これからAmazonの配達員を始めようとしている人の中には、「きつい」と耳にしたことで、不安になっている人もいるのではないでしょうか。
Amazonの配達員になる方法は、「アマゾンフレックス」「デリプロ」「Amazon配送サービスパートナー」」の3つです。
それぞれ働き方に違いがあるため、ひと口に「Amazon配達員」といっても、働き方によって「きつい」と感じるポイントが異なります。
この記事では、Amazonの配達員として仕事を進めるうえできつい部分や、ドライバーの実情を働き方別に解説します。
これからAmazonの配達員を始めようとしている人は、ぜひ参考にしてくださいね。
個人事業主がAmazon配達員になる方法は3つ
個人事業主がAmazon配達員になる方法は以下の3つです。
- アマゾンフレックスに登録する
- デリプロ(デリバリープロバイダ)事業者と契約する
- Amazon配送サービスパートナーと契約する
いずれも「Amazon配達員として働く」という点については共通していますが、以下のような違いがあります。
働き方 | アマゾンフレックス | デリプロ | Amazon配送サービスパートナー |
---|---|---|---|
契約先 | Amazon | デリプロ事業者 | Amazon配送サービスパートナー |
報酬形態 | ブロックごとに設定 | 日給制※事業者による | 日給制※パートナー企業による |
ロイヤリティの有無 | 無 | 有 | 無 |
勤務体系 | 自由 | シフト制 | シフト制 |
ここでは、3つの働き方別に仕事の概要や特徴などを解説します。
アマゾンフレックスに登録
まずは「アマゾンフレックス」に登録して働く方法です。
アマゾンフレックスとほかの働き方との大きな違いは、ほかの方法がデリプロ業者やパートナー企業と契約を結んで間接的にAmazonの仕事を受けるのに対し、アマゾンフレックスはAmazonと直接契約を交わす点です。
契約では、Amazonと配達員との間に別の事業者を挟まないため、ロイヤリティ(運送会社に支払う手数料)が発生しません。
また、自分が働きたい日時にオファーを獲得して働くシステムであるため、副業や小遣い稼ぎなど、自由な働き方を実現できます。
ただし、オファーはほかの配達員との取り合いになることが多く、希望どおりの仕事をとれるとは限りません。
また、黒ナンバーの軽貨物車両を所有している・またはリースなどで準備できることが前提であるため、車両を用意できなければ登録できない点も念頭に置いておく必要があります。
登録時に準備すべきものは以下のとおりです。
- スマートフォン
- 普通運転免許証
- 黒ナンバー+軽貨物車両
- 車検証
- 就労資格確認書類(外国籍の場合)
- 銀行口座
デリプロ(デリバリープロバイダ)事業者と契約
続いては、デリプロ事業者と契約して働く方法です。
デリプロ事業者とは、Amazonと契約した中堅運送会社のことです。
デリプロ事業者と契約するには、求人サイトなどで案件を探し、応募する必要があります。
その後面接を受け、デリプロ事業者と「業務委託契約」を締結します。
注意点は、アマゾンフレックスとは異なり、Amazonとの間に業者が入るのでロイヤリティが発生する点です。
中抜きの金額は契約先によって異なりますが、報酬から10〜15%程度引かれるのが一般的です。
契約先によっては、さらに高額のロイヤリティがかかる場合もあります。
なお、デリプロの報酬形態は日給制であり、1万5,000〜2万円程度が相場です。
そこからロイヤリティが引かれることを考えると、「思ったより稼げない」と感じるかもしれません。
Amazon配送サービスパートナーと契約
最後は「Amazon配送サービスパートナー」と契約して働く方法です。
Amazon配送サービスパートナーとは、Amazonと直接契約した企業「パートナー企業」が新たに配送事業を開始するプログラムのことをいいます。
配達員はパートナー企業と業務委託契約を結び、案件を振ってもらいます。
Amazon配送サービスパートナーの魅力は、デリプロ事業者と契約する場合とは違い、ロイヤリティが発生しない点です。
また、Amazon配送サービスパートナーでは原則孫請け・ひ孫受けができないため、ドライバーはパートナー企業と直接契約することが可能です。
そのため、報酬単価が高めに設定されているケースが多く、多くのパートナー案件では日給2万円を超えています。
そのほか、ガソリン代が支給されたり、ガソリン代として支給されない代わりにその分報酬額が高めになっていたりする企業もあります。
Amazon配達員になる3つの方法の中では、もっとも働きやすい環境が整っているといえるでしょう。
Amazon配達員は「きつい」に関する実際の声
ここでは、Amazon配達員が「きつい」「しんどい」というような、ネガティブな声を紹介します。
このように、Amazonの仕事に疲弊している人が多く見られます。
「もう辞めたい」とまで思っているドライバーもおり、いかに過酷な仕事であるかが伝わってきます。
とはいえ、働き方によっては快適に働くこともできるため、案件選びが重要になるといえます。
【アマゾンフレックス編】Amazon配達員のきついポイント
まずは、アマゾンフレックスで配達員がきついと感じるポイントを紹介します。
安定して仕事をとれるわけではない
アマゾンフレックスでは、シフト制であるデリプロ・Amazon配送サービスパートナーとは違い、「オファー」と呼ばれる依頼を受けて仕事をします。
オファーをコンスタントにとれればその分稼ぎになりますが、オファーがとれない場合や、そもそもオファーが来ないときは仕事をしたくてもできません。
そのため副業には向いていますが、アマゾンフレックスを本業として安定収入を得ていくのはきついと感じる人が多いのではないでしょうか。
初心者向けの研修制度がない
初心者向けの研修制度が用意されていない点も「きつい」と感じやすいポイントです。
アマゾンフレックスでは配達初心者のために、「ナーサリー期間」と呼ばれる荷物量が半分以下に調整してもらえる期間が設けられています。
そのため、初心者でも仕事をこなしやすくなっているのは確かです。
しかし研修制度がないということは、経験ゼロの状態からいきなり実務に入るということ。
なかには、初日からある程度こなせるような器用な人もいますが、そのような人ばかりではありません。
アマゾンフレックスに挑戦するなら、初心者の状態で突然始めるよりも、大手運送会社の委託などで配達の基本を学んでからのほうがよいでしょう。
アカウント停止のリスクがある
アマゾンフレックスでは、ある日突然アカウントが停止されるリスクがあることもあります。
アカウントが停止されると、停止された原因が解決するまで稼働できなくなり、その期間の収入も途絶えます。
アマゾンフレックスを本業としている人にとっては、死活問題といえる事態です。
アカウントが停止される原因には、以下のようなものが考えられます。
- 時間内に荷物を配りきれなかった(未配)
- 指定された時間に届けられなかった(遅配)
- 指定された時間より前に配達した(早配)
- 配達場所を間違えた(誤配)
- 勝手に置き配をしたなど、配達指示を無視した
- 顧客からクレームが入った
- 配達先に行っていないのに「不在」にするなどの不正行為を行った
- 飲酒運転を行った
不正行為や飲酒運転はもちろん、未配や遅配を何度か出してしまうと配達員としての評価が下がり、アカウント停止の対象になります。
未配や遅配、誤配などは、真面目に配達していても起きてしまうことがあります
配達スキルをある程度上げておかないと、ある日突然仕事ができなくなってしまうおそれがあるため、とくに初心者期間にはきついと感じるポイントです。
【デリプロ編】Amazon配達員のきついポイント
続いてデリプロの案件を行う配達員がきついと感じるポイントを紹介します。
ロイヤリティがある
Amazon配達員として働く3つの方法のうち、ロイヤリティが発生するのはデリプロだけです。
ロイヤリティの割合は、前述のとおり10〜15%程度が相場ですが、業者によってはさらに高額になることがあり、ロイヤリティが高く設定されているせいで思うように稼げないケースも存在します。
ロイヤリティがある場合とない場合とでは、以下のような差が生じます。
ロイヤリティ差引前の月収 | ロイヤリティ | ロイヤリティ差引後の月収 | |
---|---|---|---|
ロイヤリティなし | 30万円 | 0円 | 30万円 |
ロイヤリティあり | 4万5,000円(15%) | 25万5,000円 |
上記のケースでは月収で4万5,000円、年収にすると54万円もの差が出てきます。
ここからさらに税金や社会保険料などを支払わなければならないことを考えると、ロイヤリティの有無は配達員にとって大きな問題であるといえるでしょう。
多重下請け構造になりやすい
多重下請け構造になりやすいところも、デリプロの「きつい」ポイントです。
デリプロはアマゾンフレックスやAmazon配送サービスパートナーとは異なり、契約先と配達員との間に複数の業者が入る「多重下請け構造」になることがあります。
孫請け、ひ孫受けになると中抜きが重なり、その分配達員に入る報酬が少なくなります。
たとえ同じ仕事をしても、アマゾンフレックスやAmazon配送サービスパートナーより収入が少なくなる可能性があるため、頑張りが報われにくいことに対して「きつい」と感じるドライバーは少なくないでしょう。
拘束時間が長くなりやすい
拘束時間が長くなりやすいところも、デリプロのきつさの1つでしょう。
デリプロは立場こそ「個人事業主」ですが、シフトを組んで働くためアマゾンフレックスのように「好きなときに働く」といった働き方はできず、会社員のように拘束されます。
また、多重下請け構造が慢性化していることから、Amazon本部の目が行き届きにくく、下請けの運送会社次第では職場環境が劣悪になりやすいというリスクもあります。
自由を求めて個人事業主を選んだ人には、きつい環境になる可能性があることを覚えておきましょう。
【Amazon配送サービスパートナー編】Amazon配達員のきついポイント
Amazon配送サービスパートナーであれば、先に紹介したアマゾンフレックス・デリプロのデメリットが解消できます。
たとえば、以下のようなメリットがあります。
- 安定して仕事がもらえる
- 日当保証がある
- Amazon直属のパートナー企業と契約できる
- ロイヤリティなし
- 研修制度あり
- 稼働上限あり
仕事はパートナー企業から安定してもらえるため、アマゾンフレックスのように自らオファーをとる必要がありません。
また、日当保証があるため収入の安定感があります。
Amazon直属のパートナー企業と契約できる点も、多重下請け構造を防げるという意味で大きな安心材料といえるでしょう。
ロイヤリティが引かれないところや、研修制度により初心者からでもスタートできること、稼働上限により劣悪な職場環境になりにくい点もメリットです。
【共通】Amazon配達員のきついポイント
働き方に関係なく、Amazonの配達員がきついと感じる共通のポイントもあります。
極端に体力がない人や、車の運転が苦な人にはきつい
これはAmazonの配達に限らず、軽貨物の仕事に共通するポイントです。
長時間の車の運転や荷物の積み降ろしには、ある程度の体力が求められます。
「ただ車を運転して荷物を配るだけ」というイメージで配達を始めると、イメージと現実とのギャップについていけず長く続けられないおそれがあります。
配達の仕事は肉体労働です。
早朝から大量の荷物を車両に積み込み、夜遅くまで延々と配達をこなす必要があります。
ときには明らかにさばききれない荷量を任されたり、食事休憩すらとれなかったりといったこともあるでしょう。
また、地域や配達個数にもよりますが、1日の走行距離が200kmを超えることもあるため、車の運転が苦手な人は苦痛に感じるかもしれません。
顧客の一部からはAmazon配達員へのネガティブな意見も
顧客の一部からは、「Amazon配達員の態度が悪い」「クズ」といったネガティブな意見もあります。
そういった先入観から、Amazon配達員のすべてが悪質だと決めつける人や、Amazon配達員を目の敵にしているような人もいます。
そのため、周囲の目が過剰に気になる人や繊細な人はやめておいたほうが無難かもしれません。
とはいえ、Amazon配達員に悪いイメージを持っている人はごく一部の人たちです。
また、丁寧で誠実な対応を心がけていれば、そのような人たちも「良い配達員」と認識してくれるようになるでしょう。
悪評は気にせず、自分が「正しい」と思う配達を続けていけば問題ありません。
Amazon配達員になるならAmazon配送サービスパートナーと契約するのがおすすめ◎
Amazon配達員として働くには3つの方法がありますが、圧倒的におすすめなのは「Amazon配送サービスパートナー」です。
研修制度が整っているため配達未経験者でも挑戦でき、日当保証やロイヤリティなし、安定して仕事がもらえるなど、安心してスタートできる要素が揃っています。
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