佐川急便はヤマト運輸に次ぐ大手運送会社の1つであり、多くのドライバーが佐川急便で配達の業務を行っています。
女性活躍推進活動でも有名な佐川急便ですが、「ドライバーとして働くのはやめとけ」と言われることがあります。
この記事では、佐川急便の仕事内容や給料、職場環境などの面から、ネガティブな声が挙がっている理由について紐解いていきます。
さらに、「佐川急便を辞めると後悔する」という意外なメリットについても紹介するので、佐川急便のドライバー職に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
佐川急便の仕事と働き方
まずは佐川急便の雇用形態と仕事内容を把握しておきましょう。
なお、この記事では佐川急便のドライバー職に絞って解説していきます。
佐川急便では、ドライバー職の選択肢が豊富です。正社員として働く場合、主に「セールスドライバー職」か「輸送ドライバー職」のどちらかを選びます。
セールスドライバー職は、単に荷物を配達するだけでなく、営業活動、集配業務、物流提案、料金回収など多岐にわたる業務を担当します。
一方、輸送ドライバー職は主に営業所間の輸送を担い、お客様と接する機会はほとんどありません。
また、パートやアルバイトでは「宅配ドライバー」「エリア集配」「施設内集配」「配達サポート」となり、自分のライフスタイルに合わせて働ける魅力があります。
佐川急便では、正社員だけでなくパートやアルバイトとしても多様なドライバー職があるため、自分に合った働き方を見つけられるでしょう。
出典：
パート・アルバイト・正社員求人情報｜佐川急便
セールスドライバー職｜佐川急便
輸送ドライバー職｜佐川急便
「佐川急便で働くのはやめとけ」といわれる理由1）体力的な負担が大きいから
ドライバーはトラックで配達を行うものの、最終的に荷物を運ぶのは人力です。
特に佐川急便は、ほかの運送会社と比べて大きく重い荷物を取り扱うことが多く、体への負担も大きい傾向にあります。
例えば、ヤマト運輸では、3辺の合計が最大200cm、重さ30kgまでの荷物が扱われますが、佐川急便では3辺合計260cm、重さ50kgまでの荷物が対象となっています。
荷物をトラックに積み込んだり、持ち戻った荷物を下ろしたりする作業は、腰や腕に大きな負担をかけます。
毎日の作業量が積み重なることで、体力の消耗は避けられません。
扱う荷物が少し重いだけでも、毎日数百個を運ぶことで体にかかる負担は大きくなるでしょう。
出典：
飛脚ラージサイズ宅配便｜佐川急便
宅急便のサイズについて｜ヤマト運輸
「佐川急便で働くのはやめとけ」といわれる理由2）給料が安いから
佐川急便のセールスドライバーの給与は勤務地によって異なりますが、「給料が安い」と感じる人が多いです。
月給は21万円〜37万円程度ですが、基本給が低く、歩合制の割合が大きいため、収入は営業所や担当コースによって大きく変動します。
ボーナスも営業所や配達コースによって異なり、「仕事量に見合った給料をもらえていない」と感じるドライバーが少なくありません。
出典：全国の佐川急便 パート・ アルバイト・正社員 求人情報｜佐川急便
「佐川急便で働くのはやめとけ」といわれる理由3）営業ノルマがあるから
佐川急便のドライバーは配達だけではなく、営業活動も行う必要があります。
「セールスドライバー」という名称のとおり、佐川急便のドライバーには物販のノルマが課されます。
例えば、母の日に販売されるカーネーションや電報、手ぬぐいなどの商品を一定数売らなければなりません。
あくまで噂ですが、ノルマを達成できない場合、自腹で商品を購入するという風潮があるという声も……。
営業ノルマを達成できないことが直接給料に影響するわけではありませんが、昇給やボーナスアップにはつながりにくいのが現状です。
ただし、物販の営業ノルマはヤマト運輸にもあるため、セールスドライバー職自体のきついポイントといえます。
「佐川急便で働くのはやめとけ」といわれる理由4）拘束時間が長いから
佐川急便のドライバーは、拘束時間が長いため、プライベートの時間がとれないという声も挙がっています。
朝早くから夜遅くまで勤務することが多く、1日の拘束時間が13時間に及ぶことも珍しくありません
例えば、8時〜21時までの勤務時間の場合、仮に休憩がとれたとしても拘束時間が長く、通勤時間を含めると家で過ごせる時間は限られます。
さらに、拘束時間中はほとんどが肉体労働であり、運転中も常に神経を使うため、精神的な疲労も溜まりやすいでしょう。
「佐川急便で働くのはやめとけ」といわれる理由5）上下関係が厳しいから
佐川急便は体育会系の社風が強く、上下関係が厳しいといわれています。
運送業界など肉体労働が伴う職場では、体育会系の上下関係が存在することが少なくないですが、特に佐川急便では、この傾向が顕著なようです。
昨今ではパワハラや暴言、暴力は減少しているものの、昔の風潮が残っている場合もあります。
厳しい環境で育てられたドライバーが、後に管理職や先輩として同じ厳しさを後輩に向ける可能性が考えられます。
「佐川急便で働くのはやめとけ」といわれる理由6）営業所数が少ないから
佐川急便は、営業所の数が他社ほど多くないため、1人のドライバーが広いエリアを担当しなければなりません。
2024年9月末時点で佐川急便の営業所は428カ所ですが、ヤマト運輸は3,003カ所、日本郵便は約24,000カ所と大きな差があります。
そのため、広範囲の配達ルートに慣れるまで時間がかかります。
さらに、荷物の積み忘れなどで営業所に戻る必要があっても、距離が遠いために簡単には戻れず、負担が大きくなるといえるでしょう。
出典：
会社概要｜ヤマト運輸
支店・営業所一覧｜佐川急便
郵便局ネットワーク｜郵便局
【口コミ】「佐川急便で働くのはやめとけ」という実際の声
ここでは、実際に佐川急便経験者の声を紹介します。
佐川急便のセールスドライバーには、配達業務だけでなく、物販などの営業ノルマも課されます。
ノルマを達成できないと、上司や同僚からプレッシャーがかかることもあるようです。
以前は、仕事内容が厳しく、休みが少なくても、高い年収が得られる点が佐川急便のセールスドライバーの魅力でした。
しかし、高収入を維持できる期間は数年程度であることが多く、長続きする人は多くありません。
さらに、2024年問題に伴う働き方改革により、労働時間が抑えられることで収入が減少するリスクも出てきました。
もし稼げなくなるなら、体力的に厳しい仕事を続ける魅力は失われるでしょう。
逆に、「佐川急便を辞めると後悔する」という場合もある？
「佐川急便で働くのはやめとけ」といわれることがあっても、その内容をデメリットと感じるかどうかは人それぞれです。
実際に他社へ転職しても満足できるとは限らず、佐川急便を辞めたことを後悔するケースもあるようです。
ここからは佐川急便で働くことのメリットについてもみていきましょう。
給料が上がる可能性がある
佐川急便で働き続けることで、将来的に給料が上がる可能性があります。
佐川急便は、2024年4月1日から飛脚宅配便などの料金を平均7%程度値上げしました。この価格改定の理由の1つとして、従業員の処遇改善が挙げられています。
これにより、運賃改定による収益が社員への報酬に還元されれば、給料が上がることも期待できるでしょう。
出典：2024年4月1日付宅配便届出運賃等の改定のお知らせ｜佐川急便
物流業界の勝ち組となっている
佐川急便は、安定した経営基盤を築いており、物流業界で勝ち組と言われる機会も多いようです。
2024年3月期の業績では、佐川急便の営業利益は892億円、営業利益率は6.8%に達しました。
一方、同時期のヤマト運輸は営業利益が400億5,900万円、営業利益率は2.3%であり、業績の向上に苦戦しています。
また、佐川急便は2013年にアマゾンから撤退するという経営判断を下しました。
利益につながらない案件を見極める能力が経営陣にあり、これは現在の業績に直結しているといえるでしょう。
出典：
業績（予想）ハイライト｜SGホールディングス
2024年3月期 決算短信｜ヤマトホールディングス株式会社
法人契約が多い
佐川急便は、法人との契約が多く、大型で高単価の荷物を主に取り扱うのが特徴です。
法人契約では、まとまった荷物を1度に配達できるため、業務が効率的に進められます。
また、法人相手の配達では不在による再配達のリスクが少なく、集荷先として営業をかけやすいところも大きな利点です。
一方、個人宅向けの配達は、単価が低いうえに再配達などの手間がかかり、利益につながりにくい傾向にあります。
そのため、佐川急便は安定した業務が見込め、ドライバーへの負担が軽減される環境が整っているといえるでしょう。
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佐川急便で働く場合、体力的な負担に加え、給料の安さ、営業ノルマ、長い拘束時間、厳しい上下関係などがデメリットになる可能性があります。
一方で、宅配便料金の値上げに伴い、今後給料が上がる可能性も示唆されています。
さらに、佐川急便はヤマト運輸や日本郵便に比べて業績が好調な点も安心できるポイントですね。
それでも佐川急便で働くことに不安を感じるのであれば、ほかの軽貨物案件と比較検討してみてはいかがでしょうか。
ドライバー職をするなら正社員ではなく、運送会社と業務委託契約を交わす委託ドライバーという選択肢もあります。
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