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宅配(物流)クライシスとは?いつから始まった?原因と対策も解説

2024年4月を迎え、宅配クライシス、2024年問題と、宅配業界は揺れています。

しかし、宅配ドライバーとして現場で働いている人の中には、宅配クライシスについてよくわからないという人もいるでしょう。

この記事では、ドライバー視点で宅配クライシスの原因や対策を解説します。

目次

宅配(物流)クライシスとは

宅配クライシスとは、アマゾンや楽天といったネット通販業が急成長したことによって引き起こされる宅配業界の問題のことです

具体的には、宅配ドライバーの過剰労働や人手不足などが挙げられます。

国土交通省の調査によると、2022年度の宅配便取扱個数は50億588万個でした。

2012年度の宅配便取扱個数が35億2,600万個だったことを考えると、10年間で約15億個も増えていることになります。

それに対し、ドライバーの人員は「長時間労働は当たり前」「休憩ができない」「きつい」といった職種へのよくない印象もあってか、慢性的に不足しています。

このままの状況が続けば、2030年には荷物の量に対し、約5万8,000人ものドライバーが不足するといわれています。

出典:
報道発表資料:令和4年度 宅配便・メール便取扱実績について|国土交通省
報道発表資料:平成24年度宅配便等取扱実績について|国土交通省

宅配クライシスはいつから始まった?

宅配クライシスは、2017年にヤマト運輸がアマゾンに対し、総量規制と送料の値上げの交渉を行ったことで表面化しました。

その背景にはヤマト運輸の残業代未払い問題があるとされているため、2017年以前からすでに始まっていたと考えることもできます。

ただ、経済産業省・国土交通省・農林水産省の作成した資料「我が国の物流を取り巻く現状と取組状況」に記載されている「売上高物流コスト比率の推移」を確認すると、2017年以降に売上に対するコストの比率が急上昇しているため、本格的に始まったのはやはり2017年であるといえるでしょう。

出典:我が国の物流を取り巻く現状と取組状況|経済産業省・国土交通省・農林水産省

2024年の宅配クライシスは2回目?

2017年の宅配クライシスから7年経ち、2回目の宅配クライシスが始まろうとしています。

前回と異なるのは、2024年問題が絡んでいること。

働き方改革によりドライバーの時間外労働時間に上限が設けられ、宅配便取扱個数もここ数年は比較的緩やかになっていますが、それでも上昇し続けています。

このまま人手不足が解消できなければ、荷物が届かない、送料が高騰するといった状態に陥るでしょう。

現にヤマト運輸をはじめ、各運送会社で送料が値上げされています。

宅配(物流)クライシスの原因

ここでは、宅配クライシスの原因について解説します。

荷物量の増加

宅配クライシスの主な原因となっているのは荷物量の増加です。

荷物量が増えても、その分ドライバーの人員が増えれば問題ないでしょう。

しかし、実際はネット通販業の急成長に人員確保が追いついておらず、ドライバー1人にのしかかる配達個数が過剰になっています。

たとえば国土交通省の調査では、ヤマト運輸の2022年度の取扱個数は22億7,500万個であると公表されています。

それに対し、令和4年3月時点でのセールスドライバーは約6万人です。

つまり、単純計算でドライバー1人あたり年間で3万8,000個近く、1日に150個は配達しなければならないということです。(年間での稼働日数が約250日の場合)

1日に150個以上という数字は決して多くはありません。

また、配送センターの中には委託ドライバーと契約し、セールスドライバーの負担を軽くしているところもあります。

しかし、セールスドライバーは配達だけでなく荷物を回収する「集荷」も行います。所属する運送会社や契約先によっては、配達以外の付随業務も発生するでしょう。

このように、ドライバー1人あたりの負担が大きくなっていることが問題なのです。

出典:
宅配便取扱個数の推移|ヤマトホールディングス株式会社
事業概要 | ヤマトホールディングス株式会社

送料の無料化

送料無料による宅配コスト増加も、宅配クライシスを招く原因であると考えられます。

宅配コストが増えると、運送会社の売上が減少するためです。

売上が減少している状況では運送会社もドライバーの賃金を上げられないため、ドライバーは労力が増えたにもかかわらず報われません

配達コストを軽減するため、2017年以降は複数の大手運送会社で送料が値上げされ、2024年4月1日にはヤマト運輸や佐川急便といった大手運送会社で宅配便の値上げが行われました。

今後どのように改善されていくのか、見守っていく必要があります。

再配達による負担

再配達による負担も宅配クライシスの原因の1つです。

かつて15〜16%程度だった再配達率も、宅配ボックスの普及や置き配などによって2023年4月には11.4%まで減少しましたが、それでもドライバーの負担であることに変わりはありません。

再配達率が11.4%ということは、配達個数が150個ならそのうち17個が再配達だということ

配達個数は150個でも、170個近く配達するのと同じ労力がかかります。

さらに再配達が夜間に集中すると、夜間指定の荷物に加えて再配達も行わなければならないため、体力的にも精神的にも大きな負担がかかります。

出典:令和5年4月の宅配便の再配達率が約11.4%に減少|国土交通省

宅配(物流)クライシスと2024年問題

2024年問題も宅配クライシスを引き起こす原因の1つです。

2024年問題とは、ドライバーの時間外労働時間に「年間960時間」という上限が設けられることによって起こる、さまざまな問題を指します。

なお、規制は2019年から5年間猶予されていましたが、2024年4月1日から運送業にも適用されました。

時間外労働時間に上限が設けられた理由には、ドライバーの労働環境の改善がありますが、上限が設けられたことによって以下の問題が生じる可能性があります。

  • 運送会社の売上・利益が減少する
  • ドライバーの収入が減少する

ドライバーの収入が減少すれば離職率が上がり、人手不足が深刻化します。すると残ったドライバーに負担がかかり、人手不足はさらに加速します。

その結果荷物が届かなくなり、顧客にも大きな影響を及ぼすでしょう。

2024年問題ではこのような負の連鎖が懸念されています。

宅配(物流)クライシスとヤマト運輸の関連性

大手運送会社であるヤマト運輸と宅配クライシスには、どのような関連性があるのでしょうか。

ここでは、宅配クライシスの要因になったヤマト運輸の動きや方針について解説します。

総量規制と送料の値上げ

2017年の宅配クライシスは、ヤマト運輸の総量規制と送料の値上げがきっかけになったといわれています。

総量規制によって引き受けられる荷物量が制限されたことで、EC事業者は荷物を送れない状況になり、送料については、荷物のサイズに応じて+ 140〜180円と大幅な値上げが行われました。(四国・九州・沖縄以外の地域)

なお、総量規制や送料値上げを行った原因として、ヤマト運輸の残業代未払い問題があります。

当時ヤマト運輸で宅配ドライバーをしていた男性社員に対し一部の残業代しか支払わず、男性社員の訴えによって未払いの残業と付加金360万円を請求された事件です。

残業代未払い問題が明るみに出たことで、総量規制や送料値下げを行わざるを得なかったと考えられます。

経営が不安定

ヤマト運輸の経営状態の不安定さも懸念されています。

宅急便の取扱個数が減少したことで収益が伸びず、ヤマト運輸の親会社であるヤマトホールディングスは2024年3月期連結業績予想を下方修正。3期連続の下方修正となりました。

送料の値上げや人件費の削減といったコスト削減に努めているものの、取扱個数の減少をカバーできてはいません。

また、大量のリストラも問題になっています。

2024年1月末にはクロネコDM便を配送していた「クロネコメイト」2万5,000人が一方的に契約解除され、DM便の仕分け業務に携わっていた契約社員数千人もリストラされています。

そのほか、集荷や配達、営業も行っていたセールスドライバー(SD)を配達専門のドライバー(DD)とクール便専門のドライバー(CD)に分けるなど、「業務効率化」を目指しているとのことですが、現場や従業員の事情を考慮している方針とはいえず、退職する社員が後を絶ちません。

宅配クライシスの解決に向けた対策案

宅配クライシスを解決するためには、どのような対策を行えばよいのでしょうか。

ここでは、宅配クライシスの解決に向けた対策案を紹介します。荷物を受け取る側によるちょっとした工夫も紹介するので、ドライバーのためにもぜひ実践してくださいね。

宅配ボックスの設置数を増やす

宅配ボックスの設置数を増やすことはドライバーの負担軽減になるため、宅配クライシスの緩和につながる可能性があります。

宅配ボックスは以前よりも普及が進み、新築の一軒家やマンションなどで見かける機会も増えました。

しかし古いアパートや古築の一軒家などの設置率は未だ高くありません。

また、設置されていてもサイズが小さすぎて荷物が入らなかったり、マンションやアパートなどでは宅配業者同士が宅配ボックスを取り合うといった問題もあります。

とくに不在率の高いマンションやアパートでは、さまざまなサイズの宅配ボックスを設置する、部屋ごとの設置を検討するといった工夫が求められます

宅配ボックスの普及がさらに進めば、再配達問題の解消にもつながるでしょう。

職場での受け取り

自宅ではなく、荷物を職場で受け取れるようにするのも1つです。

平日の日中は仕事で不在にしており、帰りも遅いため最終の時間指定でも帰宅が間に合わないというケースは少なくありません。

「間に合わない可能性が高いが、最終が19:00〜21:00だから仕方なくその時間に指定している」という人もいるでしょう。

間に合わない場合、顧客は荷物を受け取れなかったことにストレスや罪悪感を感じ、ドライバーは時間指定だったにもかかわらず不在だったことにストレスを感じます。

しかし配達先を職場にしておけば、日中働いている人でも問題なく荷物を受け取れます。

再配達依頼時に送料を追加請求する

再配達依頼の際に送料を追加請求できると再配達が減り、宅配クライシスの解決につながる可能性があります。

再配達がなくならない原因は、「受け取れなくても、また無料で届けてくれる」と受け取り側が感じているからです。

「時間指定したけど、間に合わないからまた明日持ってきてもらえばいいや」というように再配達を軽く考える顧客や、不在と再配達を平気で繰り返す顧客も少なくありません。

このような場合、たとえば「再配達2回目以降は追加料金が発生する」など、多めに送料がかかる仕組みがあれば、安易に再配達依頼をする人が減るかもしれません

実現は難しいかもしれませんが、顧客に振り回されるドライバーからすると、このようなシステムを導入してほしいのが本音ではないでしょうか。

宅配クライシス下でも快適に働ける軽貨物案件は多数!

宅配クライシスの原因や対策について解説しました。

宅配クライシス、2024年問題と、ドライバーにとって何かと不穏な話題が多く、不安になっているドライバーも多いでしょう。

しかし、宅配クライシス下でも快適に働ける軽貨物案件は存在します。

また、時間外労働時間の上限に縛られず自由に働ける個人事業主のドライバーにとっては、チャンスでもあります。

効率良く稼ぐには案件選びが肝です。運送会社によって待遇は大きく異なります。そのため案件選びの目利きは必要でしょう。

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