ドライバー職への転職を考える際、「良い面」ばかりに目が向きがちという人もいるでしょう。
しかし、求人情報や説明ではポジティブなことしか伝えられない場合も少なくありません。
むしろ失敗談や後悔の中にこそ、転職前に本当に知るべき情報が隠されています。
本記事では、ドライバー職に転職して後悔しやすいポイント、トラックやタクシーなど職種別のリアルな声、そしてドライバー転職で失敗しないための注意点を解説します。
ドライバーへの転職後に「こんなはずじゃなかった」とならないように、ぜひ参考にしてください。
サラリーマンや公務員からドライバー職に転職する人は多い?
公的な統計データにおいて、サラリーマンや公務員からドライバー職への転職人数を示すものは確認できないため、明確な結論は出せません。
ただし、厚生労働省の職業情報提供サイトによれば、ドライバー職に就く人の多くが高卒であり、若年層から直接入職する傾向があると見受けられます。
その点から考えると、サラリーマンや公務員からの転職は全体としては少数派と推測されます。
一方で、会社員時代の息苦しさや人間関係のストレスから、「1人で淡々と働けるドライバー職」を選ぶ人も少なくありません。
なかには、高収入を手放してまで転職を決断したエリート層もいます。
安定よりも自分のペースや自由を重視する人にとって、ドライバーは十分に魅力的な職業の1つといえるでしょう。
出典:
タクシー運転手|職業情報提供サイト 厚生労働省
宅配便配達員|職業情報提供サイト 厚生労働省
ルート配送ドライバー|職業情報提供サイト 厚生労働省
ドライバーに転職して「後悔した」と感じやすいポイント
ドライバー職への転職で後悔しやすいポイントは、「思っていたより◯◯だった」というギャップにありがちです。
ここでは、特にサラリーマンや公務員出身者が感じやすい代表的なケースを紹介します。
想像以上に体力を使う
ドライバー職は「座って運転するだけの楽な仕事」と思われがちですが、実際には想像以上に体力を使います。
荷物の積み下ろしや重い荷物を持って階段を上がる作業は日常的です。
例えば、約12kgのペットボトルケースを何度もエレベーターのないアパート4階まで運ぶとなれば、かなりの重労働になります。
天候や時間帯によって負担はさらに増し、長時間の運転で腰を痛めることもあります。
特にデスクワーク中心だった人にとっては、体への負荷の大きさに戸惑うこともあるでしょう。

稼げると思っていたのに手取りが少ない
「がんばり次第で高収入」と聞いてドライバー職に転職する人も少なくありません。
しかし、実際に働いてみると、ガソリン代・車両の維持費・保険料などの経費がかさみ、想像より手取りが少ないと感じるケースがあります。
サラリーマン時代のように福利厚生や年金・保険が整っている環境と比べると、自由に使えるお金、いわゆる可処分所得の差に戸惑う人も多いです。給与明細でいえば、「差引支給額」や「手取り」として記載される金額が可処分所得にあたります。
「収入の総額」ばかりに目を向けていたことで、実際に自由に使えるお金が少ないというギャップに後悔する人もいるでしょう。


自由な働き方のはずが、意外と拘束される
「自由に働ける」と期待してドライバー職に転職したものの、実際には想像以上に拘束されると感じる人も少なくありません。
特に軽貨物の業務委託契約では、時間指定の配送や指定エリアでの稼働が多く、自分の裁量で動ける場面は意外と限られています。
また、休みは実質的に日月のみなど、シフト制に近い働き方になるケースも多く見られます。
自由度の高さを期待しすぎると、現実とのギャップに戸惑い、「こんなはずじゃなかった」と感じやすくなります。
孤独とストレスのバランスが崩れる
人間関係の煩わしさから解放されると期待してドライバー職に就いても、長すぎる1人時間が孤独感を生み、新たなストレスとなることがあります。
特に未経験の場合、困ったときにすぐ相談できる相手がいない環境は不安が大きくなりがちです。
さらに、配達先での遅延到着などのミスに対して、お客様からのクレーム対応を1人で抱え込まなければならない場面もあり、その精神的な負担は決して軽くありません。
【ドライバー職別】転職して「後悔した」「失敗」の声
ここでは、実際にドライバー職に転職した方々が「後悔した」「失敗した」と感じた理由を、職種別に紹介します。
トラック運転手
トラック運転手は悪天候であっても業務が発生するため、天候に左右されない働き方を求めていた人にとっては想像以上に過酷に感じることがあります。
雨や雪の日も荷物の積み降ろしや長距離運転が必要になるため、体力的にも精神的にも負担が大きくなりがちです。
さらに、運送中に荷物を破損させてしまった場合、会社によっては弁償を求められるケースもあり、プレッシャーを感じやすい環境だと感じる声も見られます。

タクシードライバー
多くのタクシードライバーは歩合制で働いており、収入は乗車回数や距離によって大きく変動します。
安定した給与が得にくく、高収入を目指すには長時間の稼働が前提となるため、体力的にも厳しい面があります。
また、業務を通じて専門的なスキルが身に付きにくいという声もあり、将来性に不安を感じる人も少なくありません。
収入を上げるには、それ相応の覚悟と努力が求められる仕事といえます。

軽貨物(宅配)ドライバー
軽貨物(宅配)ドライバーは「自由な働き方ができる」と思われがちですが、実際には休みが取りづらく、9日連続勤務を求められる現場もあります。
さらに、辞めたいと伝えても、契約を理由にすぐ辞めさせてもらえないケースも少なくありません。
自由度に期待して転職した人ほど、現実とのギャップに悩みやすい仕事といえるでしょう。

ハイヤー・送迎ドライバー
ハイヤーや送迎ドライバーは、企業や施設と契約して利用者を送迎する仕事ですが、契約先の都合で突然契約解除されるリスクがあります。
特に介護送迎では、本来は専属ドライバーを雇うべきにもかかわらず、経費削減のため外部委託で対応しているケースも見られます。
こうした背景から、立場が不安定になりやすく、急な契約終了に振り回されることも少なくありません。

アテンダントドライバー(観光タクシー)
観光地で活躍するアテンダントドライバー(観光タクシー)は、華やかなイメージをもたれがちですが、実際は地域によって集客に大きな差があります。
東京や京都のような有名観光地とは異なり、地方では観光客自体が少なく、安定した収入を得るのが難しいことも珍しくありません。
また、新幹線の開通や観光ルートの変更といった小さな変化でも、客数や収入に大きな影響を受ける職種です。
地域経済や観光動向に左右されやすい仕事であることを、あらかじめ理解しておく必要があります。

バスの運転手
バスの運転手は公共交通を支える重要な役割を担っていますが、現場には厳しい現実もあります。
乗客数が少ないと、車内は寂しい雰囲気になり、会社側も赤字を抱えるリスクが高まります。
さらに、業界自体が昭和時代の古い体質を色濃く残しており、管理職から運転手へのパワハラが横行しているケースも報告されています。
時代に合った働き方改革が進みにくい現場も多く、理想と現実のギャップに悩む人が少なくありません。

ルート配送ドライバー
ルート配送ドライバーは、決まったコースを周るため安定して働けるイメージがありますが、実際には朝4時から夕方4時まで働くなど、長時間の肉体労働を求められるケースもあります。
荷物の積み下ろし作業も多く、体力的な負担を感じる人も少なくありません。
また、地場(近距離)の配送ルートでは単価が安いため、長時間働いても思うようには稼げないという悩みを抱える人も見受けられます。

ドライバーへの転職は「良かった」の声も多い?
ドライバー職への転職には、ポジティブな声も数多く見られます。
自由な働き方を実現できるかは、自分のライフスタイルに合うかどうかが鍵です。
良かったと感じるポイントには、例えば次のようなものがあります。
- 自分のペースで働ける
- 人間関係のストレスが少ない
- 働いた分だけ収入に反映される
自分に合った環境を選べば、満足度の高い転職が期待できるでしょう。

ドライバーに転職して後悔しやすい人の共通点
ドライバー職は自由度が高く魅力的に見えますが、イメージだけで転職すると後悔するケースも少なくありません。
ここでは、後悔しやすい人の共通点を具体的に紹介します。
「1人で気楽」だけを期待していた人
ドライバー職は基本的に1人での仕事が多いですが、常に「気楽」というわけではありません。
時間通りの配送や交通状況への対応、会社や取引先とのやり取りなど、プレッシャーを感じる場面も多々あります。
「誰にも干渉されない=楽」というイメージだけで転職すると、現実とのギャップに苦しみやすいでしょう。
稼げる=高収入と安易に考えていた人
ドライバー職は「がんばった分だけ稼げる」と言われますが、すぐに高収入になるとは限りません。
ドライバーが得られる収入は、距離や件数に応じた歩合制のため、未経験者は効率的に回るスキルが身に付くまで時間がかかるのが現実です。
「ドライバーは稼げる」という言葉だけを信じると、期待外れに感じるリスクがあります。
長時間労働や体力仕事に慣れていない人
ドライバー職は、長時間の拘束や重い荷物の積み下ろしなど、想像以上に体力を求められる仕事です。
運転そのものに加え、早朝から深夜まで続く勤務や天候に左右される過酷さに耐えなければなりません。
デスクワーク中心の生活に慣れている人ほど、負担の大きさに驚き、後悔する傾向があります。
ドライバー転職で失敗しないためのポイント
ドライバーへの転職後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。
勢いで転職先を決めるのではなく、事前の情報収集と比較検討を丁寧に行いましょう。
自分の適性に合った職種を選ぶ
ドライバー職にはさまざまな種類があり、どの職種が自分に合っているかを見極めることが重要です。
自分の性格やライフスタイルに合わせて選ぶことで、仕事のストレスを減らし、長期間続けやすくなります。
以下の表は、ドライバー職の種類ごとの特徴をまとめたものです。自分の強みや好みを反映させ、適切な職種を選びましょう。
ドライバー職 | 向いている人 |
---|---|
トラック運転手 | 長距離運転や体力仕事が得意な人 |
タクシードライバー | 人と接するのが得意で、臨機応変に対応できる人 |
軽貨物(宅配)ドライバー | 1人で黙々と作業したい人 |
ハイヤー・送迎ドライバー | 高い接客スキルがあり、人と接することが好きな人 |
アテンダントドライバー(観光タクシー) | 観光地を案内するのが好きで、人と交流するのが得意な人 |
バスの運転手 | 定時運行を守り、責任感が強い人 |
ルート配送ドライバー | 決められたルートを効率良くこなすのが得意な人 |
収入と経費のバランスを事前にシミュレーションする
ドライバー職の収入は、雇用形態(正社員・業務委託など)や給与体系(固定給・歩合制)によって大きく変動します。
特に業務委託の軽貨物ドライバーなどの場合、売上がそのまま手取りになるわけではありません。
ガソリン代、車両の維持費(購入・リース代、修理費)、各種保険料といった経費が自己負担となるケースが一般的です。
求人情報に記載されている収入例だけでなく、具体的にどのような経費がどれくらいかかるのかを事前に確認し、手元にいくら残るのかをシミュレーションすることが不可欠です。
「思ったより稼げない」という後悔を防ぐためにも、現実的な収支予測を立てましょう。

信頼できる業者・委託先を見極める
安心して長く働くためには、契約する会社や業務委託先が信頼できる相手かどうかを見極めることが重要です。
求人情報だけでは分からない実態もあるため、以下の複数の情報を比較・検討しましょう。
- 面談時に担当者の対応が丁寧で、質問に誠実に答えてくれるか
- 報酬体系の詳細(単価・支払日など)、拘束時間や休日取得の実態、福利厚生
- インターネット上の口コミや評判
これらの情報を総合的に判断し、労働条件の良い「ホワイト」な取引先を選ぶことが、後悔しない転職の鍵となります。
ドライバー職への転職相談はハコボウズの「キャリア相談へ」!
ドライバー転職で後悔しないためには、自分に合った仕事選びが重要です。
「どの職種が良いか分からない」「失敗したくないけど、どうすれば……」
そんなときは、業界に詳しいプロに相談するのが一番の近道です。
ここまでさまざまな情報をお伝えしてきましたが、実際に自分1人で最適な職種や働き方を見極めるのは簡単ではありません。
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