることが多く、返済中の車両の所有者名義がディーラーになる点は覚えておきましょう。
マイカーローン
金融機関と直接契約を結ぶローンで、新車・中古車を問わず利用できます。
ディーラーローンに比べ金利が低く設定されており、返済中でも車両の所有者名義が自分になる点がメリットです。ただし、審査には時間がかかる傾向があります。
軽貨物配送業務用の軽バンを安く買う方法6)懇意にしている販売店に情報をもらう
地元の中古車販売店と良好な関係を築き、車両の入荷情報を優先的に教えてもらうことも、軽バンを安く買うテクニックです。
ここでは、地元の販売店で購入するメリットを紹介します。
メリット1)最新の入荷情報を把握できる
中古車検索サイトや情報誌に掲載される前の未公開車両情報を、販売店から直接教えてもらえる可能性があります。販売店が買い取ったばかりの車両をいち早く知ることができ、希望条件に合った軽バンをすぐに確認できます。
メリット2)希望の車両を探してくれる
事前に伝えておいた希望条件で、販売店がカーオークションなどを活用して車両を探してくれる場合があります。カーオークションは業者しか参加できないイベントなので、流通前の中古車を見つけて仕入れることが可能です。希望条件はできるだけ具体的に伝えておくとよいでしょう。
メリット3)車両を確保しておいてくれる
軽バンを探している意思を販売店に伝えておけば、ほかの購入希望者より優先して車両を確保してもらえる場合があります。
そのため、「問い合わせた車両がすでに売却済み」という事態を避けられます。販売店に対し購入意思を明確に伝えておくことが大切です。
軽バンを安く買う、安い軽バンを買うときの注意点
安い軽バンには、安価である理由が必ず存在します。
ここでは、購入前に確認しておくべき注意点を説明します。
車両状態の確認をする
メンテナンスノートを確認し、修理歴や車両の状態を把握することが重要です。中古車ではメンテナンスノートがない場合も多いため、販売店に修理歴を確認する必要があります。
修理保証の確認をする
販売店が提供する保証内容や保証期間を確認し、保証対象外の部品や箇所についても把握しておきましょう。修理が必要になった場合の費用も事前に確認しておくと安心です。
年式が古すぎないか確認する
年式が古い車両は購入価格が安い反面、故障リスクが高く、修理費用がかさむ可能性があります。特に、販売から10年以上経過した車両や生産終了モデルは、部品の調達が難しくなる場合があるため注意が必要です。
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軽貨物ドライバーが毎日の配送業務をスムーズに行うためにも、性能のいい軽バンを選ぶことが大切です。
本記事で紹介した軽バンの選び方や注意点を参考に、価格と性能のバランスのとれた車両を見つけてくださいね。
また、委託ドライバーの場合、軽バンを所有していなくとも、軽貨物の業務委託案件で求人を募集している運送会社からリースしてもらえるケースもあります。
運送会社によっては格安でリースさせてくれるところもあるので、軽バンの入手方法に迷っている方は、委託元でリース契約をする選択肢をもっておきましょう。
ただし、割高なリース料を請求してきたり、リース会社と結託して仕事を回さずに新車をローン購入させる内戦商法でドライバーを騙したりする悪質な運送会社も存在します。
このような運送会社には騙されないよう注意することはもちろんですが、回避するにはこのような業者がいない求人サイトで軽貨物案件を探すのも大切です。
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