軽貨物ドライバーにとって、車検は大切なメンテナンスの一つでもあり、経費としてかかってしまう手続きでもあるため、しっかりとした知識を持っておくことに越したことはありません。
車検の結果、部品の交換が必要ということもあるので、必要な費用よりも多めに予車検の算を組んでおくと安心できるでしょう。
今回は、軽貨物車(4ナンバー)の車検について、以下4点を中心に解説していきます。
- 車検費用
- 車検の有効期間
- 車検手続きを行う場所
- 車検を受けるための必要書類
4ナンバー(小型貨物自動車)とは?
運輸局によると、4ナンバー車とは「貨物の輸送に使われる小型自動車」のこと。要するに、軽トラや軽バンです。
ナンバープレートに書かれた地名の横に、分類番号が記されています。2~3桁で書かれたこの分類番号が、「4」から始まるため、4ナンバー車と呼ばれます。
この記事では、イメージしやすいよう「軽貨物車(軽バン)」や「軽バン」と表記して説明していきます。
軽バンの車検の費用はどのくらい?
実際に軽バンの車検にかかる費用はどのくらいなのでしょうか。具体的なお金の話になりますので、しっかりと確認しておきましょう。
ここからは、携番の車検にかかる費用について以下の内容を中心にご紹介していきます。
- 車検費用の内容
- 軽バンの車検における法定費用
- 軽バンの車検における点検整備費用
具体的なお金の話になりますので、しっかりと確認しておきましょう。
車検費用の内訳
車検には、2種類の費用がかかります。
- 法定費用
- 点検整備費用
法定費用とは自動車検査表の交付を受ける際に必要な税金などのこと。
点検整備費用とは整備工場やディーラーに車検を依頼した際に必要な費用のことです。
法定費用や点検整備費用について、もう少し詳しくみていきましょう。
軽バンの車検における法定費用
軽バンの車検には、以下の法定費用がかかります。
- 申請手数料
- 自動車重量税
- 自賠責保険料(24ヶ月契約)
それぞれの法定費用について詳しく説明していきましょう。
申請手数料
持ち込み検査時に自動車検査証の交付手続きにかかる費用が「1,400円」ほど必要です。
自動車重量税
事業用軽貨物の場合、2つのパターンで自動車重量税を払うことになります。
新車新規届出から13年未満の車の場合には、「5,200円」。
13年経過から18年未満の車の場合には、「5,400円」。
18年経過した車両の場合ですと、「5,600円」必要です。
自賠責保険料(24ヶ月契約)
車種の区分によって自賠責保険料は変化するので注意が必要です。
自賠責保険料24ヶ月契約の場合、「21,170円」かかります。
軽バンの車検における点検整備費用
点検整備費用は、修理内容や走行距離、車両の状態によって変わるため、一律な値段で考えることが難しいです。
車検の代行手数料や測定検査料、印紙代といった車検基本費用は業者によって違うため、2万円から10万円ほどの幅があります。
軽貨物車(軽バン)の車検費用を安くする方法は?
「軽バンの車検費用が高い……」と感じた方に向け、安くする方法を3つ紹介します。
どれもむずかしいことではありませんので、参考にしてくださいね。
日頃からメンテナンスをする
車検時における部品交換等の費用は、意外と高くつきます。
日頃から車をメンテナンスしておくだけで、余計なコストを抑えることができますよ。
エコカー減税対象車を選ぶ
エコカー減税が対象になると、初回車検時に前述の「自動車重量税」部分が減税になります。
減税の割合は国が定めている基準をどれくらい達成しているかによって違います。
ユーザー車検を受ける
車検を業者に頼まない方法もあります。全国の運輸局で行うことができ、「ユーザー車検」と呼ばれます。
検査手数料が数千円程度と安く、うまくできれば業者に頼んだ際の「点検整備費用」が抑えられ、場合によっては約3万円節約できることもあります。
自分でやるので手間はかかりますが、費用を抑えるためにトライしてみるのもよいでしょう。
軽貨物車(軽バン)の車検の有効期間
軽バンを軽貨物での配送に使う場合、「事業用軽貨物」という分類になります。
事業用軽貨物の場合、車検の有効期限は2年。
新車登録から最初の車検まで2年で、2回目以降の車検も同じように2年単位で車検を受けていくことになります。
自家用の普通自動車や軽自動車の車検は、新車で登録し初回の車検まで期間が3年、2回目以降の車検は2年と、事業用軽貨物の車検期間とは違うため、気をつけてください。
軽貨物車(軽バン)の車検手続きはどこでできる?
車検の手続きはどこですることができるのか、という疑問を持たれている方も多くいます。
車検の手続きができる場所は意外と多いです。
以下のところで、車検の手続きを行うことができます。
- 整備工場
- 軽自動車検査協会の全国の事務所や支所
- ディーラー
- 車検代行業者
上記の中でも、軽貨物を購入したディーラーの方に相談している方が多いのではないでしょうか。
軽貨物車(軽バン)の車検を受ける前の必要書類・準備
車検手続きには9つほど必要な書類があります。
車検手続きに必要な書類は以下の9つ。
- 自動車車検証
- 継続検査申請書(軽専用第2号様式)
- 自動車重量税納付書
- 軽自動車税納税証明書
- 定期点検整備記録簿
- 軽自動車検査票
- 保安基準適合証
- 自動車損害賠償責任保険証明書または自動車損害賠償責任共済証明書
- 使用者の印鑑
上記の必要書類について簡単にご説明していきましょう。
自動車車検証
自動車車検証は車検には必ず必要な書類です。
車の所有者名やサイズ、重さなどが記入されています。
この自動車車検証によって保安基準に適合している自動車だということが証明可能です。
継続検査申請書(軽専用第2号様式)
ユーザー車検を行う際に必要な書類です。
ユーザー車検とは、ディーラーや整備工場などを通さず自分で行う車検のこと。
専用の用紙を軽自動車検査協会事務所や支所の窓口、もしくは先の事務局のホームページからダウンロードできます。
自動車重量税納付書
自動車重量税をちゃんと納税していることを証明するための書類で、自動車重量税納付書も車検の際に必要になるので気をつけてください。
軽自動車税納税証明書
軽自動車税を納付していることを証明する書類です。
郵送されてくる書類で、「継続検査用」と書かれているものが車検時には必要ですので、書かれているかどうか確認しておきましょう。
なお、なくした場合でも管轄の自動車税事務所で再発行手続きができるため、見当たらない場合も慌てないでください。
定期点検整備記録簿
12ヶ月点検や24ヶ月点検といった法定点検の実施内容について、両者を比較しながら時系列で確認していくことができる書類が定期点検整備記録簿です。
軽自動車検査票
自分で車検を行なっていく際に必要になる書類が軽自動車検査票です。
合格となっている軽自動車検査票が必要。
不合格の場合には再検査が必要で、2週間以内に行わなければなりません。
保安基準適合証
保安基準に車が適合しているということを証明する保安基準適合標章とともに発行される書類です。
車検後に整備工場やディーラーといった指定の自動車整備事業者が発行する仮の車検証という扱いになります。
自動車損害賠償責任保険証明書または自動車損害賠償責任共済証明書
自賠責保険料を支払っているかどうかといった点が車検時に確認されます。
有効期間中のものでないと承認されないため、気をつけてください。
使用者の印鑑
車検証の使用者の認印のみ有効です。
ゴム印では有効にならないため、気をつけてください。
軽貨物車(軽バン)の車検についてしっかり理解しておこう!
軽貨物ドライバーの仕事をしていく上で、車両の安全ということは事業を長く安心して続けていく上で重要な課題です。
車検の結果、自分では気づかなかったような部品の消耗や故障が見つかることもあります。
車検に必要な最低金額以外にも部品の交換費用もかかってしまうので、予算は多めに設定しておくとよいでしょう。
軽バンの車検についての基礎知識や費用についてしっかりと理解しておくことで、より安全に稼いでいくことができる軽貨物ドライバーへと成長していけるのではないでしょうか。