これから軽貨物の仕事を始めようとしている人の中には、「嘘だらけ」「騙された」といったネガティブな情報を見聞きし、不安になっている人もいるのではないでしょうか。
結論からいうと、その案件が「嘘だらけ」かどうかは、契約する運送会社によるところが大きいといえます。
たしかに、会社の利益だけを考えドライバーをないがしろにするような悪質な運送会社も一定数存在しますが、そのような会社ばかりではありません。
この記事では、軽貨物の「嘘だらけ」と言われる実態や「騙された」の声を紹介します。
悪質な運送会社に騙されないためのポイントについても解説しているため、ぜひ最後までご覧ください。
軽貨物の仕事は「嘘だらけ」って本当?
軽貨物の仕事は、ネット上で「嘘だらけ」と言われることがよくあります。
「嘘だらけ」と言われる理由は、収入面や業務内容などさまざまです。
たとえば、求人には「月収50万円以上可」と書かれているにもかかわらず、実際にはその半分も稼げなかったり、「軽い荷物ばかりで誰でもできる」という文言に惹かれて飛び込んでみたら、重い荷物が多く腰を痛めてしまったりといったことも珍しくありません。
ただし、軽貨物の案件すべてがこのように悪質というわけではなく、実際に月収50万円以上稼ぎ、充実した軽貨物ライフを送っているドライバーもいます。
「嘘だらけ」と感じる原因は、委託契約を結んでいる運送会社にあるケースが多いです。
「悪質な運送会社」と契約してしまっている場合、どれだけがんばっても稼げません。
「嘘だらけ」「騙された」などと思うことなくドライバーとして充実した日々を送るためには、クリーンな運送会社と取引をすることが大切です。
軽貨物は「嘘だらけ」「騙された」に関する実際の声
実際に軽貨物ドライバーとして働いている人はどのように感じているのでしょうか。
ここでは、軽貨物は「嘘だらけ」「騙された」に関する実際の声を紹介します。
委託軽貨物の仕事を始めてみたけど、最初の話と全然違う。契約前に年間で稼げる額を確認したにもかかわらず、実際はその金額より年間70万円少なかったり、昼休憩の時間がなかったり、始業の時間も規定では9時なのに実質8時だったり。もう辞めたいけど、「引き継ぐ人がいないから1カ月は続けてもらう」と言われてしまった。1カ月続けなければダメなのだろうか。
面接のときに、手取り30万円以上稼げると言われて、軽貨物ドライバーの仕事に就きました。しかし実際の仕事内容は薄く、手取りが10万円を切ることもありました。会社にどういうことかと聞いても「そんなに稼げない地域だとは知らなかった」「予想外だ」と言われるだけで、呆れるばかりです。
やはり、「はじめに聞いていたことと違う」と感じることがあるようです。
稼げないからといって、必ずしも契約している運送会社が悪質とはかぎりません。
軽貨物で稼げるかどうかはドライバー次第でもあるためです。
しかし上記の書き込みにもあるように、地域の問題で稼げない場合など、運送会社であればある程度予想すべきところができていないせいで稼げないとなると、運送会社に責任はないとはいえないでしょう。
このような目に遭わないためにも、契約する運送会社選びは慎重に行う必要があります。
【実態】軽貨物の仕事で実際にあった「嘘」
残念ながら、軽貨物の業務委託で「聞いていた話と実態が違う」と感じるケースは少なくありません。
具体的に、どのような騙されポイントがあるのでしょうか。
ここでは、軽貨物の仕事で実際にあった「嘘」を紹介します。
求人情報記載の月収例と実態が異なる
求人情報に記載されている月収例と実際の月収が異なることはよくあります。
ただし、それだけでは「嘘」とは言い切れません。
なぜなら軽貨物ドライバーの稼ぎには、ドライバー本人の実力が大きく関係するためです。
そのため、運送会社が嘘をついているのか自分の問題なのかを見極める必要があるでしょう。
たとえば、所属しているドライバーの中に求人情報に記載されていた金額以上稼いでいる人が何人もいるなら、実力不足の可能性があります。
軽貨物は誰でもできる仕事ですが、稼ぐためにはそれなりの経験が必要です。
始めたばかりで「稼げない」と感じているのであれば、もう少しがんばってみてもよいかもしれません。
しかし、ドライバーのほとんどが求人情報記載の月収例に届いていない場合は、荷物単価やロイヤリティなど、条件に問題があることが考えられます。
高額なロイヤリティを中抜きされた
聞いていたよりも高額なロイヤリティが取られていた、というケースもあります。
さらに悪質なケースになると、ロイヤリティについて一切説明がなかったということも……。
ロイヤリティとは、運送会社に支払う業務委託手数料のことです。ロイヤリティには固定金額型と、手数料率によるパーセント型があり、通常は報酬(売上金額)から引かれます。
(パーセント型の場合)ロイヤリティの手数料率相場は10〜15%といわれており、運送会社ごとに設定されています。
きちんと説明があった場合でも、ロイヤリティが相場と大きくかけ離れていると稼げるものも稼げません。
架空の経費や高額な違約金が発生する
不当な手数料や違約金、事前に聞かされていない初期費用などがあり、「騙された」と感じるパターンも少なくありません。
「不当な手数料」とは、何のために引かれているのかわからない手数料のことです。
たとえば自前のスマホを使用しているのに「端末使用料」、車両のメンテナンスを一切行っていないのに「車両メンテナンス費」など、架空の経費が天引きされていることもあります。
そのほか、誤配1回につき5万円の違約金が発生するなど、高額な違約金が設定されているケースもあります。
契約時に何の説明もなく、ミスをするたび違約金を求めてくるような場合は非常に悪質といえるでしょう。
不当に車両を販売された(内職商法)
不当に車両を購入させられる「内職商法」の標的になってしまうこともあります。
内職商法とは、軽貨物ドライバーに仕事を斡旋すると見せかけて、新車をローンで購入させるのが目的の詐欺です。
そのような業者は新車の購入を勧めつつ、「リースよりお得」「報酬ですぐに返せる」「購入すれば優先して仕事を回す」などの甘い言葉で勧誘してきます。
本当に仕事を回してくれるのであればまだよいですが、内職商法を行っている業者に限ってろくに仕事を回してきません。
回してもらえたとしてもたいした稼ぎにならないため、新車の購入を勧めてくる業者や新車購入が条件の案件は疑ったほうがよいでしょう。
業務内容が求人情報に記載されていたものと異なる
求人情報に記載されていた仕事内容と実態が異なることもあります。
たとえば、ルート配送を希望しておりルート配送の求人に応募したにもかかわらず、スポットの依頼ばかり割り振られるようなケースです。
働いているうちに方向性が変わってくるならまだわかりますが、はじめからまったく異なる仕事しかさせてもらえない場合は、あまり信用できる運送会社とはいえない可能性があります。
そもそも仕事を斡旋してもらえない
たくさん案件があるように装っておきながら、実際はまったく仕事を斡旋してもらえないケースもあります。
運送会社によっては、仕事を紹介してほしい旨を伝えても「個人事業主なのだから仕事がないときがあるのは当然」と言って取り合ってくれないこともあります。
このような運送会社の求人広告には、過度な表現が使用されていることが多いです。
たとえば「高収入!」「月収100万円以上可」などが挙げられます。
前述した内職商法を行っている業者も同じような傾向にあるため、「うますぎる話」は警戒したほうがよいでしょう。
実際の労働条件が聞いていたことと大きく異なる
以下のような労働条件が、実態とまったく異なるケースもあります。
- 労働場所
- 労働時間
- 休日
- 残業の有無
たとえば「週休2日」と説明を受けていたにもかかわらず、実際は人手不足を理由に週に1回も休ませてもらえないケースなどがあります。
ただし、軽貨物業界は人の出入りが激しく、ある日突然来なくなるドライバーもいるため、ある程度は仕方のないことともいえます。
任意保険を使わせてくれない
車両の任意保険が問題になるケースもあります。
車両の任意保険は、運送会社経由で加入できる場合とドライバーがそれぞれ自分で加入しなければならない場合とがあります。
運送会社の中には、会社経由で任意保険に加入し、保険料も報酬から天引きされているにもかかわらず、いざ事故に遭っても等級が下がることを理由に保険を使わせてくれない会社もあるため注意しましょう。
契約時には、ただ「任意保険に加入できる」という部分だけを聞いて安心せず、事故に遭った場合に保険を使わせてもらえるのかどうかも確認しておいたほうがよさそうです。
ろくに研修もせず初心者を1人で放り出す
研修やサポートなども、求人広告に記載されてる情報と実態とで相違が生じやすい部分です。
たとえば、求人広告には「研修あり」と書かれていたにもかかわらず、実際は研修と呼べるようなものはなく、はじめから1人で現場に放り出されるケースなどが挙げられます。
通常は、最低でも3日は経験者に横乗りしてもらい、配達の基礎を学びます。
経験者ならまだしも、初心者に対して研修ひとつしないということは、ドライバーを育てる気などなく、使い捨てのように考えているのでは?と予想できます。
そのほか、研修中も報酬が発生すると聞いていたところが、報酬が出なかったケースなどもあります。
業務委託契約なのに雇用に近い働き方をさせられる
個人事業主として業務委託契約を結んだはずが、個人事業主とは名ばかりで、実態は雇用に近いような働き方をさせられる場合も少なくありません。
シフトが決まっているなど、全体的に業務委託と雇用のボーダーラインはあいまいになりやすい傾向にあります。
しかし運送会社によっては、担当エリアを強制的に決められる、仕事の拒否権がないなど、より顕著なケースもあります。
そのような運送会社は、普段は雇用主のように振る舞うくせに、都合が悪くなると「個人事業主だから」「業務委託だから」といって責任逃れをする可能性があるため要注意です。
悪質な運送会社に騙されないためにすべきこと
軽貨物の仕事を心身健康に続けていくために必要なのは、良質な運送会社と契約することです。
しかし前章で解説したとおり、運送会社の中には悪質な業者も多く、騙されてしまうドライバーも少なくありません。
ここでは、悪質な運送会社に騙されないために取っておくべき対策を紹介します。
怪しい案件への応募を避ける
条件が良すぎる求人は疑ってかかったほうがよいでしょう。
嘘の広告である可能性が高いためです。
たとえば「月収100万円以上可!」「楽して稼げる」というような、「おいしすぎる」条件が並べられているような案件は見送ることをおすすめします。
応募するとしても、運送会社の評判や実態などをよく調べたうえで応募し、契約に進む前に気になることはすべて聞きましょう。
少しでも「信用できない」と感じる点があれば、やめておいたほうが無難です。
一方で、「ロイヤリティなし」「日当保証付き20,000円以上」「手厚いサポートあり」といった条件が本当の場合も存在します。
このような、「本当においしい」案件もあるので、常に業界のトレンドやニュースにはアンテナを張っておきたいところです。
契約書をよく確認し、納得してからサインする
契約書をよく読まず、安易にサインしてしまうことは危険です。
必ず隅々まで目を通し、納得したうえでサインしましょう。
サインを急かされたりその場ですぐ契約させたがったりするような場合、悪質な運送会社かも?と疑ってもよいでしょう。
その場での判断が難しい場合はいったん契約を保留させてもらい、契約書のコピーを弁護士などの専門家に見てもらうことをおすすめします。
信頼できる求人サイトで案件を探す
信頼できる求人サイトで案件を探すのもおすすめです。
優良な案件が揃っているサイトであれば、安心して案件を探せます。
ただ案件を探せるだけでなく、相談窓口が設けられていたり、運送会社の間に入って対応してくれたりするようなサービスがあると安心です。
とくに掲載内容のレギュレーションや求人案件の審査などがあるサイトは安全性が高い傾向にあるでしょう。
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軽貨物の「嘘だらけ」の実態や「騙された」声を紹介しました。
解説したとおり、軽貨物業界ではドライバーが憂き目にあうトラブルがあとを絶ちません。
しかし、軽貨物案件を扱っている運送会社がすべて悪質というわけではありません。
中には優良な企業や案件もあるため、甘い言葉に騙されず優良な企業・案件を探しましょう。
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