軽貨物ドライバーとして収入を得ていくのであれば、荷物の積み方にも気を遣うべきです。
とくにアマゾンフレックスでは、業務委託やほかの宅配とは異なる点があるため、仕事に慣れるまでに時間がかかる人や、うまく荷物が積めるようにならないせいで、配達そのものもなかなか上達しないという人も少なくありません。
今回は、アマゾンフレックスで配達する際の荷物の積み方や、荷物量が多い場合に実践したい積み方のコツについて解説します。
アマゾンフレックスで荷物の積み方が下手だとどうなる?
アマゾンフレックスにかぎらず、荷物の積み方は軽貨物の仕事を効率良く行ううえで重要なポイントです。
ここでは、荷物の積み方が下手な場合、どのような不都合が起きるかについて解説します。
配りきれずに未配になる
うまく荷物を積めないと、荷物を配りきれず未配を出してしまう可能性が高まります。
なぜなら、配達のスピードは荷物の積み方ひとつで大きく変わるためです。
荷物を積むのが上手な人は、届け先ですぐに荷物が取り出せるため、スムーズに配達できますが、荷物の積み方が下手な人は、目的地に着くたびに配達する荷物を探すことになり、1軒1軒の配達に時間がかかってしまいます。
たとえば、届け先についてから10秒程度で荷物を探せる人と、配達するべき荷物をどこに積んだのかわからず、2分も3分もかかってしまう人とでは、1時間あたり10個以上配達個数に差が出ることもあります。
その結果、時間内に荷物を配りきれなくなり、未配になる可能性が高くなるのです。
業務委託であれば配りきれないとわかった時点で周囲のドライバーに頼れるので、直接的に自分の評価が下がることはありません。
しかし、アマゾンフレックスでは何度も未配を繰り返すと、アカウント停止のペナルティを受ける可能性があるため、未配は避ける必要があります。
配達が遅延する
荷物の積み方が下手な場合、時間指定配達の遅延にもつながります。
荷物を取り出すのに時間がかかって配達ペースが遅くなると、指定の時間に間に合わない可能性が高くなるためです。
時間指定に間に合わない場合、このままのペースでは間に合わないとわかった時点で、時間指定なしの荷物をいったんスルーし、時間指定の荷物だけを配達していくような方法にシフトせざるを得ませんが、そのような配り方は実は非効率で、余計に配達スピードが落ちてしまいます。
かといって遅配になればクレームにつながり、何度もそれを繰り返せば、未配の場合と同様に、アマゾンフレックスではアカウント停止のペナルティの対象となるため、荷物の積み方には気を配る必要があります。
出庫が遅れる
荷物の積み込み方が下手な場合、車への積み込み作業そのものに時間がかかり、ステーションから出庫するのが遅れます。
出庫の遅れが原因で生じる問題は、配達のスタートが遅くなる分、配達に割ける時間が短くなること。
通常よりも配達時間が短くなったうえに、積み方が下手なせいでスムーズに荷物を見つけられないとなると、未配や遅配の可能性も高まります。
また、思うように配達が進まないことや、時間指定に間に合わない焦りから、誤配などのミスや事故につながるおそれもあります。
【初心者向け】アマゾンフレックスの積み方のコツ
アマゾンフレックスでは、「バッグ」にいくつか荷物がまとめられた状態になっており、それがロールボックスパレット(カゴ車)に入れられているため、業務委託をはじめとしたほかの宅配案件とは積み方が異なります。
そのため、軽貨物ドライバーを始めたばかりの初心者や、これまでアマゾンフレックス以外で宅配をしていた人は、どのように積めばよいのか戸惑うかもしれません。
ここでは、初心者がアマゾンフレックスで荷物を積む際のコツをご紹介します。
ほかのドライバーのまねをする
どのように荷物を積めばよいかわからない場合、もっとも手っ取り早い方法は、ほかのドライバーの積み方を見てまねることです。
ただし、実際に荷物を取り出しやすい、探しやすいと感じる積み方や積む場所は、人それぞれ異なります。そのため、ほかの人がベストだと思っている積み方が自分にとってもそうであるとはかぎりません。
どのような荷物の積み方が自分にとって合っているかは、結局のところ自分なりに試行錯誤していくしかないでしょう。
はじめのうちは何が正解かわからないかもしれませんが、自分がやりやすいと感じる積み方が自分にとっての正解です。自分が配達をしやすいと感じる荷物の積み方は、何度も配達を続けていくうちにスタイルが固まっていきます。
ほかの人の荷物の積み方を参考にしながら、自分にとってベストの積み方を研究しましょう。
バッグをバラさない
まだ配達に慣れないうちは、バッグの中身をバラしてから荷物を積むのはやめたほうがよいでしょう。
アマゾンフレックスではバッグに入った荷物と、バッグに入っていないバラの荷物があり、バッグには住所が近い荷物が15個前後入っています。
アマゾンフレックスでの配達には慣れていなくても、業務委託などで配達自体には慣れている人であれば、バッグがないほうがなじみ深いため、荷物をバラしても問題ありません。
しかし初心者は、自分なりのベストな積み方が固まっていないため、バッグをバラしてしまうと、荷物をどこに積んだのか自分でもわからなくなり、届け先に着くたびに荷物をひっくり返して荷室中を大捜索することになりかねません。
なお、バッグは青や緑、黒など色分けがされており、荷物がどの色のバッグに入っているかはアプリ上で確認できます。
そのため、たとえば「青のバッグはバックドア付近」など、自分でルールを決めておくと、荷物を探すのにそう苦労はしないはずです。
多少出庫が遅れても慌てない
前述のように、出庫が遅れると配達に割ける時間が短くなるため未配を出しやすくなります。
しかし、たとえ荷物を積むのに時間がかかって出庫が遅れそうでも、焦って積み込むのはおすすめできません。
なぜなら荷物の積み方が雑になり、自分でもどこにどの荷物を積んだのかわからなくなってしまうからです。
そうなると、自分が配達しづらくなるだけでなく、ドアを開けた際に荷物が落ちてしまったり、重い荷物が小さな荷物を潰してしまったりすることで、荷物を破損する可能性が高くなります。
ほかのドライバーがどんどん出庫していく中、自分だけがまだ積み込みをしているという状況になると、慣れている人でも焦るものです。
初心者ならばなおのこと、多少出庫が遅れても慌てず、荷物を丁寧に積み込むことが大切ですよ。
アマゾンフレックスの荷物量が多いときの積み方は?
アマゾンフレックスでは、配達する荷物の量がどれだけ多くても、荷室に積みきれない場合以外はバッグをバラさずに積み込むことをおすすめします。
バッグの中の荷物をバラした場合、よほど配達に慣れた人でないと、バラした荷物の中から目当ての荷物を探し当てることは難しく、余計に配達に時間がかかってしまう可能性があるためです。
積み方が下手な場合は、荷室の中で住所の遠い荷物が混合してしまいやすいため、なおさらです。
また、バッグに入っている荷物は、1つ1つの届け先をすべて読み込む必要がなく、バッグ単位で読み込めるため、バッグのまま積み込むことは積み込み時間の短縮にもつながります。
すべてバッグのままだと積みきれないという場合はバラさざるを得ませんが、その場合でもすべてバラすのではなく、いくつかバッグに入れたまま残すとよいでしょう。
アマゾンフレックスの荷物を積むときに注意したいポイント
これまで解説してきたように、アマゾンフレックスでは、荷物の積み方次第でその日の配達ペースが変わってくるため、荷物の積み方を工夫する必要があります。
ここでは、アマゾンフレックスで荷物を積み込む際に注意したいポイントをご紹介します。
助手席を有効に使う
荷物の積み込みの際は、空いている助手席もうまく使いましょう。
助手席には、時間指定の荷物や、ポスト投函用の荷物を置くといった使い方があります。
時間指定の荷物を助手席にまとめて置くと、積んだ荷物の中から該当の荷物を探す手間が省け、時間指定の荷物があることを忘れる心配もありません。
また、ポスト投函用の荷物は小さく、ほかの荷物と一緒に積み込むと荷室の中で行方不明になりやすいため、箱にまとめて助手席に置くと見失わずに済みます。
荷物を助手席に乗せすぎると視界が悪くなるため注意が必要ですが、助手席を上手に使うことで配達の効率を上げられます。
荷物をバラすかどうかはバッグの数で判断する
アマゾンフレックスのバッグはそのまま積むのが理想ですが、荷物量によってはいくつかバラす必要があります。
バッグをバラすかどうかや、バラすのであればいくつバラすかは、バッグの数で判断する必要があります。
たとえばバッグが6つある場合は、ひとつもバラさずにそのままバックドア付近に4つ積み込み、残り2つを荷室の前方に積むとよいでしょう。そのバッグの隙間を、もともとバラのままでロールボックスパレットに入っていた荷物で埋めていくイメージです。
バッグが7つまでであればバラさなくても上記の方法で積み込めますが、バッグが8つ以上ある場合はいくつかバラさなくては積みきれません。
その場合、はじめに回るエリアの荷物が入ったバッグをバラして最後に積み込むようにし、残りはバッグのまま積み込みましょう。そうすれば、荷物を探しやすく配達スピードも落ちません。
車両に不要なものを乗せない
配達に使う車両には、不要なものを乗せないようにしましょう。
アマゾンフレックスでは、荷室いっぱいに荷物を積まなければならないことが多く、配達時に不要なものを乗せていると、肝心の荷物がすべて乗らないためです。
そのため、自分の私物を含め、配達に不要なものは最小限にすることをおすすめします。
ただし、台車はマンションでの配達や重い荷物を運ぶ際に重宝するため、積むスペースが余っているのであれば積んでおいたほうがよいでしょう。
積み方の基礎を身につけるなら研修のある業務委託がおすすめ!
アマゾンフレックスでの荷物の積み方や、荷物量が多いときの対処法などを解説しました。
アマゾンフレックスでは業務に関するマニュアルはあるものの、研修制度は設けられていません。
また、先輩も積極的に教えてくれるわけではないため、結局は自力で学んでいくしか方法がなく、人によっては配達に慣れるまでに時間がかかる場合があります。
初めての稼働から20回目までの「ナーサリー期間」を過ぎても、満足に配達できるようになれず、未配や遅配を繰り返してしまう可能性があることを考えると、軽貨物未経験の人がいきなりアマゾンフレックスで働くのはハードルが高いといえるでしょう。
初心者の人におすすめしたいのは、まずは委託ドライバーとして配達の基礎を身につけること。
ほとんどの委託会社が研修制度をもうけているため、軽貨物が未経験の場合でも安心して始められますよ。