世界的な新型コロナウイルスの流行によって、通販需要が高まり、軽貨物ドライバーの仕事量も急速に増加しています。
そんな社会情勢の中、軽貨物ドライバーと荷物の受け取り手との間で、感染症感染のリスクがあることから、今、「置き配」の社会的価値について見直されてきているのはご存知でしょうか。
感染症予防のため日の目を見るようになった置き配ですが、様々なメリットやデメリット、将来的な展望が考えられてきているのが現状です。
この記事では、
- 置き配について
- 軽貨物ドライバーにとっての置き配のメリット・デメリット
- 置き配の今後の展望と軽貨物ドライバー業務への影響
についてご説明していきます。
今軽貨物ドライバーの中でも話題の中心となっている置き配事情について、軽貨物ドライバーの視点から詳しくご紹介していきましょう。
軽貨物ドライバーの仕事を楽にする?置き配とは
置き配とは、通販などで購入した商品を直接手で受け取らずに、玄関などの指定の場所に置いておいてもらうことで配達完了にしても良いという配達方法!
2019年ごろから、ドライバー業務の激務化を防ぐ方法の一つとして、置き配が提唱されていましが、置き配にはデメリットもあるため、あまり促進されませんでした。
ですが、2020年、新型コロナウイルスの世界的な流行によって、直接手渡しによる配達が配達員や受取人共にリスクとなると言われています。
そのため、置き配がウイルス感染のリスクを回避する方法として脚光を浴びているのが現状です。
2020年3月、Amazonがいち早く置き配をデフォルトの配送方法と指定したため、一気に注目が上がったとも言われています。
さらに、日本ではAmazonに追従するかのように、通販サイト大手の楽天が置き配にキャンペーンを設定したため、日本でも認知度が上がっている配達方法です。
軽貨物ドライバーにとっての置き配のメリットとデメリットとは
置き配によって軽貨物ドライバーの業務状況が良くなるという意見と、置き配によって軽貨物ドライバーがトラブルに遭うことが多くなるという意見の両方があります。
それぞれご紹介していきましょう。
軽貨物ドライバーにとって救世主!?置き配のメリット
置き配の最大のメリットは、再配達の削減です。2017年に行われた国土交通省の調査によると、宅配便の約15%が再配達となるというデータが出ています。
軽貨物ドライバーの仕事は、荷物を届けた個数で収入が変わってきますが、再配達を何件行っても再配達手当などは支給されることがありません。
再配達が多くなってしまうと、実質的に配送できる荷物の個数が減少してしまうため、収入減となってしまいます。
今後、置き配が宅配輸送の主流となると、再配達という収入につながらないサービスを行う必要がなくなり、より効率よく多くの荷物を運ぶことが可能です。
置き配が当たり前になることで、多くの荷物を運ぶことができるため、ドライバー不足といった運送業の問題が解消されるのではと期待されています。
さらに、国際的な感染症が蔓延するといった緊急事態でも、置き配によって、配達業者や荷物の受取人への感染リスクを減らしていくことも可能でしょう。
トラブルや解雇もありうる置き配のデメリット
メリットもある置き配ですが、デメリットも多く指摘されています。
置き配のデメリットには、
- 盗難の危険性
- 雨に濡れてしまうリスク
- 住所などの個人情報が漏洩する可能性
といったことが指摘されています。盗難の危険性が一番大きなデメリットなのではないでしょうか。荷物が置き配したあとで盗まれてしまった場合、盗難補償のない通販サイトですと受け取り手が大きな損失を背負ってしまいます。
通販サイト側に盗難補償がある場合でも、軽貨物ドライバー側に通販サイトや荷物の依頼主からペナルティーが課せられるということも。最悪、仕事の契約解除や二度と依頼されないということもあるのが現実です。
盗難によって、受け取り手だけでなく、軽貨物ドライバーにもリスクが生じてきてしまいます。
盗難の次に厄介なのが、雨などの天気事情によって荷物が濡れてしまったり破損してしまったりといったことも置き配にはあるリスクです。
雨風の影響を受けにくい場所に荷物を置くようにするなど、軽貨物ドライバー側にも気遣いが必要なことも多くあります。雨などで濡れてしまった場合に荷物の中身に損傷がということもあり得ますので、気をつけてください。
荷物表面には、受け手の住所や電話番号などの個人情報が書かれています。外に置き配されてしまった荷物の伝票から個人情報が流出して思わぬトラブルや事件に荷物の受け手が遭う可能性も。
個人情報が書かれた伝票が外から見えにくい位置に置き配するといった配慮も軽貨物ドライバーに求められます。
置き配の今後の展望と軽貨物ドライバー業務への影響
まだまだ世界的な新型コロナウイルスの流行もあって、置き配が今後さらに進んでいくと予想されています。
- 置き配が発展すると軽貨物ドライバーは必要ではなくなる
- 「手渡し」に付加価値が付く可能性
以上のような予想がされています。置き配の今後の予想について、それぞれご紹介していきましょう。
置き配が進むと軽貨物ドライバーはいらなくなる?
置き配が当たり前となってくると軽貨物ドライバーの需要はなくなっていくのではという予想があります。
理由は、ドローンによる貨物輸送の隆盛です。今現在、ドローンによって軽い荷物を輸送できないかと研究が盛んにされています。
各町ごとにドローンの中継基地ができ、そこを拠点として荷物を輸送できるのではと言われ、研究が続けられているのが現状です。
まだまだ先の話ではありますがドローンによって無人で配送し置き配ができれば、軽貨物ドライバーの仕事量は大幅に減り、ドライバーの削減という未来もあるかもしれません。
「手渡しでの配達」に付加価値が付く可能性も・・・
ドローンによって置き配ができるようになれば流通革命だと言われています。
ですが、逆に、「手渡しでの配達」に付加価値がつくような時代になる可能性が指摘されている点も見逃せません。
本人確認が必要な品や高級品など、より安全に確実に配達したいものも当然あります。
そういった安全かつ確実に輸送したい品を送る際に、人間の軽貨物ドライバーの需要と付加価値が増してくるのではと予想されているのも事実です。
置き配の発展によって、「手渡し」の付加価値がつけば、今以上に収入アップする軽貨物ドライバーも出てくるかもしれません。
まとめ:「軽貨物ドライバーにとって毒にも薬にもなる置き配」
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で日の目と人権を得られるようになった置き配。
再配達の削減や感染症予防といったメリットもある一方で、デメリットとして盗難被害や雨風による破損、個人情報の漏洩といったこともあげられてしまっています。
ですが、感染症の現状を考えると、より一層置き配の需要は高まっていくでしょう。将来的に、ドローンによる置き配やそれにともなう「手渡し」の付加価値といったことも起こるかもしれません。
様々な状況がこれからも予想される置き配が軽貨物ドライバーにとって毒となるのか薬となるのか。今後の展開から目を離さないようにしなければなりません。
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