必要資金が少なく、低リスクで独立開業できることから人気の軽貨物ドライバー。
コロナ禍以降、インターネットでの購買活動がより活発になったため、軽貨物運送の需要は高まっています。
軽貨物の仕事には、運送会社に配達を業務委託されるパターンと、荷主から配達を依頼されるパターンとがあります。
荷主から直接配達依頼を受けることを直請けといい、直請けの案件を得るには、荷主探しが必須です。
本記事では、フリーランスの軽貨物ドライバーの仕事に興味がある、もしくは始めたばかりという方のために、荷主の探し方や案件を直請けする方法を解説していきます。
運送方法別!案件の種類
軽貨物運送業において、案件の種類は主に次の3つにわかれています。
種類 | 概要 |
定期案件 | 定期的に決まった場所へ荷物を届ける |
チャーター案件 | 時間制で軽貨物車を貸し切る |
スポット案件 | 単発で依頼される運送形態 |
それぞれの詳細について、さらにくわしく見ていきましょう。
定期案件
定期案件とは、名前のとおり、配送スケジュールや配送場所がある程度定まっていて、それに準じて定期的に荷物を届ける運送形態のことです。
身近なものでいうと、コープなどの宅配サービスがこの定期案件スタイルです。
また、定期案件は個人宅のみならず、企業間の運送、工場から店舗などへの運送といった仕事もあります。
定期案件のメリットは、荷主との信頼関係がより築きやすい点です。
定期的な契約関係を結ぶということは、ある程度長い期間での付き合いが見込まれます。
運送を滞りなくおこない、それを積み重ねていくことで荷主からの信頼感も高まっていきます。
定期案件は、ドライバーにとっても安定した仕事だといえるので、獲得して損はないといえるでしょう。
チャーター案件
チャーター案件とは、軽貨物車両を貸し切って配送を行う形態のことです。
一般的な配送であれば、車両のなかにはさまざまな荷物が積まれています。この場合、それぞれの荷主も違えば配送先も違います。
ただ、たとえば大きさや重量が規定外であったり、緊急性が高い荷物であったりすると、ひとつの車両での混載が難しくなってきます。
こういったとき、チャーター案件であれば柔軟に対応できるのです。
チャーター案件のメリットは、緊急性が高いため、それに比例して報酬も高くなることが多い点です。
また、時間制での契約になるため、作業時間が最初からはっきりしている点もドライバーにとっては仕事がしやすいといえるでしょう。
さらに、チャーター案件は個人よりも法人のものが多いため、不在による持ち戻りの可能性が低いという特徴もあります。
スポット案件
スポット案件とは、配送を単発で依頼される形態のことを指します。
基本的には不定期で仕事が入る形ですが、その分緊急性が高い場合が多く、また長距離の案件も多いので、報酬もそれらに比例して高くなります。
荷主や配送先が毎回異なり、場合によっては苦労するかもしれませんが、運転好きな方であれば、行ったことのない土地を走るのはなかなか楽しいものであるともいえるでしょう。
仕事をしながらドライブ気分を味わえるかもしれません。
軽貨物ドライバーの仕事の取り方は?
ここからは、軽貨物ドライバーの案件の取り方を解説していきます。
王道のものから新しいタイプのものまで、その種類はさまざまです。代表的なものをいくつか紹介していくので、自分に合ったものを見つけてみてくださいね。
軽貨物専門の大手企業に登録する
大手の軽貨物運送会社に個人ドライバーとして登録をして仕事を獲得していく方法です。
業界大手だと「赤帽」や「スーパーカーゴ」などが挙げられます。
基本的には企業の指示のもとで動いていく形になるため、売上は比較的安定します。
また、ドライバーとして登録した際は研修を行ってくれる企業もあるため、ここで基本的なお客様対応やビジネス全般の知識の習得もできます。
ただ、本来の配送料から手数料が引かれた分がドライバーの報酬となるため、手取りが減るというデメリットもあります。
また前述のとおり、近年はオンラインショッピングの需要が急激に高まっていますが、その需要に配送側が追いついていないため、ドライバーの数は慢性的に不足しています。
それにより、ヤマト運輸や佐川急便などの配送業者、アマゾンや楽天などの通販大手も、個人事業主のドライバーと業務委託契約を取る形が増えています。
こういった大手企業と委託ドライバー契約を結び、仕事を取っていく方法も近年増えつつあります。
自力で営業をかけ、直請け案件を獲得していく
専門企業への登録をしたり、委託契約を結んだりはせず、完全に個人で仕事を獲得する方法もあります。
この場合、手数料が引かれるといったことがないため、報酬はすべて自分の手元に入ってきます。
ただ、自力で仕事を取っていくには相当の営業力や人脈などが鍵になるため、セールススキルにあまり自信のない方には難しいかもしれません。
直請け案件の獲得については次の章でさらにくわしく説明していますので、そちらも参考にしてみてくださいね。
軽貨物専門の新しい求人サービスをチェック
最近では、荷主とドライバーをマッチングさせる軽貨物専門のWeb求人サービスなどもあります。
使い方は、ドライバーが適宜サイトをチェックし、自分が動けるときにエントリーして、荷主からの仕事を獲得するといった流れです。
前述の自力営業と同じく、こちらも完全個人ベースで動くものですが、時間と労力をかけて営業活動をする必要はありません。
軽貨物の直請け案件を獲得するには?
手数料が引かれることなく、そのまま手取りとして得られる直請け案件はドライバーにとって非常に魅力的です。
直請け案件はどのように獲得していけばよいのでしょうか。
荷主に直で営業するのはあり?
規模の大きい会社だと飛び込みで営業をかけても厳しいことが多いですが、小規模な会社であれば対応してくれる可能性もあります。
従業員が少ない物流倉庫や、個人経営の小さな会社などが営業の対象になるでしょう。
荷主への営業の仕方
荷主への営業の仕方はさまざまです。
前述したように、飛び込みで営業する方法もありますが、SNSを活用するのもひとつの手です。
日々の活動を積極的に発信しつつ、小規模な会社や物流倉庫のアカウントに営業DMを送るという手も有効です。
基本的に返信は来ない場合のほうが多いですが、SNS経由のつながりを持っておくことは軽貨物業界においても重要です。
その他、チラシやインターネットで広告を打つといった方法もあります。
特にインターネット広告はどの業界においても費用対効果が高いものなので、使いこなせるとそれだけで武器になり得ます。
ある程度の専門知識が必要ですが、直接出向かずとも不特定多数にアプローチをかけられる点が大きな強みであるといえるでしょう。
直請けで法人契約は結べる?
営業次第で、法人と直請けの契約を結ぶことももちろんできます。
配送業務だけでなく、関連雑務などもすべて自分でおこなわなければいけませんが、やはり委託手数料が発生しない点は魅力でしょう。
ルートの提案など、自分の意見を直接荷主に伝えられるのもやりがいのひとつです。
また、確実に仕事をこなしていると、直請けの担当者が別の案件を紹介してくれることもあります。
こういった横のつながりが広がっていくと、自ずと顔も広くなり、比例して売上も上がっていくでしょう。
軽貨物ドライバーが営業をせずに荷主探しできる方法は?
荷主から直接依頼を受けるには、荷主への営業が一般的ですが、なかには営業スキルにあまり自信がない人もいるかもしれません。
そのような方からすれば、営業をしないで荷主を探す方法があれば試してみたいはず。
ここからは、営業せずとも荷主探しができる方法について紹介していきます。
おいしい仕事は簡単には見つからない?
何を「おいしい」とするか、その基準は人によって違うかもしれませんが、おおむね次のようなものが挙げられます。
- より稼ぎやすい仕事(高報酬の案件)
- 労働時間が短い
- 体力的に大きく消耗しない
上記のようなおいしい仕事はそう簡単に見つからないでしょう。また、待っているだけではこういった仕事はまず回ってきません。
「おいしい」の基準は人それぞれですが、大多数がおいしいと思う仕事は他のドライバーに取られています。おいしいだけあって、競争が激しいのです。
その場合、やはり営業力が鍵になってきます。
積極的に人脈を広げ、また積極的に営業をかけ、自ら仕事を獲得しにいくと、それだけ案件の幅も広がります。
逆にいえば「営業は特にかけず、おいしい仕事をしたい」というのは現実的に考えるとなかなか厳しいでしょう。
軽貨物専門の掲示板で情報収集
軽貨物専門のオンライン掲示板を適宜チェックし、情報を収集することも案件獲得につながるといえます。
荷主が掲示板でドライバーを募集していることもあるので、気になるものがあれば積極的に連絡を取ってみるとよいでしょう。
中間業者が介在しない募集であれば、案件を直請けできます。
軽貨物専門の求人サービスを利用する
最近では、軽貨物ドライバーと荷主を結びつけるマッチングサービスが注目を集めています。
まだ歴史の浅いビジネスモデルではありますが、これから需要が高まっていくことが期待されています。
ドライバーは、スマホで簡単に、自分が納得できる条件の仕事に応募できるため、空き時間や、休日にも稼ぐことができ、自分の時間を効率よく仕事に充てられます。
軽貨物専門のマッチングサービスはどんどん新しく登場しているので、チェックしておきましょう。
自分にとって使い勝手がよいものを見つけておけば、案件獲得の機会もそれだけ増えていくでしょう。