軽貨物運送業は、個人事業主が開業する際に、その始めやすさなどから人気の仕事ですが、業務委託契約を結ぶ場合、最初の会社選びが非常に重要です。
契約する会社によって報酬面や働きやすさなどが変わってくるため、悪徳業者と契約しないように注意しなくてはなりません。
この記事では、会社選びで重要となるポイントや悪徳業者の特徴などを解説します。
求人サイトを覗いても、どうやっていい会社を選べばいいか分からないという人はぜひ参考にしてみてください。
委託ドライバーにおすすめする軽貨物の会社の特徴
軽貨物運送業の会社はたくさんあり、大手から中小までさまざまな会社が存在します。
委託ドライバーとして働きたいならば、その中から優良な会社を選ばなくてはなりません。
この章では、おすすめできる軽貨物の会社の特徴を解説します。
面接時の説明が丁寧
求人サイトで会社を選んで実際に話を聞きに行ったとき、説明が丁寧な会社はいい会社が多いです。
特に事故を起こしたときの対応や、車両のリースの料金説明など、お金にかかわる部分を事前に包み隠さず話してくれる会社は、従業員とのトラブルを事前に防ごうとする、従業員を大事にしている会社だと言えます。
軽貨物の会社の中には給料明細すらきちんと渡さない会社も存在するので、従業員に対してルーズな対応をする会社を選ばないように気をつける必要があります。
手数料が少ない
運送会社と業務委託契約を結ぶ場合、中抜きと呼ばれる手数料を取られてしまいます。
手数料が少ない会社で働くことは、そのまま収入の高さに直結します。
手数料は、一般的には10~15%ぐらいですが、手数料が10%を切るような会社は良心的な会社であると言えます。
ただ、そういう会社を見つけるのは簡単ではないですし、相場に比べてあまりにも手数料が安すぎる会社は注意したほうがいいです。
また、手数料が安くても荷物単価が安ければ意味はないので、その辺のチェックも怠らないようにしましょう。
軽貨物の会社選びのポイント
業務委託契約の委託ドライバーとして働く場合、最初の会社選びは非常に重要です。
どの会社を選ぶかによって報酬面はもちろん、ストレスなく仕事を行えるかなどの精神的な部分でも違いが出ます。
簡単にコロコロと契約先を変えることはできないので、多少面倒な思いをしても、会社選びは慎重に、きちんと下調べをしてから行うようにしましょう。
この章では、会社選びで重要となるポイントを解説します。
報酬、料金の体系
報酬面は会社選びをするうえで最重要のポイントです。
求人サイトに書かれている「月50万以上稼げる!」といったような謳い文句をそのまま鵜呑みにすることなく、正確な報酬体系をきちんと理解しておくことが重要です。
報酬体系をきちんと理解しておくことで、その会社で実際にどれだけ稼げるのかある程度見当をつけることができます。
宅配便の場合は荷物を一つ配達すると〇円といった具合に、配った個数によって報酬が決まることが多いですが、なかには日給制や時給制の会社もあるので、そういった部分を事前に確認しておきましょう。
配送タイプ
軽貨物には、宅配便の他に、ルート便やスポット便などいくつかの働き方が存在します。
ルート便は決まったルートを決まった配送先に届ける安定感のある仕事で、スポット便は突発的に依頼が来る代わりに報酬が割高になるなど、それぞれで特徴があります。
同じ配送の仕事でも、どうせなら自分に合ったものを選んだほうがいいので、契約する会社を選ぶ際は事前に仕事の内容も確認しておくようにしましょう。
労働時間、残業の実情
委託ドライバーは長時間労働を強いられる場合が多いです。
拘束時間が1日に13時間あるような会社も多く、最初に想像していた以上の激務となる可能性があります。
その日担当した荷物を配り終えるまでは仕事を終われないという軽貨物の働き方により、思わぬ長時間労働となってしまうようですが、長時間労働が絶対に嫌だという人は、労働時間を細かい部分まで確認しておく必要があります。
実際に会社に話を聞きに行ったときに、平均的な仕事の時間や残業の実情などを細かく聞いておくべきでしょう。
手数料の割合や、事務費の請求、車両の貸し出し等で起こる料金
フリーランスドライバーとして軽貨物で働く場合は、全ての仕事を自分で行う代わりに報酬を全て自分が受け取ることができますが、運送会社と業務委託契約を結んだ場合、手数料などの料金を差し引かれてしまいます。
安定した仕事の紹介や、荷主との仲介など、運送会社と業務委託契約を結ぶメリットは大きいですが、そのぶん会社に中抜きが行われてしまうことを理解しておかなくてはなりません。
契約した会社の手数料の割合や、会社が行ってくれる事務費の請求金額など、自分がその会社に所属したことにより払わなければならないお金を事前に確認しておくことはとても重要です。
報酬が高くても手数料を多く取られては意味がありませんし、なかには手数料の名目で余分にお金を払わせようとする悪質業者もいます。
会社が車両の貸し出しを行っている場合は、貸し出しの料金や、メンテナンス費用の負担などの確認も必要になります。
後々のトラブルを防ぐためにも、こういった会社への支払いが起こるケースを事前に全て確認しておくようにしましょう。
こんな会社はやめとけ!契約してはいけない軽貨物の会社の特徴
軽貨物運送業の会社はたくさんあり、中にはブラック企業とも言えるような委託ドライバーにとっては「ハズレ」となる企業も存在します。
「軽貨物はやめとけ」とネットで目にしたことがある人もいるかもしれませんが、これは軽貨物業界にも存在するブラック企業の影響も大きいです。
ブラック企業と契約してしまうと、報酬の支払いが遅かったり、よくわからない理由で頻繁に手数料を請求されたりなど、ドライバーの大きな負担となってしまうので、こういう企業と契約しないように気をつけなくてはなりません。
この章では契約してはいけない軽貨物の会社の特徴を紹介します。
連絡が遅い。面接の場所が会社じゃない。
求人サイト等で会社を選び、連絡をした場合、その会社がどのような対応をするかもきちんと見ておくべきです。
業務委託契約といえど、一度契約してしまうとなかなか辞められないものなので、こちらが応募した際の相手の対応をきちんと見ておく必要があります。
例えばこちらがメールで連絡を行ったときに、やたらと返信が遅かったりすれば注意が必要です。
どの仕事でも言えることですが、契約相手とのコミュニケーションを疎かにする会社はいい加減な仕事をしている場合が多いです。
その他にも、面接の場として指定された場所が会社ではなく、ファミレスなどを指定された場合なども注意した方がいいでしょう。
会社の雰囲気を確かめるためにも実際に会社の中を見ておくのは重要ですし、会社以外の場所を指定するということは何かしら後ろめたい事情があるのかもしれません。
このように、報酬面などの数字で分かりやすく判断できる部分以外にも、自分の目で見て確かめたほうがいい部分もあります。
手数料分のサポートをしない
先ほども解説しましたが、業務委託契約を結んで委託ドライバーとなった場合、所属する会社には手数料を払わなくてはいけません。
払った手数料の分、会社からのサポートを受けられることが委託ドライバーのメリットなのですが、なかには手数料を取るだけ取って、きちんとしたサポートを行わない会社も存在します。
自分に急用が出来たときに代走を一切出してくれない、荷主との仲介を一切行わないなどの会社は注意した方がいいでしょう。
報酬の支払いが遅い。もしくは支払いが行われない。
軽貨物業界では報酬の支払いが遅いという状態が意外とよく見られます。
しかし決まった給料日に決まった給料を支払うというのは常識ですし、それが滞るということは、怠惰な会社であるか、経営が苦しい会社である場合が多いです。
あまりにも頻繁に支払いの遅延が起こったり、長期間の未払いが起こる会社は、早めに見切りをつけて別の会社と契約したほうがいいでしょう。
年中求人を出している
悪質な業者は人の入れ替わりが激しいです。
会社に入ってみたら聞いていた話と全然違ったということに気づき、頻繁に人が辞めていくからです。
そのため悪質な業者は年中求人サイトに求人を掲載しています。
余りにも長く求人サイトに掲載を続けているような会社は注意したほうがいいでしょう。
稼げる会社はいい会社?
軽貨物で会社選びをする上で、多くの人が最も重要視する点はやはり報酬面だと思います。
そのため報酬の高い稼げる会社から選んでしまいがちですが、相場と比べて余りにも報酬が高かったり、手数料が少なかったりする会社は警戒してしかるべきです。
うまい話には必ず裏があるもので、高い報酬を提示して人を呼び寄せて実際に働いてみると話と全然違ったというような悪徳業者も残念ながら存在します。
これまでにお伝えしたような、会社選びのポイントや、悪徳業者の特徴を照らし合わせて、慎重な会社選びをすることをおすすめします。
軽貨物の仕事は軽貨物専門の求人サイトで探すのがおすすめ
軽貨物で業務委託契約を結ぶ際には、軽貨物専門の求人サイトで会社選びをするのがおすすめです。
総合的な求人サイトに比べ、軽貨物に特化しているため、希望の案件が見つけやすく、報酬例が明確に記載されているため、スムーズに会社選びが行えます。
これまでにも何度もお伝えしましたが、委託ドライバーとして働くならば最初の会社選びが非常に重要です。
確認すべき点はきちんと確認して、後悔の無い会社選びをしてくださいね。