ルート配送は通常の宅配に比べ、「楽」という印象を持っている方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、楽かきついかは案件によります。
案件の見分け方を知らないと、選んだ案件が「楽じゃない」ルート配送だった……といったことにもなりかねません。
この記事では、ルート配送における「楽」な案件の特徴や、ルート配送を楽にするコツをわかりやすく解説していきます。
そもそも「ルート配送」とは
ルート配送をひと言でいうなら「ルーティン化されている配送業務」です。企業間での配達がメイン業務であり、定期配送ともいわれます。
配送業におけるルート配送の特徴は以下の通りです。
- 法人企業への配達
- 毎日決まった納品先への配達
- 納品先の指定時間での配達
- 配達ルート(経路)が決まっている
毎日の業務において、やることが固定化している点がルート配送の特徴です。
決まったルートが組まれており、納品に向かうことになります。
具体的には、以下のような案件がルート配送に該当します。街中でもよく見かけるので、イメージがしやすいのではないでしょうか。
- スーパーへ生鮮食品・日用品の配送
- コンビニエンスストアへ弁当・デザートなどの配送
- ドラッグストアへ日用品・衛生用品の配送
- 店舗へ清涼飲料水の配送
- 飲食店・病院へおしぼりの配達
- 工事現場へ建築資材やセメントなどの配送
- 食品工場へ原材料の配送
- 自動車製造工場へ部品・パーツの配送
- ガソリンスタンドへ石油の配送
- コープ会員の自宅への生活用品の配送
一般的にはトラックを用いた配達が多く、定期的に商品を必要とする店舗への納品を行います。1度に納品する物量が多いのもルート配送の特徴です。
また、ルート配送といっても、ドライバーを固定していないケースもあります。
この場合、ドライバーは各コースをローテーションで受けもつことになります。「毎日同じルートをまわる」というスタイルとは異なる場合もあるので覚えておきましょう。
軽貨物における「ルート配送」
業務内容においては、軽貨物のルート配送もトラックでのルート配送と大きな違いはありません。軽自動車の特性を活かせるエリアでの配達をするケースが多いでしょう。
軽貨物ドライバーが請け負うルート配送には以下のようなものがあります。
- 飲食店へ食材・飲料・消耗品の配送
- 病院や薬局へ医薬品の配送
- オフィスへ事務用品・消耗品の配送
- コンビニエンスストアへ新聞の配送
- 企業オフィスへ弁当の配送
- 病院・医療機関へシーツなどリネン類の配送・回収
- オフィス・個人宅へウォーターサーバー用の水の配送
軽自動車のサイズを活かし、商店街にある店舗や住宅街にあるオフィスなどへ配達をするのがメインです。
トラックでの配送と違い、比較的軽量で多くの種類の荷物を扱うケースが多いでしょう。
軽貨物のルート配送が「楽すぎる」「楽しい」という体験談
実際にルート配送を行うドライバーは、仕事に対してどのような印象を持っているのでしょうか。
ここではSNSに投稿されたルート配送ドライバーのリアルな声をいくつか紹介します。
ルート配送ドライバーは、同じ配達先に荷物を届けるので、配達先の担当者と関係構築し、会話ができることが楽しいという意見がみられます。
また、法人への配達では不在がほとんどないので、固定のルートさえ覚えてしまえば、だいぶ楽という声もあります。
軽貨物のルート配送が「楽すぎる」と言われる理由
軽貨物ルート配送が楽だと言われる理由はどのようなところにあるのでしょうか。
ここでは、ルート配送のメリットと思われる点を紹介します。
毎日違うルートを覚えるストレスがないから
ルート配送では、固定の納品先に配達するケースがほとんどであるため、新しい納品先を覚える機会が多くありません。
宅配ドライバーの場合、1日に配達する軒先件数は、100件を超えることも珍しくありません。「道を覚えるのが得意」という人ならば問題ないかもしれませんが、初めてのコースでその軒先を確認するのはそれなりのストレスになります。
一方、ルート配送であれば配達件数は5〜20件などと少なく、配達先の確認にそこまでのストレスはかかりません。
初めのうちは納品先の細かなルールを覚える必要がありますが、ルーティン化してしまえば苦にはならないでしょう。
また、配達コースは事前に決められていることが多く、基本的にドライバーはそのコースを覚えるだけで配達に行けます。
例えば、ルート配送の実際のコースは以下のように振り分けられます。
コース番号 | エリア | 配達件数 |
---|---|---|
1 | ○○町1丁目、○○町2丁目、○○町3丁目、○○町4丁目、○○町5丁目 | 25件 |
2 | ○○町1丁目、○○町2丁目、○○町3丁目、○○町4丁目、○○町5丁目 | 18件 |
3 | ○○町1丁目、○○町2丁目、○○町3丁目、○○町4丁目、○○町5丁目 | 36件 |
宅配業務の経験がある方からすれば、このようにシンプルに整理されたコース分けや配送件数を見て、「楽すぎる」と感じるかもしれません。
ほかにも同じルートを配達するメリットには、以下のようなものがあります。
- いつも通る道が混雑する時間帯や、工事情報などを把握しておけるので戦略を立てやすい
- 次の納品先へ向かう最適なルートを自分で選択できる
- 各納品先の納品時間や荷下ろしの時間を把握でき、配達スケジュールを立てやすい
人間関係での悩みがさらに少ないから
ドライバー職を選ぶ理由でひそかに多い理由に「コミュニケーションが苦手」といったものがあります。
実際に、ドライバー職に応募する人の志望動機には、「1人で集中して仕事がしたいから」というものも少なくありません。
毎日決まった納品先でのやり取りが多いルート配送なら、接する人は限られてきます。
宅配業務のように、1日に何百人と接するといったことはありません。
黙々と個人で作業するのが得意な方には適職であるといえるでしょう。
給与が安定する傾向にあるから
軽貨物ドライバーとしてルート配送を請け負うことで、ほかの案件以上に給与・収入の安定につながります。
配達個数1個当たりに単価を掛ける、いわゆる「個数単価制」の案件では、収入の変動が大きくなりやすく、稼げる月と稼げない月などが発生する可能性があります。
また、当日の荷物量により収入が左右されるため、繁忙期と閑散期の収入の差が大きく、安定感がありません。
一方でルート配送の場合、日給制での募集も多く、ある程度の安定した収入を見込めます。納品先の経営事情などに左右されない限り、大きな収入の変化がないため、安心感もあります。
収入面への不安や焦りを感じにくい点も、ルート配送が楽と言われる理由の1つではないでしょうか。
「楽すぎる」軽貨物のルート配送案件の特徴
ここでは、特に負担の少ない軽貨物のルート配送案件の特徴を紹介します。
すべてに該当する案件を見つけるのは難しいかもしれませんが、どれか1つにでも当てはまっていれば、比較的負担が少なくなるはずです。
企業への配送であること
基本的にルート配送は企業へ納品する案件が多いですが、例外もあります。
生協の配達やウォーターサーバー用の水の配達、ネットスーパーの配達などです。これらの案件は個人宅への配達となり、不在の場合は再配達の必要があります。
宅配をしている方なら再配達の負担がどれだけ大きいか理解できるでしょう。
企業への配達では不在がほとんどない点もメリットです。企業や店舗への配送である案件を選ぶとよいでしょう。
拘束時間が短い案件
配達業はほかの仕事に比べて、拘束時間が長い傾向にあります。
一方で、ルート配送は決まった時間での納品がメインになるため、ほかの案件と比較して拘束時間が短くなります。
例えば、スーパーへの納品の場合、午前中や昼間の時間帯での納品を指定されるケースが多くみられます。必然的に日中の納品が終われば業務を終了できるので、拘束時間も短くなるでしょう。
軽い荷物を扱う案件
軽貨物で扱う荷物の種類は多岐にわたります。なかでも軽い荷物を扱う案件は比較的楽です。
体への負担が少なく、女性や高齢の方でも無理なくこなせるでしょう。
軽い荷物を取り扱う案件には以下のようなものがあります。
案件 | 概要 |
---|---|
医薬品の配達 | 薬局への納品。検品が重要で覚える品数も多いが、重いものはほとんどない。 |
企業メール便の配達 | 本社や支店への納品。企業内でのメール便のやり取りを請け負う。量は多いが、比較的軽量の荷物。 |
逆に、「楽じゃない」「やばい」軽貨物のルート配送の案件は?
ルート配送の中にも、比較的きついと感じる案件もあります。
ここでは取り扱う荷物に着目し、負担が大きいルート配送案件を紹介します。
お酒を扱うルート配送
飲食店や量販店などにビールや焼酎などの種類を配達する案件は要注意です。重量があるのはもちろん、ビール瓶、日本酒の一升瓶などは破損のリスクも伴います。
また、瓶などのデリケートな商品は運転にも気を配る必要があり、精神的な疲労度もあるでしょう。
特に、狭い飲食店の店内に納品する場合などは、周りのものにぶつけてしまい、破損の事故が起きることもあります。
建築資材を扱うルート配送
建築現場へ資材を配達する案件も、決して楽ではありません。
建築資材はセメントや鉄板・ホースの束など、基本的に重い荷物が多く車に積み込む時点から重労働です。
また、配達先の現場も舗装されていないことが多く、砂利道へ停車することもあります。このような現場は台車も使えず、荷物を抱えて運ぶ必要があります。
建築中の現場はエレベーターが使えない、納品場所まで車をつけることが難しいといった、ハードな案件であるケースが少なくありません。
軽貨物のルート配送を楽にするコツ
シンプルな業務内容が魅力の軽貨物のルート配送ですが、さらに配送を楽にするコツがいくつかあります。
ルート配送が初めての方でも、すぐに実践できる内容を紹介します。
すべての作業を「ルーティン化できないか」を考える
決められた業務内容である点を活かし、繰り返し行う作業を効率化することを意識しましょう。
例えば以下のような作業が効率化しやすいポイントです。
- 荷台の積込場所を決める
- 曜日ごとに固定された納品先をリストアップ・ルート組みをしておく
- 納品先の電話番号を登録しておく
- 給油するガソリンスタンドを決めておく
少しでも時間を短縮し、配送に集中できる状態にしておくことが大切です。
納品先のルールを覚える
納品先にはそれぞれ決まったルールがあります。ルールを把握しておくと納品時間を短縮でき、仕事がスムーズに行えるでしょう。
初めの段階でメモに残しておいたり、納品先の担当者に新しい情報を聞いたり、積極的に情報を集めておくことをおすすめします。
担当者とコミュニケーションをとっておく
いつも顔をあわせる納品先の担当者と、コミュニケーションを形成しておくことも大切なポイントです。
協力的な関係性を築いておけば、優先して納品場所を確保しておいてくれるなど、仕事を進める際に手助けしてくれることもあります。
まずは、あいさつをきちんとするなど基本的なマナーを守っておけば問題ありません。
仕事をしやすい環境を自分から作ることを意識しましょう。
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ここまで解説してきた通り、ルート配送のシンプルな業務内容や収入の安定感が「楽」という印象につながっているようです。
現在の配達の仕事が激務だったり、収入が安定しないことで悩んだりしている方は、ルート配送の案件に応募してみるのもよいでしょう。
一方で、ルート配送は初めに覚えることが多いのも事実です。負担がかからずに働ける状態にするためには、自ら毎日の業務を効率的にこなしていくために行動することが大切です。
また、ルート配送にこだわらず、通常の委託ドライバーの宅配案件を始めたいと考えている方もいるでしょう。
軽貨物の仕事には、今回紹介したルート配送だけでなくさまざまな案件があります。
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