大手運送会社であるヤマト運輸を退職することは、慎重な判断が求められます。せっかく決断しても、あとになって後悔してしまっては意味がありません。
この記事では、ヤマト運輸の離職率や主な退職理由、退職後に後悔するケースについて解説します。また、退職しても後悔しない人の特徴や転職先の選択肢についても紹介します。
ヤマト運輸の退職を考えている方や職場環境に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
ヤマト運輸の退職率に関するデータ
まずは、ヤマト運輸の退職率についてみていきましょう。
公式発表によると、ヤマトホールディングス全体(連結)の離職率が公開されています。このデータをもとに、ヤマト運輸の退職状況を考察します。
ヤマト運輸の離職率は?
ヤマト運輸の離職率は近年、上昇傾向にあります。
2021年度から2023年度にかけての総離職率を表にまとめると、以下のようになります。
年度 | 総離職率 |
---|---|
2021年度 | 3.9% |
2022年度 | 4.5% |
2023年度 | 6.1% |
このデータからもわかるように、離職率は年々上昇しています。
2023年度は6%を超えており、職場環境への不満や将来性への不安を感じる社員が増えていることがうかがえます。
実際、現場の声として以下のような意見がみられました。
- 労働環境の厳しさから、若手社員の離職が目立つ
- 長時間労働や業務量の多さにより、体力的に続けられないと感じる
- 上層部の方針と現場の実情にギャップがあり、ストレスを感じる
これらの声から、公式の離職率データだけでは測れない現場の課題が存在することがみえてきます。
特に、労働環境や業務負担に関する不満が離職の一因となっているようです。

出典:人材 関連データ|ヤマトホールディングス
ヤマト運輸は退職者が続出している?
ヤマト運輸では、近年退職者が相次いでいます。
その大きな要因となっているのが「ドライバーの分業制」です。
従来、ヤマト運輸のドライバーはSD(セールスドライバー)と呼ばれ、集配・営業・顧客対応を一手に担っていました。しかし、近年の業務効率化を目的として、以下のように役割が分割されました。
役割 | 担当業務 |
---|---|
DD(デリバリードライバー) | 配達専門 |
CD(クールドライバー) | クール便専門 |
PD(ピックアップドライバー) | 集荷専門 |
特に、以下のような課題が原因でCD(クールドライバー)の負担が大きいことが問題視されています。
- 配達エリアが広く、移動距離が長い
- 温度管理が必要なため、品質維持のプレッシャーが大きい
- 年収がこれまでより100~200万円下がることがある
- 就業規則で定められた1時間の休憩すら取れない状況
こうした厳しい労働環境が退職者の増加を招き、都内のある主管では20人以上の正社員が一斉に自主退職する事態にまで発展しました。

参考:Oneヤマトで向かう先|ヤマトホールディングス株式会社
ヤマト運輸の主な退職理由は?
ヤマト運輸の主な退職理由は、以下のとおりです。
- 1日の拘束時間が長く、休憩を十分に取れない
- 繁忙期の負担が大きく、肉体的に厳しい
- 労働時間を抑える指示があるが、その結果、給与が下がる
- 業務量に対して給与が見合っていない
- クールドライバーなどの分業制が導入され、負担が増加
- 配属先によって働きやすさや待遇に差がある
- 今後のキャリアや将来性が見えにくい
- 会社や上司の指示が頻繁に変わり、安定しない
ヤマト運輸の退職理由には、労働時間の長さや給与面の不満、業務の負担増加などが挙げられます。
「自分も同じ悩みを抱えている」と感じた方は、転職やキャリアの見直しを考えるタイミングかもしれません。
ヤマト運輸を退職した人が後悔していること
ヤマト運輸は大企業ならではの安定感があり、仕事はハードながらも高収入を得られるのが特長です。しかし、労働環境の厳しさなどを理由に退職を決断する人も少なくありません。
ただし、辞めたあとに「もっと続けておけばよかった……」と後悔する人もいるのが現実です。
ここでは、ヤマト運輸を退職した人が感じている後悔の理由を5つ紹介します。
1)安定した収入を失った
ヤマト運輸の正社員ドライバーや業務委託ドライバーは、荷物量が多い分、安定した収入を得られる環境が整っています。
7月・12月の繁忙期には収入が大幅に増えることもあり、がんばり次第で高収入が目指せる点が魅力でした。
しかし、退職後に転職した先では期待していたほど稼げず、「ヤマト運輸のほうが良かった」と後悔する場合もあるでしょう。

2)福利厚生の手厚さに気づいた
ヤマト運輸は大企業ならではの充実した福利厚生が整っています。
正社員の場合、社会保険・退職金・各種手当などが完備されており、安定した雇用と待遇が保証されているのが大きなメリットです。
例えば、結婚や家族が増えた際にも、安定した収入と保障が支えとなるため、長く働き続けるうえでの安心感があります。
しかし、退職後に転職やフリーランスの道を選んだものの、想像以上に保障が手薄であることに気づき、「辞めなければよかった」と後悔するケースも少なくありません。
3)職場の人間関係が変わり、孤独を感じた
営業所によって環境が異なるものの、ヤマト運輸のドライバーは仲間意識が強い職場が多いのが特徴です。
特に、お世話になった上司や仕事を教えてくれた先輩、日々助け合ってきた同僚との関係は、仕事の励みになることも多かったはずです。
しかし、退職するとこれまで築いてきた人間関係を手放すことになります。
新たな職場ではゼロから信頼関係を築く必要があり、慣れるまでは孤独を感じることもあるでしょう。
4)ボーナスが多かった
ドライバー職の中でも、ヤマト運輸は業界水準と比べてボーナスが多いといわれています。
正社員の場合、年に2回の賞与が支給され、安定した収入の一部として期待できます。
しかし、退職後に別の運送会社やフリーランスの道を選ぶと、「思ったよりボーナスが少なかった」「そもそもボーナスがない」というケースも少なくありません。
5)想定より退職金が少なかった
ヤマト運輸の退職金制度は、勤続年数や退職理由によって支給額が大きく異なります。
早期退職優遇制度は45歳以上60歳未満の正社員のみが対象で、これに該当しない人は恩恵を受けられません。
例えば、勤続20〜30年で退職しても支給される退職金は約200万円、自己都合退職の場合は約50万円となり、想定より少ないと感じる人が多いようです。
さらに、入社から6年未満では退職金が一切支給されません。
そのため、働き始めて間もない人は「もう少し続けておけばよかった」と後悔する場合もあるでしょう。
参考:
早期退職優遇制度の特別募集について|ヤマト インターナショナル株式会社
第157期定時株主総会招集ご通知に際してのインターネット開示事項|ヤマトホールディングス株式会社
ヤマト運輸を退職して後悔している人の声
ヤマト運輸を退職した人の中には、想定していなかった理由で後悔しているケースがみられます。
特に、退職金の支給に関する不満や収入面での厳しさを感じている人が多いようです。
ヤマト運輸を退職した理由として、センター長(現在は「グループ長」に名称変更)からのパワハラを挙げる人もいます。
しかし、辞めたあとに安定した収入を得られず、後悔しているケースも少なくありません。
ヤマト運輸の退職金制度は、勤続年数や職種によって異なります。
先述のとおり、入社から6年未満では退職金が支給されないとされる一方で、10年や16年勤務しても退職金が支給されなかったという声もあります。
退職金の有無は就業規則によって決まるため、「何年以上働けば必ずもらえる」とは一概にいえません。
また、ヤマト運輸では2021年から確定拠出型年金制度を導入しており、退職金額は個人の拠出額や運用成績によって異なります。
さらに、ドライバー職の中でも、センター長や管理職である支店長(2025年2月現在は「所長」に名称変更)かどうかで待遇が変わる可能性があります。
そのため、退職金を期待して辞めたものの、思ったような金額が支給されず、生活に困るケースもあるようです。
出典:四半期報告書|ヤマトホールディングス株式会社
ヤマト運輸を退職しても後悔しない人の特徴
ここでは、ヤマト運輸を退職しても後悔しない人の3つの特徴を紹介します。
扶養する家族がいない
ヤマト運輸の福利厚生は、特に妻子持ちの社員にとって大きな支えとなります。
そのため、家族を養っている場合は退職を慎重に考えなければなりません。
一方で、扶養する家族がいない人は、退職後の生活費を自分の分だけ考えればよいため、収入が一時的に減少しても大きな負担にはなりにくいでしょう。
さらに、家族の生活を支える責任がない分、転職や独立といった新たな道を選びやすく、より自由にキャリアを築けるはずです。
度重なる方針変更に疲れた
ヤマト運輸では業務効率化や労働環境の見直しが進められていますが、その度に現場で働くドライバーの負担が増えているのが現実です。
上層部の決定が現場の実情と合わず、無理な労働を強いられているドライバーが多く、不満が積もっています。
方針変更の度に現場が振り回され、強いストレスを感じていた人にとっては、退職により精神的な負担が軽減されることもあるでしょう。
年齢と共に体力がついていかなくなった
ドライバー職は体力が求められる仕事なため、年齢を重ねるにつれて厳しさを感じる人が多いです。
ヤマト運輸では、管理職にならない限り、基本的に配達業務から外れることはありません。
特に、長時間の運転や重い荷物の積み下ろしが体への負担となり、体調を崩す前に転職を決断することで健康面の不安を軽減する手段となるでしょう。
50歳を目前にして転職を決断するドライバーも少なくありません。
若いころは難なくこなしていた配達業務も、年齢が進むにつれてスピードが落ち、厳しく感じることが増えてきます。
さらに、仕事を教えた新人たちが次第に成長していく様子を見て、追い抜かれる自分に対して不安を感じ、耐えられなくなることもあるでしょう。

ヤマト運輸を退職した人の転職先は?
ヤマト運輸を退職したあと、どのような転職先があるのでしょうか。
ここでは代表的な3つの転職先を紹介します。
ほかの運送会社
ヤマト運輸で得た運転技術や配達の知識を活かして、ほかの運送会社に転職するケースは決して珍しくありません。
例えば、佐川急便や日本郵便、西濃運輸などが挙げられます。
企業向けの配送が多い運送会社では、ヤマト運輸で感じていた休みが取りづらいといった問題が軽減されるはずです。
また、個人のお客様からのクレーム対応が少なくなる点もメリットといえます。

別業界の会社
ヤマト運輸での経験を活かし、まったく別の業界に転職する人も多くいます。
例えば、物流業務で培ったスキルを活かして、物流管理職に転職するケースです。
配送業務だけでなく、物流全体を管理する役割を担うため、キャリアアップを目指す人には最適な選択肢となります。
また、ドライバーとしての経験を活かして、営業職や接客業、サービス業など、異なる分野に転職する人も一定数います。給与が少し低くなっても、業務に追われることなく、残業が少ない仕事を選びたいという人が多いようです。
ヤマトに復職
ヤマト運輸では退職時、退職手続き書類の再雇用欄に「再雇用可」または「再雇用不可」のマークが記入されます。
「再雇用可」の印がついていれば、退職後でもヤマトに復職可能です。
実際、ヤマトを一度退職したあと、結婚して子どもができるなどのライフイベントをきっかけに、再びヤマトに復職したドライバーも少なくありません。
ヤマト運輸は福利厚生が手厚いため、家族を持つ人にとっては、安定した生活を支えやすい環境が整っています。
ただし、復職後は新人扱いとなり、ボーナスなどの待遇も過去の経験が考慮されることはありません。
また、以前所属していた営業所に戻れるかどうかは、空き状況や交渉次第となるため、必ずしも希望が通るとは限りません。
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最近、ヤマト運輸は大規模なリストラや日本郵便との協業解消など、さまざまな話題で注目を集めています。
これらのニュースを受け、運送業界の労働環境や将来性に不安を感じる方もいるかもしれません。
ヤマト運輸を退職したあと、ほかの運送会社や別業界への転職を検討する人も多くいます。
自身のキャリアやライフスタイルに合った選択肢を見つけるために、さまざまな情報を収集し、慎重に検討することが大切です。
もし、ヤマト運輸を退職してもドライバー職を続けたいと考えているのであれば、軽貨物ドライバーという選択肢があります。
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