「軽貨物配送業を始めたいけど、最初にどのようなものが必要なのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
まず手始めに、黒ナンバーを取得することから始めて行く必要があります。
配送業を行なっていないとなじみのない黒ナンバーですが、黒ナンバーとはいったいどのようなナンバーなのでしょうか。
今回は、大きく分けて、黒ナンバーについて以下の点を中心にご紹介していきます。
- 黒ナンバーとは
- どんな仕事で黒ナンバーが必要なのか
- 黒ナンバーのメリットとデメリットについて
上記の点をしっかりと確認して、黒ナンバーの理解を深めていただけたら幸いです。
それぞれの項目について、詳しくご紹介していきましょう。
黒ナンバーとは
軽貨物運送業を始めようとしたときに必ず取得しなければならないのが「黒ナンバー」です。黒字に黄色で書かれた文字が黒ナンバーの特徴。
事業の範囲については、貨物自動車運送業法第2条で定められている「他人の需要に応じ、有償で自動車を使用して貨物を運送する事業」になります。
また、「3輪以上の軽自動車および2輪の自動車に限る」という規定もあるので気をつけてください。
正式名称は「貨物軽自動車運送事業」です。
車両1台から取得できるのが黒ナンバーの特徴で、個人で事業を行いたい場合でも申請が通らないということが少ないでしょう。
黒ナンバーの取得方法について
黒ナンバーの取得方法は、以下の工程で行っていきます。
- 運輸支局に「事業用自動車連絡書」や「貨物自動車運送事業経営届出書」、「運賃料金設定届出書」、「車検証のコピー」を用意し提出。
- 運輸支局で「受理印が押された事業用自動車等連絡書」が発行されるので受け取ります。
- 「受理印が押された事業用自動車等連絡書」と「住民票」、「ナンバープレート代(手続き場所により金額は変動なので注意!)」、「印鑑」、「事業用の黄色ナンバーや軽自動車の車体」を用意してください。
- 軽自動車検査協会にて、上記の書類を提出し、黄色ナンバーを返納しましょう。5:軽自動車検査協会から「黒ナンバー」と「事業用の車検証」が交付されます。

どんな仕事で黒ナンバーが必要?
黒ナンバーを取得することで、できるようになる仕事内容があります。
黒ナンバーを使って、以下の仕事を行うことができますので、以下の事業を行いたい方は、黒ナンバーの取得を検討してみてはいかがでしょうか。
- 定期便
- ルート配送
- 宅配
- フリーランスとしての配送業務
- 引っ越し
黒ナンバーの取得により、以上の仕事ができます。
次に軽貨物と黒ナンバーで行うことができるそれぞれの仕事の内容について、詳しくご紹介していきましょう。
軽貨物ドライバーの仕事内容についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
定期便
ある周期で特定の場所から場所まで配送して行くのが定期便です。
定期便で軽貨物を使用して行く場合には、黒ナンバーを取得しなければならないので気をつけてください。
ルート配送
曜日や日にち、月、週単位だったり、毎日だったり。特定の配送ルートを指定された日時で配送して行くのがルート便です。
ルート配送をして行く場合でも、黒ナンバーが必要なので、取得してから事業を始めるようにしましょう。
軽貨物ドライバーのルート配送についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
宅配
個人宅への荷物を配送することが宅配の主な業務内容です。インターネット通販の配送が年々多くなっており、一番軽貨物ドライバーの需要が高い配送業務でしょう。
近年、新規参入者も多いため、黒ナンバーを取る方が多くなっている仕事でもあります。
宅配トライバーについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
フリーランスとしての配送業務
配送アプリなどを利用して働く軽貨物ドライバーも多くなっています。
アプリの登録や、アプリから事業を始める際に、黒ナンバーの取得が義務付けられていることも多く、黒ナンバー取得者が増えている働き方の一つです。
しっかりと黒ナンバーを取得してから、フリーランスとして配送業務に挑まなければならないので気をつけてください。
引っ越し
黒ナンバーを取得し、軽貨物車両で、引っ越し業務を行うことも可能です。
特に、単身者向けの引っ越し業務が主な内容になりますが、都市部では格安で素早く業務ができるということから、年々需要が高まってきています。
上記の仕事内容の1つだけを行っている人もいますが、黒ナンバーを取得し、軽貨物で上記の仕事内容を複数行っている人がいるのも、黒ナンバーを使った仕事の特徴だと言えるでしょう。
黒ナンバーのメリット・デメリット
もちろん、黒ナンバーを取得して事業を行う際に、メリットとデメリットの両方が生まれてしまうのは仕方ありません。
では、どのようなメリットとデメリットが出てくるのかをみていきましょう。

黒ナンバー取得のメリット
黒ナンバーを取得することで得られるメリットには、以下の4点があげられるでしょう。
- 緑ナンバー取得にくらべ、審査の時間や手間が少なく、すぐに仕事ができる点。
- 登録免許税が不要な点。
- 自家用車よりも黒ナンバーを得ている車両は税金が安くなるという点。
- 車両が1台あれば登録できるため、すぐに事業を始めやすいという点。
上記のようなメリットがあげられるでしょう。それぞれのメリットについて、説明していきます。
①緑ナンバー取得にくらべ、審査の時間や手間が少なく、すぐに仕事ができる点。
緑ナンバーとは簡単に言ってしまうと人も運べる運送業を行えるナンバーです。
人が運べる反面、それだけ安全性などの担保が必要になるため、審査に時間がかかってしまいます。
ですが、黒ナンバーでは人間は運べず、荷物の配送になるため、審査の時間や手間が緑ナンバーに比べて大幅に少ないです。
荷物の配送だけでもいいのですぐに配送事業を行いたいという方は、黒ナンバーを申請して事業を始めて行くことをおすすめします。
②登録免許税が不要な点。
緑ナンバーでは登録免許税が必要ですが、黒ナンバーでは登録免許税が不要なので、コストも低く抑えられます。
③自家用車よりも黒ナンバーを得ている車両は税金が安くなるという点。
軽自動車税が大幅に安くなります。自家用自動車だと10,800円。
一方、事業用の貨物車だと3,800円と非常に割安です。
④車両が1台あれば登録できるため、すぐに事業を始めやすいという点。
すぐに配送の仕事がしたいという方にとって、車1台で行えるというスピード感は非常に重要です。早く仕事をはじめることで、早く収入を得ることができます。
上記のメリットがおもにあるということをしっかりと理解しておきましょう。
黒ナンバー取得のデメリット
黒ナンバーの大きなデメリットは、自動車任意保険料が自家用車に比べて高くなってしまいます。
自家用車と比べて車に乗っている時間も長くなるため、事故などにあう可能性が高まってしまうのは仕方がないことです。
自動車任意保険料の差額分をしっかり安全運転で稼いでいくと決めて、普段の業務を行っていくことでデメリットをなくしていけるのではないでしょうか。
まとめ:「黒ナンバーをしっかりと取得して軽貨物配送業を行なっていこう!」
「黒ナンバーとは」から、「取得方法」、「黒ナンバーを得ることでできる仕事内容」、「黒ナンバーのメリット・デメリット」についてご紹介していきました。
黒ナンバーは書類さえしっかり揃っていれば1日で取得することも可能です。

黒ナンバーを取得していないと登録できない配送業アプリも多く出てきており、業界全体が少しずつ活気を増しています。
新規参入者で仕事の奪い合いとなる前に、しっかりと黒ナンバーを取得して事業を早く行なって行くことも重要な選択肢なのではないでしょうか。