2016年に日本でウーバーイーツがスタートし、2024年の9月で8周年を迎えます。
コロナウイルスの感染拡大期に需要が急激に高まり、ウーバーイーツは生活インフラのような存在になりつつあります。
しかし、ポストコロナとなった2024年6月現在、ウーバーイーツの配達員の間ではウーバーイーツは「終わった」と言われることがあるようです。今回はその理由について迫ります。
今後もウーバーイーツの配達員を続けていこうか迷っている方、これから始める方は必見です。
ウーバーイーツが「終わった」と言われる理由
ウーバーイーツはなぜ「終わった」と言われることがあるのでしょうか。
ここでは、考えられる3つの要因から解説していきます。
以前ほど稼げなくなった
ウーバーイーツは何度か料金改定を行っており、コロナ前と現在では配達単価に差が出ているという意見があります。
また、利用者からの需要が高かったコロナの感染拡大期に比べると、注文数自体が減っており、数少ない注文を配達員で奪いあっている状況も、稼げなくなっている要因の1つとして考えられます。
また、配達員の間では「専業の配達員が優先される」「自転車よりバイクの配達員が優先される」などさまざまな噂が流れているようですが、実際のところはわかりません。
配達員が減った
ウーバーイーツは、コロナ禍で「稼げる仕事」として知名度が上がった結果、参入する配達員が急増しましたが、配達員が増えすぎたことで1人あたりへの配達リクエスト数が減っているという声もあります。
その結果、ウーバーイーツとほかのデリバリーサービスの掛け持ちをする人が増え、ウーバーイーツのアクティブな配達員が減ってしまった可能性があります。
また、以前より街で「Uber Eats」と書かれた大きなリュックサックを見かけなくなった、というユーザー側の声もあります。
Uber Japanの業績が芳しくない
日本のウーバーイーツを運営している「Uber Japan株式会社」の業績が芳しくないことも、「終わった」と言われる理由の1つかもしれません。
官報決算データベースの「Uber Japan株式会社 第11期決算公告」によると、2022年の決算では赤字転換となっています。
ただし、Uber Japanの事業はウーバーイーツだけではないので、一概にウーバーイーツの事業が赤字とはいえません。また、決算では戦略的に赤字としている可能性もあるので、純粋に事業がうまくいっていないとはいえないでしょう。
出典:Uber Japan株式会社 第11期決算公告|官報決算データベース
ウーバーイーツのサービスが活況だったのはいつ?
ウーバーイーツはコロナウイルスの感染拡大期である、2020年前後が活況だったといえます。
この頃はコロナウイルスの拡大で、リアル店舗営業の代替手段としてフードデリバリーに取り組む飲食店が増加しました。
それと同時にユーザー側も、緊急事態宣言による外出自粛が余儀なくされたため、ウーバーイーツのようなデリバリーの需要が高まったことで、市場は一気に拡大しました。
ウーバーイーツは「終わった」に関する実際の声
ここでは実際にウーバーイーツは「終わった」という声を集めてみました。
実際の声には「坂道の勾配も考慮してほしい」「距離の値段もいれてほしい」「単価安すぎ、オワコンなん?」など、仕事量に対して単価が割に合ってないといった声が多い印象です。
コロナ前の単価で働いていた人からすれば、割りに合っていないと感じるのも無理はないですね。
ウーバーイーツは「もう稼げない」と配達員が感じるのはなぜ?
フードデリバリーの需要は一定数あるかと思いますが、ウーバーイーツの配達員がもう稼げないと感じるのはなぜでしょうか。
さまざまな観点から解説していきます。
配達単価が下がったため
ウーバーイーツは2021年5月頃に配達料金の改定を行いました。
この料金改定が配達員にとって改悪となり、改定前は1件あたり400円〜500円前後だった配達単価が、改定後は1件あたり300円前後になったようです。
ちなみにウーバーイーツの配達料についても少し触れておきます。ウーバーイーツの配達料は以下の項目で構成されています。
配達料=基本金額+配達調整金額+チップ
項目ごとに見ていきましょう。
基本金額
配達に費やす時間と距離、および商品の受け取り場所や届け先が複数あるかどうかを基に算出されます。
また、注文数や稼働中の配達員の数によっても金額が変動するようです。
配達調整金額
通常の目安よりも交通状況が混雑している場合や商品受け取り場所での待ち時間が長い場合に配達調整金額が加算されます。
また、配達員の稼働数が少なく、通常よりも配達の需要が高い雨の日なども、加算される仕組みです。
チップ
配達料とは別で、注文した顧客からもらえる報酬ですが、チップを払うか否かは顧客次第なので、必ずもらえるわけではありません。
コロナが落ち着き需要が減ったため
2020年からのコロナの感染拡大期には、フードデリバリーの需要は急激に高まりました。
しかし、コロナが落ち着き始めたことで消費者も外出する機会が増え、2024年6月現在はコロナ感染拡大期に比べ、ウーバーイーツをはじめとしたフードデリバリーサービスの需要は落ち着いています。
配達員が増えすぎた
ウーバーイーツは仕事を始めるのに特別なスキルや経験が必要ないことから、始めるハードルが比較的低いといえます。
参入のしやすさにより配達員数は、2023年8月時点では10万人にまで伸びています。
しかし、ライバルの配達員が増えたことで、配達リクエストが入りにくくなった可能性があります。
なかには、コロナ前からコロナ禍が始まった頃は週末だけの副業で1日20,000円稼げていた人が、現在では1日5,000~6,000円弱しか稼げなくなったという声も……。
2020年頃には、需要(注文数)>供給(配達員数)であった状況が、ポストコロナの昨今では、需要に供給が追いついたことで、配達員1人あたりの仕事が減っていると考えることができます。
そもそもですが、事業者側(uber社)が当初想定していた、配達のビジネスモデルは、「空いた時間で自由に働ける」という副業としての形でした。
しかし、実際はコロナ禍による想像以上の需要の伸びによって、ウーバーイーツ配達専業で月100万円稼ぐ人などが現れたため、配達員全体の期待値が高まりすぎたのかもしれないですね。
出典:ポストコロナにおけるデリバリーの現況と未来|Uber Blog
ウーバーイーツの業績について
ウーバーイーツのサービス自体の継続性について心配している配達員もいるでしょう。
ここでは、今後のウーバーイーツの動向を判断できる重要な情報となるUber Japan社の業績についてみていきます。
ウーバーイーツの日本での業績
Uber Japan株式会社の第11期決算公告を見ると、当期純損失が8145万円となっています。
ちなみに、10期は4208万円の純利益を計上し、9期は2214万円の純損失を計上していることから、一度黒字に転じたあと、再び赤字経営になったということになります。
ただし、先述した通り、意図的に赤字計上している可能性もあるので、純損失というだけで、業績が芳しくないと考えるのは危険です。
出典:Uber Japan株式会社 第11期決算公告|官報決算データベース
ウーバーイーツが赤字なのはなぜ?
ウーバーイーツが赤字なのは、「2023年以降が投資回収フェーズだから」という見方があります。
ウーバーイーツが日本でビジネスを始めたのが2016年で、その後のコロナの感染拡大でデリバリー需要が一気に加速しました。
この頃はまさに投資フェーズです。配達員への還元が大きかったのはこの影響もあるでしょう。
一方で、デリバリー需要が落ち着いてきた昨今では、これまでの投資を回収するため、料金改定などを通して配達員の還元率が以前より低くなっています。
配達員は「以前より稼げなくなった」と実感しているため、「ウーバーイーツの業績が危ういのでは?」と感じることがあるかもしれませんが、事業自体は回収フェーズという考え方もあるので、単純に「赤字=業績が下降している」と判断するのは、安易といえるでしょう。
ウーバーイーツは衰退してるの?
ウーバーイーツはコロナ禍の2020~2021年ほどの爆発的な勢いはないですが、決して衰退しているわけではありません。
確かにポストコロナとなった現在は、以前より顧客が店舗に戻ってきていることから、デリバリービジネスを辞める店舗もあります。
一方で、店内利用とデリバリーの両方の売上が伸びている店舗も存在します。
例えば、デリバリービジネスの重要性を理解している大手ファストフードチェーンでは、デリバリービジネスにアクセルを踏み続けています。
デリバリービジネスを辞めた店舗の分、Uber社の売上は減少していますが、一部の店鋪では、デリバリービジネスを社会のインフラと考え、コアビジネスとして力を入れていることから、ウーバーイーツをはじめとしたフードデリバリーサービスの需要がなくなることはないでしょう。
ウーバーイーツが今後日本から撤退したり、無くなる可能性は?
2024年6月時点では、今後ウーバーイーツが日本から完全撤退するとは考えにくいでしょう。
なぜなら、ウーバーイーツのサービスに触れ、価値を感じている顧客が一定数存在しているからです。
これと似た事例として、コンビニはスーパーよりも商品価格が高い傾向にありますが、便利さや手軽さに強みがあることから、高い需要が存在し続けています。
一方で、ウーバーイーツはエジプトやサウジアラビアなど新興8カ国で事業を撤退しているという事実もあります。
今よりも他社との競争が激しくなったり、独自でデリバリーシステムを構築する飲食店が増えたりした場合は、ウーバーイーツが日本から撤退する可能性も0ではなくなります。
また、ウーバーイーツをはじめとしたフードデリバリーサービスには「配達に伴う人件費による利益圧迫」という課題があります。実際にウーバーイーツでは、改善策として2024年3月より一部地域で自律移動型ロボットでの配達を始めています。
このような動きから、ウーバーイーツが日本から撤退する可能性は低いですが、人間の配達員への報酬還元率は下がっていくかもしれません。
配達の仕事で今熱いのは軽貨物ドライバー!
今回は、「ウーバーイーツは終わった」と言われる理由についてさまざまな角度から解説しました。
いくつか要因はありますが、ウーバーイーツへの需要がピークであった頃のように稼ぐのは厳しいかもしれませんね。
配達の仕事で稼ぎたいのであれば軽貨物ドライバーもおすすめです。
軽貨物の仕事と聞くと、何か特別なスキルや資格が必要なのでは?と感じ、不安な方もいるかもしれませんが、全く問題ありません。
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