宅配で稼いでいくために重要なポイントはいくつかありますが、中でも収入に直結するのが配達個数です。
しかし、なかなか配達個数が伸びず、思うように稼げない人や自力で配りきれない人もいるのではないでしょうか。
今回は1時間で配達できる個数や配達個数を増やすための積み込み方、ルート組みのコツについて解説します。
1時間の配達個数を意識することは大切?
配達中、1時間にいくつ配達できるかを意識することは大切です。
なぜなら、配達個数を意識せずなんとなく配っていると、どんどんペースが落ちてしまうためです。
何件も不在が続く場合や荷物が見つからない、持ち出し中の荷物がセンター留めに変更になるなど、配達中はさまざまなトラブルが発生します。
そのため一定のペースで配達するのはなかなか難しいですが、あらかじめ目標を決めておき、常に配達個数を意識しながら配達すれば途中で多少ペースが落ちたとしても巻き返せます。
1時間で配達できる個数はどれくらい?
一般的に、1時間に配達できる個数は15〜20個程度です。
ただし、1時間に10個しか配達できない人もいれば30個配る人、さらにはそれ以上配れる人もいるため人によってさまざまだといえるでしょう。
配達個数を伸ばしたい場合は、突然10個も20個も無理に増やそうとするのではなく、1個ずつ確実に配れる数を増やすことを心がけましょう。
たとえば、1時間に1個多く配れるようになるだけで、1日の配達個数は10個程度変わってきます。
2個、3個と根気よく増やしていけば、いつの間にかたくさん配れるようになっているはずですよ。
宅配では1日に何個配達できると「早い」?
1日に200個配達できれば、十分早いペースで配達できているといえるでしょう。
1日に200個配達するためには、1日に10時間稼働する場合で、1時間につき20個以上のペースで配る必要があります。
1日に200個配達する場合のペース配分例は以下のとおりです。
- 午前中(9:00〜13:00)…80個
- 午後(14:00〜17:00)…60個
- 夜間(18:00〜21:00)…60個
夜間は不在が少なく作業自体はスムーズにいきますが、視界が悪く配達スピードが落ちる傾向にあるため、午前中のペースを速め、時間指定なしの荷物をすべて配りきれると夜間の配達を軽くできます。
たとえば午前中に100個配達できれば夜間の配達が40個で済むため、早く上がれるようになりますよ。
1時間の配達個数別に「1日の配達個数」を比較
1時間にどの程度配達できれば、目標とする配達個数に到達するのでしょうか。
ここでは、1時間の配達個数別に1日の総配達個数を紹介します。
また、報酬についても解説しているため、希望とする報酬を得るにはどれだけの個数を配達する必要があるのかを確認し、目指してみてください。
なお、以下のシミュレーションは勤務時間は10時間、稼働日数は月22日、荷物単価は1個150円で算出しています。
1時間で10個配達した場合
配達個数と報酬は以下のとおりです。
配達個数 | 日収 | 月収 | 年収 |
---|---|---|---|
100個 | 15,000円 | 330,000円 | 3,960,000円 |
1時間に10個の配達は、初心者でもすぐに達成できる目標です。
10時間配達して1日の報酬が15,000円であれば、そこそこ稼げるという印象をもつかもしれませんが、注意しなければならないのは10時間配達する=拘束時間が10時間というわけではない点です。
宅配で歩合制の場合は「荷物を配ってなんぼ」です。
つまり、荷物の積み込みや仕分けなど、センターで行う作業については一切報酬が発生しません。
そのため、センターでの積み込み作業から配達後の締め作業までを含めると拘束時間が13〜14時間に及ぶこともあり、時間給にすると1,000〜1,100円程度になってしまう可能性があります。
さらに、上記の報酬額からガソリン代や車両費などの経費が引かれるため、割に合わないと感じるかもしれません。
長く宅配の仕事を続けたいのであれば、1時間の配達個数を伸ばすことが重要でしょう。
1時間で20個配達した場合
1時間に20個配達した場合の配達個数と報酬は以下のとおりです。
配達個数 | 日収 | 月収 | 年収 |
---|---|---|---|
200個 | 30,000円 | 660,000円 | 7,920,000円 |
1時間に20個配達できるようになれば、1日200個の配達が可能です。1日に200個配達できれば十分一人前といえるでしょう。
すでに配達スキルも身についていると考えられるため、少し工夫すればここからさらに配達個数を伸ばせます。
1日通して1時間30個のペースで配り続けるのはなかなか難しいですが、平均25個程度であれば達成できるでしょう。そうすれば、さらに収入も増やせます。
1時間で25個配達した場合
1時間に25個配達した場合の配達個数と報酬は以下のとおりです。
配達個数 | 日収 | 月収 | 年収 |
---|---|---|---|
250個 | 37,500円 | 825,000円 | 9,900,000円 |
1時間に25個のペースで配達できるようになれば、1日250個の配達が可能です。
このペースで配れるようになれば、年収1,000万円も目前。
1時間の配達個数が25個ということは、1軒あたり2分半程度しかかけられないため、かなりのハイスピードですが、1時間に20個配れる人であればこの域に到達できる可能性は十分あります。
1時間の配達個数は何によって左右される?
1時間の配達個数は、本人の配達スキルや配達環境などさまざまなものに左右されます。
ここでは、1日の配達個数を左右する要素について解説します。
積み込みや移動、荷物探しにかける時間
配達個数は積み込みや移動、荷物探しなどにかける時間によって左右されます。これら3つの要素は、いずれも時間のロスにつながるためです。
配達スピードが速い人の強みは、とにかく行動が素早いこと。
難なく1日に200個以上配達できる人の多くはとくに積み込みが速く、中にはゆっくり出勤してきたにもかかわらず、さっと積み込み、誰よりも早く出庫する人もいます。
反対に配達スピードが遅い人は、何かにつけてもたもたしてしまいがちです。
積み込みが遅いため出庫が遅れ、無駄の多いルートで回り、配達先では毎回荷物を探すのに手間取ってしまうなど、いくつものポイントでロスを重ねてしまいます。
常に効率を重視し、できるかぎりロスのないように行動する必要があるでしょう。
配達エリアや荷物の種類
配達個数を左右するのは配達スキルだけではありません。
ひとつは配達しやすいエリアかどうかです。配達しにくいエリアは1軒1軒に時間がかかったり、移動そのものに時間がかかったりします。
たとえば家がまばらな田舎では移動時間が長くなるため、同じ人が同じように回っても、家が密集している住宅街に比べて配達個数が伸びにくい傾向にあります。
もうひとつは荷物の種類です。
軽く小さな荷物であれば一度に何個も持てるうえ持って走ることもできますが、重い荷物は一度に何個も持てないため、何度も往復する必要があります。配達先がアパートやマンションなどの上階であれば、さらに時間がかかるでしょう。
日によっては飲料水の複数個口が集中することもあり、重い荷物が多い日は思うようなペースでの配達が難しい場合があります。
不在の多さ
不在の対応には時間がかかり、良い流れも断ち切られてしまうため、不在の多さも配達個数に影響します。配達先が不在だった場合、1軒の配達に通常かかる時間に加え、不在票の記入や架電などの時間がかかります。
そのため、不在が多い場合はその分時間のロスが増え、効率的な配達ができません。
あらかじめ、不在が分かっている配達先は飛ばして在宅している時間帯に訪問するなど、無駄のない計画が必要です。
委託元の運送会社や案件によって配達できる数は変わる?
委託元の運送会社や案件によっても配達できる数は変わります。
なぜなら、運送会社によってやり方やルールは異なり、やり方やルールが違えば配達のしやすさも変わってくるためです。配達のしやすさは配達個数に直結するため、配達しにくい場合は配達個数が伸びません。
配達がしにくい原因として挙げられるのは、端末やアプリの使いにくさや物量などです。
端末やアプリが使いにくいと感じる場合、効率よく配達することは難しいでしょう。
また、物量によっても配達できる数は変わってきます。
たとえばヤマト運輸が扱う荷物の多くはアマゾンの荷物ですが、アマゾンの荷物は年々増えており、1人のドライバーが1日に配達できる個数の限界を超えることも少なくありません。
ある程度荷物がなければ配達個数は増えませんが、かといって多すぎる場合は荷物の仕分けや積み込みの際に時間がかかって出庫が遅れるため、配達できる時間が減り、結果的に配達個数が伸びないのです。
宅配で1時間の配達個数を増やすコツ
ただなんとなく配達しているだけでは、1時間の配達個数を伸ばせません。
ここでは、宅配で1時間の配達個数を増やすコツを紹介します。
無駄のないルートを組む
宅配で1時間の配達個数を増やすコツとして挙げられるのは、無駄のないルートを組むことです。
ルート組みをする際は、以下の点に気をつけましょう。
- 時間指定の荷物を優先しすぎない
- 同じ場所に行く回数をできるだけ減らす
もちろん時間指定を守る必要はありますが、優先しすぎには要注意です。時間指定の荷物を優先しすぎると、効率の悪い回り方になるためです。
たとえば午前中であれば、午前指定の荷物の数を見て、あらかじめ何時から時間指定優先に切り替えるかを決めておきます。
そして時間がくるまでは好きに回り、決めた時間以降は時間指定の荷物を優先的に回ります。もし途中で時間内に回りきれない可能性が出てきた場合は、予定を前倒しして調整すれば回りきれるでしょう。
ただし、ギリギリを狙いすぎるとアクシデントが起きた際に、時間を過ぎてしまい遅配になる可能性があるため、余裕をもって配りきれるようにする必要があります。
また、同じ場所に行く回数をできるだけ減らすことも重要です。
たとえば18〜20時の荷物と19〜21時の荷物が近くにある場合、18時と19時に計2回行くのではなく、まとめて19時以降に行くようにルートを組みます。
荷物を探さなくても済むように積み込む
宅配で1時間の配達個数を増やすためには、荷物の積み込み方も重要です。なぜなら、荷物を探す時間がもっとも無駄な時間であるためです。
荷物を探す時間が長い人ほど配達ペースが遅いため、できるだけ荷物を探さなくても済むように積み込む必要があります。
積み込みのコツは、荷室の中でエリア別に積む場所を分け、さらにその中でもある程度番地順を意識して積み込むことです。
荷物の形状や種類、名前をある程度記憶しながら積み込んでいくとよいでしょう。
マンションで時間をロスしないようにする
マンションでの配達は、工夫をしないと時間のロスを招きます。
マンションでスムーズに配達するコツは、以下の点に気をつけることです。
- 同じマンション内で荷物が複数個ある場合は台車を使う
- マンション内の案内図を頭に入れる
荷物が重い場合や数が多い場合など、車両とマンションを何往復もする必要があるような場合は、コンパクトな台車を1台車両に積んでいくことをおすすめします。
何度も車両に荷物を取りに戻っていては無駄に時間がかかってしまい、配達個数を増やせないためです。
ただし、マンションによっては台車が利用できないところもあるため、利用できるかどうかを事前に確認したおきましょう。
また、マンションによっては決まった階にしかエレベーターが停止しない場合や、複雑な構造になっているところもあるため、慣れないうちはロビーやエレベーター付近に貼り出されている案内図を確認したほうがよいでしょう。
急いでいるときは案内図を見る時間すら惜しいと思いがちですが、構造を把握していないとマンション内部で迷ってしまい、かえって時間がかかる可能性があります。
宅配で早く配れるようになりたいなら研修制度のある運送会社で働くのがおすすめ◎
宅配で1時間に配れる個数や配達個数を増やす荷物の積み込み方、ルート組みのコツなどについて解説しました。
記事で紹介したように、配達個数を増やすにはさまざまな方法がありますが、まずは配達に慣れ、思うように配れなかったときはなぜ配れなかったのかをしっかり考えることが配達スキルの向上につながります。
自力ではなかなか難しい場合は、研修制度のある運送会社で働くのがおすすめです。
研修制度のあるところなら、経験者に横乗りしてもらいながら早く配るコツをじっくり教えてもらえます。
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