個人事業主の軽貨物ドライバーにはさまざまな働き方がありますが、ハコベルやピックゴーのようなマッチングサービスを利用するのも選択肢の1つです。
マッチングサービスの仕事は単発の仕事が多く、企業に拘束されることなく自由な働き方がしやすいなどのメリットがあります。
この記事では、物流のマッチングサービスとして有名なハコベルとピックゴーの特徴を項目ごとに比較しながら解説します。
どちらがいいか迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
ハコベルとピックゴーはどういうサービス?
ハコベルとピックゴーはどちらも荷主と配送ドライバーをつなぐマッチングサービスです。
スマートフォンを使い空いた時間に気軽に仕事を探せるのがメリットで、本業の配送と並行して利用したり、副業感覚で利用する人もいます。
まずは両サービスの特徴を簡単に解説します。
ハコベルとは
ハコベルとはセイノーホールディングスとラクスルが共同で運営している配送プラットフォームです。
単発の仕事を荷主の依頼通りに配送するのがメインの仕事となります。
登録には条件があり、貨物保険の加入や黒ナンバーの取得などが必要です。
ピックゴーに比べ初心者でも案件が取りやすい傾向にあります。
ピックゴーとは
ピックゴーとはCBcloud株式会社が運営する配送プラットフォームです。
ピックゴーは案件の種類が多く、通常の配送から買い物代行までおこなっており、幅広く仕事ができます。
ピックゴーではチャレンジ案件というものが存在し、チャレンジ案件をおこなうことでピックゴーでの実績が上がるスコア制度を採用しています。
ドライバーとしての実績が重要視されるサービスです。
項目別!ハコベルとピックゴーの違い
ハコベルとピックゴー、どちらを選択するのが自分に向いているのか、両サービスの違いを項目別でまとめました。
働き方や報酬面の違いなど、ドライバーにとって重要となる部分が多いのでぜひ参考にしてみてください。
働き方の違い
まずは、働き方やサービスの利用方法について説明します。
ハコベルでの働き方
ハコベルでは専用のアプリをダウンロードし、掲示された案件の中から仕事を取っていくことになります。
単発の仕事を1件1件自分で選んで受けられるので、企業に拘束されることなく、自由な働き方ができるのが特徴です。
ハコベルではピックゴーと違って自身で貨物保険に加入する必要があるので、登録をおこなう際には事前に加入を済ませておく必要があります。
報酬は月末締め翌月25日払いで、通常の会社員のように月ごとに報酬が支払われます。
ピックゴーでの働き方
ピックゴーでもハコベルと同じように専用のアプリをダウンロードして、仕事を取っていくことになります。
単発の仕事が多く、自分のペースで働けるのもハコベルと同様です。
ただ、ピックゴーはスコア制度を採用しており、ドライバーのこれまでの働きに応じて実績が可視化されるようになっています。
そのため実績のあるドライバーは仕事が取りやすく、専用の高単価案件まで存在します。
初心者はなかなか仕事をとることが出来ず、ピックゴーで長時間稼働している人が有利になるようになっていますが、荷主の評価によって実績が下がることもあるので、その点は注意が必要です。
報酬は最短で即日の入金されるので、細かく収入を得ることができます。また貨物保険もピックゴーが保障してくれるので、個人で入る必要がなく便利です。
報酬体系の違い
続いて両者の報酬体系の違いについて説明します。
ハコベルの報酬体系
ハコベルの報酬体系は、距離制と時間制の2つがあります。
距離制の場合は荷物を運んだ距離で報酬が変動し、時間制の場合はチャーターされた時間に応じて報酬が変動します。
ハコベルでは基本報酬に加え、冷蔵、冷凍物の配送や、夜間の配送、土、日、祝日配送などに別途対応することで報酬が上乗せされます。自分のスケジュールに合わせて効率よく稼ぐようにしましょう。
また、ハコベルでは仲介手数料として報酬から5%引かれてしまうので、その点も忘れないようにして下さい。
ピックゴーの報酬体系
ピックゴーでは、ハコベルと比べて配送の種類が豊富なので、報酬もどの配送をおこなうかで変化します。
荷主が時間でドライバーと車両を貸切るチャーター便では報酬は3,000円からとなり、引っ越しの依頼は10,000円からとなっています。
距離の違いなどにより報酬の金額は変動するので、依頼を受ける前に自分の働きに見合った報酬となるか考える必要があります。
ピックゴーはほかにも買い物代行などもおこなっており、報酬は550円からとなります。
ピックゴーでは報酬はポイントとして支払われ、1ポイント=1円として現金に換金できます。
手数料はハコベルの5%と比べて10~15%と高めです。
案件の違い
続いて両者で取り扱う案件の違いについて紹介します。
ハコベルの案件
ハコベルでは主に依頼主からの依頼を単発で受け、指定された場所に運ぶスポット配送で働くことになります。
単発の依頼であるスポット配送のほか、定期案件もあり、荷主の要望に合わせて定期便として配送をおこないます。定期便の内容は食品や生活用品の配送などさまざまです。
そのほかにも荷主の急な要望に応える緊急配送もあり、それぞれで報酬が異なるので、仕事を受ける前にきちんと確認しておくようにしましょう。
軽貨物車で配送を行う場合は「カーゴ便」となりますが、中型・大型免許を持っていれば中型・大型トラック便の仕事を受けることもできます。
中型・大型免許の取得には時間もお金もかかりますが、仕事の幅を広げたい人は免許の取得を検討してみてはいかがでしょうか。
ピックゴーの案件
ピックゴーはハコベルと比べて受けられる案件の種類が多いのが特徴です。
チャーター便は荷主に時間で貸切られて、指定された場所に食品配送などをおこなうスタンダードな働き方で、長距離の配送や深夜配送の案件もあります。
また、引っ越しサービスや買い物代行などもあり、出前館を経由しておこなうフードデリバリー案件などもあります。ピックゴーには自転車の登録者も存在するので、幅広い活動をおこなっていることがわかります。
ハコベルとピックゴーはどちらが稼げる?評判は?
ハコベルとピックゴーで稼ぐためには案件が取れるかが重要です。
ハコベルはピックゴーに比べ仕事がない、案件が少ないと言われていますが、ピックゴーでは案件が多い代わりに実績のあるドライバーが優先して仕事をもらえる傾向にあるので、初心者の場合はハコベルのほうが稼ぎやすいかもしれません。
ハコベルとピックゴーの評判としては、サービスとしては利用しやすいが、案件が取れないと厳しいという声が多いようです。
また、案件の数に対してドライバーの数も多いようで、なかなかマッチングしなかったり、登録をしたくても審査に通らないケースもあります。
ハコベルとピックゴーはメインで利用するというよりは、空いた時間に案件をチェックしたり、ほかの配送の仕事と並行して利用すると年収の増加につながりそうです。
以下がハコベルとピックゴーの口コミの一例となります。
ハコベルとピックゴーの始め方
実際にハコベルやピックゴーで働くにはそれぞれでいくつかの条件をクリアする必要があります。
登録に必要な条件を満たしたら、書類や写真が必要になるので、なにが必要なのかこの項目で1通りチェックしましょう。
ハコベルを始めるまでの流れ
ハコベルを始めるには、まずはハコベルのサイトから氏名、住所などを登録し、ハコベルのアプリをダウンロードします。その後書類や写真のアップロードをおこない、審査のあと電話による面談を受けます。
ハコベルの審査に落ちることも多いようなので、少しでも審査に通りやすくなるように、書類などに不備がないかきちんと確認しておきましょう。
以下がハコベルに登録するための条件です。
- 普通自動車免許取得1年以上
- 軽貨物自動車運送事業の届け出(黒ナンバーの取得)済み
- 個人事業主または運送事業者
- 軽貨物車両を保有
- 任意保険の加入済み(対人対物無制限)
ピックゴーを始めるまでの流れ
ピックゴーを始めるには、まず専用のアプリで登録をおこなう必要があります。
氏名や住所、配達する車両などの必要な情報を入力し、書類のアップロードをおこなってください。
登録には審査がありますが、審査に通るとピックゴーで働けるようになります。
軽貨物車で配送をおこなう場合の登録の条件は、以下の通りとなります。
- 20歳以上であること
- 軽貨物自動車運送事業の届け出(黒ナンバーの取得)がされていること
- 車の免許の所有、保険の加入が行われていること
さらに、登録に必要なものは以下の通りです。
- プロフィール画像
- 免許証
- 車両写真
- 自賠責保険証
- 任意保険証
- 在留カード(外国籍の人のみ)
バイク、自転車で登録する場合は必要なものが異なるので、バイク、自転車での配送を考えている方は公式サイトでチェックしましょう。
軽貨物初心者にはハコベルとピックゴーどっちがおすすめ?
ハコベルとピックゴーは、軽貨物ドライバーのマッチングサービスとしてよく比較されます。
ハコベルはピックゴーに比べ初心者でも案件を取りやすいというメリットがある一方、ピックゴーは車両を用意しても、実績のあるドライバーが優先的に案件を取れるようになっているので、初心者はなかなか案件が取れなくて苦労しがちです。
ただ、ピックゴーは案件の数が多く、種類も豊富なので、コツコツ実績を積んでいければ、ピックゴーにも多くの利点が見られるようになります。
ハコベルとピックゴーはどちらも登録者の数が多く、案件が取れなくて辞めてしまう人も多いですが、住んでいる地域などによっても状況は変わってくるので、どちらも始めてみて、自分に合ったほうを利用するというやり方もおすすめです。
ほかの配送の仕事と並行しておこっている軽貨物ドライバーも多いので、効率よく稼げるように働き方を工夫してみてはいかがでしょうか。