マスコミ各社でも連日報道されているUber Eats(ウーバイーツ)での配達業。
自転車やオートバイでの配達が多いように感じられますが、軽貨物車両への依頼というのも少しずつ増えてきているのが現状です。
様々なフードデリバリーサービスが出てきていますが、軽貨物ドライバーにとってUber Eatsはおいしい仕事なのでしょうか?
今回は、軽貨物ドライバーがUber Eatsでの配送をしていく際のメリットと注意点について、実際にUber Eatsで働いているドライバーからの評判や口コミも参考にしながら、Uber Eatsでの配送について説明していきましょう。
※なお本記事では、「Uber Eats」の表記で統一します。
軽貨物ドライバーも気になるUber Eatsとは
Uber Eatsとは大都市圏を中心としたフードデリバリーサービスのことで、Uber Eats提携店にお客様が注文し、Uber Eatsに登録している配達員が配送していくという形です。
配達距離に応じて報酬が決まるかつ、時給ではなく成果報酬のため、たくさんの依頼を受けることでより収入を増やしていけます。
また、ピークタイムや1日の配送量によって報酬ボーナスをもらえることもあり、達成感を高めていく仕組みが特徴的です。
サービス利用者が都市圏を中心に急増しており、連日マスコミでも話題になるなど、注目が集まっているのはご存知でしょうか。
さらに、配達員も自転車さえあれば仕事ができるので、Uber Eatsで稼ぐ人も多くなってきているのが現状です。
Uber Eats(ウーバーイーツ)では車の配達はダメ?
Uber Eatsでは、自転車やオートバイクだけでなく車での配達も可能です。
しかし、車の使用はUber Eatsが定める条件を満たしている必要があります。
ここからはUber Eatsの配達ができる車の条件について紹介します。
軽貨物を登録すればOK!
Uber Eatsの配達で使用できる車は、軽貨物輸送に事業用として使うという申請をした、黄色い文字の入った黒ナンバーを取得している軽貨物車両のみです。
下記2つの条件を満たしている場合は、配達パートナーに登録することで車での配達を始められます。
- 黒ナンバーを取得した軽貨物車を所有している
- Uber Eatsの定める登録条件を満たしている18歳以上
そのため、普通の乗用車や軽自動車はUber Eatsの配達には利用できません。
「車でUber Eatsの配達をしたい」と考えている場合は、事業用登録した黒ナンバーの軽貨物車を事前に用意しましょう。
Uber Eatsの軽貨物登録条件
Uber Eatsの配達で利用する車を登録するためには、車検証での用途が「貨物」と記載されている軽貨物車両である必要があります。
ナンバープレートに記載されている数字が「4〇〇」から始まる、4ナンバーであれば問題ありません。
そのほかに軽貨物車両の条件として下記のものがあげられます。
- 荷物の積卸口がタテ60cm・ヨコ横80cm以上
- 排気量が660cc以下
また、Uber Eatsの配達パートナー登録時には、任意保険または自動車共済証書を提出します。
配達途中に、万が一事故にあったときのためにも、任意保険への加入は必須です。任意保険に加入する際は、必ず事業用車両が適用されるものを選びましょう。
Uber Eats(ウーバーイーツ)の配達は車のほうが稼げる?
Uber Eatsの配達は、小回りが利く自転車やバイクと比べて、軽貨物車での配達のほうが稼げるのでしょうか。
ここでは、バイクや自転車と比べて稼げるのかや、軽貨物車での稼ぎ方のポイントについて確認していきましょう。
Uber Eatsを軽貨物で配達した場合の収入は?
Uber Eatsの報酬体系は、以下の要素で構成されています。
- 配送料(基本料金+配達調整金額)
- インセンティブ
- チップ
そして、これらの合計金額から、サービス手数料の10%が引かれます。
Uber Eats配達パートナーの単価は、およそ500円/1回とされています。時給に換算すると1,000円~1,500円が目安です。
軽貨物車で、1時間あたり2〜3回の配達をすることで、1,500円の収入が得られる計算です。
バイクや自転車での配達よりも稼げる?
Uber Eatsでは、バイク・自転車・軽貨物それぞれ異なる配達方法であっても単価は変わりません。
また、自転車と比べると軽貨物は、ガソリン代や駐車代などの継続的な維持費用もかかります。配達エリアにもよりますが、場所によっては狭い道や商店街など、車だと通りにくい道もあるでしょう。
そのため、小回りがききやすく短距離での配達を多くこなせる自転車やバイクと比べた場合、稼ぎにくいと感じる軽貨物ドライバーの方も少なくありません。
軽貨物車を使ってUber Eatsの配達をする場合は、これから説明する「軽貨物のメリットを活かした稼ぐポイント」をしっかりと頭に入れておきましょう。
軽貨物ドライバーがUber Eatsで稼ぐためのポイント
軽貨物車で効率的に稼ぐためには、Uber Eatsのインセンティブを狙うのがおすすめです。
ブースト:注文が多い曜日やエリアで、配送料が1.1倍などに増える仕組み
クエスト:配達件数にあわせて追加報酬が支払われる仕組み
ピーク料金:雨などの悪天候時や注文が増える時間に報酬が増える仕組み
道路のコンディションや視界が悪くなる雨の日は、自転車やバイクで動く配達員の数が減ります。逆に外に出たくないと考えるお客さんからの需要は高まります。
悪天候時は追加報酬が狙えるため、天候の影響を受けにくい軽貨物車両のメリットを最大限に活かして、たくさん稼ぐチャンスです。
その他にも、下記のように工夫することで通常よりも稼ぎやすくなります。
- 需要があるけど坂道が多いエリアに活動拠点を絞る
- 真夏の暑い日や冬の寒い日も積極的に活動する
このように、軽貨物ドライバーがUber Eatsで稼ぐためには「自転車やバイクの配達員が避けやすく、車のほうが有利となる状況を利用する」といった戦略を立てるのがポイントです。
Uber Eats(ウーバーイーツ)を車で配達するメリットと注意点
自転車やオートバイでUber Eatsの配達をしている方が多いのが現状ですが、軽貨物車両でUber Eatsの配達員として働くメリットや注意点にはどのようなことがあるのでしょうか。
それぞれのメリットや注意点について、軽貨物ドライバーの視点からご説明していきます。
メリットと注意点を天秤にかけて、Uber Eatsの案件を受けていくどうか考えていくことをおすすめします。
Uber Eatsを車で配達するメリット
Uber Eatsを車で配達するメリットは以下の通りです。
- 天候に関係なく配送可能
- 長距離や重い荷物の運送もおこなえる
- 通常業務の空き時間で稼ぐことができる
ほかの配送方法と比べて、軽貨物車両を用いるメリットには、「天候に関係なく配送が可能な点」や「長距離や重い荷物の運送も行える点」、「空き時間で稼ぐことができる点」があげられます。
それぞれのメリットについて、軽貨物ドライバーの視点から説明していきます。
天候に関係なく配送が可能
自転車やオートバイでは雨の日や雪の日、強風の日などは配達が難しいです。
一方、軽貨物車両だと天候が悪い日でも問題なく配送できます。
自転車やオートバイが配送できないような天候の日には、フードデリバリーの需要を軽貨物ドライバーが独占できるという大きなメリットがあるため、ビジネスチャンスが生まれるでしょう。
長距離や重い荷物の運送もおこなえる
自転車やオートバイでは運ぶのが難しい長距離の配送や、数十人分の注文といった配送量が多かったり、重さがあったりする案件は、軽貨物ドライバーが独占できるでしょう。
一見、競合しそうな自転車やオートバイでのUber Eatsの配達ですが、車両配達のほうが依頼主としてもありがたい場合もあるため、軽貨物ドライバーにもUber Eatsの仕事の依頼があるのが現状です。
空き時間で稼ぐことができる
普段の軽貨物ドライバーの仕事の合間に、超短時間で働くことができるというのも魅力です。
空き時間にUber Eatsの配達をすれば効率よく収入を増やせます。
普段の業務の空き時間で効率的に稼いでいきたいと考えている軽貨物ドライバーの方は、Uber Eatsの配達パートナー登録をしておきましょう。
Uber Eatsを車で配達する際の注意点
Uber Eatsの配達に車を用いる際の注意点は以下の3つです。
- 駐車違反を取られる可能性がある
- ガソリン代などの経費と報酬のバランスを考える必要がある
- 量をこなすことが難しく稼ぎづらい
それぞれの注意点について詳しく説明していきます。
駐車禁止を取られる可能性がある
軽貨物車両で配達する際は、駐車禁止に気をつけなければなりません。
配達中はどうしても車両から離れる必要があるため、駐車禁止を取られてしまうリスクは常にあります。
Uber Eatsのアプリ上での地図と配達先が違うといった事例も少なからずあるため、配達先を探している間に十数分かかってしまうこともあるでしょう。
駐車禁止にはくれぐれも気をつけて仕事をおこなっていく必要があります。
ガソリン代などの経費と報酬のバランスを考える必要がある
自動車で配達していく場合に気にしなくてはならないのはガソリン代です。
配送先までのガソリン代と報酬のバランスを考えて依頼を受けないと、利益が数十円だったり、ひどい場合だとマイナスになってしまうこともあります。
経費と報酬のバランスを考えて、Uber Eatsの依頼を引き受けるかどうか考えていく必要があるでしょう。
量をこなすことが難しく稼ぎづらい
Uber Eatsの依頼は短距離の配達が多いです。
依頼が多くなる時間帯に、より多くの依頼を受けて配達することがUber Eatsで高額収入を得られるポイントです。
軽貨物車両だと、どうしても駐車場所を気にしたり、車両の戸締りなども確認したりなど、自転車やオートバイと比べて配送に時間がかかってしまうでしょう。
細々とした時間を減らして、収入が上がるピークタイムにどれだけ多くの依頼をこなしていけるのかが鍵です。
Uber Eatsにこっそり車で配達していたことがバレるとどうなる?
「事業用登録していない白ナンバーの車で、こっそり配達してもバレないだろう」という考えを持つのは大変危険です。
以下が原因でバレる可能性があるためです。
- 店側による通報
- お客さん側による通報
- 配達員同士による監視の目
- 警察による監視の目
Uber Eatsでは、配達員がどのような移動手段なのかがわかる仕組みになっています。
料理をピックアップする際に店側にバレたり、配達先のお客さんに気づかれたりする可能性が高く、Uber Eatsに通報されるケースもあります。
また、黒ナンバーではない車で配達している様子が、警察の目に留まる可能性もなきにしもあらずです。さらに街中では配達員の目があることも忘れないでください。
登録車両が違う場合は、配達中に事故に遭遇したとしても補償は受けられません。
なお、通報された場合は、アカウント停止となる可能性もあります。Uber Eatsでの仕事ができなくなる恐れもあるため、必ず事業用届けを出した軽貨物車両を登録した上で配達するようにしてください。
Uber Eats(ウーバーイーツ)での軽貨物登録方法
ここからはUber Eatsで軽貨物車を登録する際の方法を解説します。登録作業をスムーズに進めるためにも、事前に確認しておきましょう。
軽貨物車両で配達パートナーに登録する
まずは、Uber Eatsの配達パートナーに申し込みをしましょう。
Uber Eats公式サイトにアクセスして、配達パートナーとしてのアカウント作成をします。下記の項目を入力してください。
- メールアドレス
- 氏名(本名のみ・ローマ字入力)
- 電話番号
- 都市
- 招待コード(持っている場合のみ)
「メールアドレス」はUber Eatsからのメール受信が確認できるもの、「電話番号」はSMS認証ができる番号を入力しましょう。
配達料が増加するブーストやインセンティブなどは「都市」に登録したエリアでの配達が対象です。そのため、配達をおこなう地域を選択しておきましょう。
上記、5つの項目を入力した次に「配達方法の登録」で「軽貨物車」を選択して登録します。必要な書類をアップロードするページに遷移するため、書類を提出しましょう。
書類が承認されたら、配達パートナー専用のアプリをスマートフォンにインストールします。規約の同意、銀行口座の登録などを済ませれば、配達パートナーの登録は完了です。
なお、配達パートナー登録時に必要な書類は以下のとおりです。
- 運転免許証やパスポートなどの身分証明書
- 顔写真
- 銀行口座
- プロフィール写真
事前に準備しておきましょう。
Uber Eatsの配達パートナー登録時、軽貨物車両の登録で必要な書類については、次の章で解説します。
軽貨物登録に必要な書類を準備する
Uber Eatsの配達を軽貨物でおこなう際は以下の書類を提出します。
- 運転免許証
- 車検証、または軽自動車届出済証
- 自動車損害賠償責任保険証明書 (自賠責保険証)
- 任意保険、または自動車共済証書
これらは軽貨物登録に必須の書類です。上記の書類とあわせて、「ナンバープレートの撮影画像」も必要です。
なお、免許証や自動車損害賠償責任保険証明書 (自賠責保険証)の氏名は、配達パートナーで入力した氏名と一致している必要があります。
配達パートナー登録の書類とあわせて、これらの書類も手元にそろえておきましょう。
軽貨物ドライバーの視点で見るUber Eatsの評判と口コミ
軽貨物ドライバーの視点でUber Eatsの評判と口コミを見ていくと、天候が悪い日に依頼が多くなる点がよいという意見が多かったです。
大都市圏では絶えず依頼があり、短時間の空き時間でも稼げる点が軽貨物ドライバーにとってありがたいという意見も。
一方で、量をこなさなければならないのは普段の業務と変わらないので、新しいことを始めるよりも普段の業務をより効率化したほうが稼げるといった意見もありました。
利用者からは、自転車やオートバイで配達してもらった際に、食事がぐちゃぐちゃになっていたことがあるので、軽貨物車両で運んできて欲しいという声もあります。
競合となる自転車やオートバイが稼げない天候や時間帯、距離、重い荷物などを担当し、差別化できれば、Uber Eatsで軽貨物ドライバーが働くメリットはあるとの意見が多かったです。
軽貨物ドライバーがUber Eatsで稼ぐなら戦略的に
軽貨物ドライバーがUber Eatsで働く場合には、競合となる自転車やオートバイと配達範囲が被らないようにすることが大きく稼げるコツだといえるでしょう。
普段の配送の空き時間に、自分のいる地域から近い場所での案件を多くこなすなど、本業ではなくすきま時間の副業としてうまく活用するのがよいのではないでしょうか。
日本では注目を集め始めたばかりのシステムなので、今後伸びていく可能性は十分に秘めています。
軽貨物ドライバーの新規参入者がまだ少ない今のうちに、しっかりと実績を築いておくというのも戦略の1つでしょう。