軽貨物ドライバーの仕事で、切っても切れないのは「アマゾン」です。近年、アマゾンからの軽貨物配送の依頼が増加しており、軽貨物ドライバーの需要も高まっています。
さらに、アマゾンからの直接契約となる「アマゾンフレックス」という制度も軽貨物ドライバーの働き方の選択肢として出てきているのはご存知でしょうか。
本記事では、
- アマゾンフレックスの登録方法
- アマゾンフレックスの配送業務の流れ
- アマゾンフレックスのメリットとデメリット
を詳しく解説していきます。
アマゾンフレックスとは?
アマゾンフレックスとはアマゾンで取り扱っている商品のみを配送するシステムです。ドライバーとアマゾンが直接業務委託契約を結び、個人事業主として、配送業務を行います。
上記の画像の通り、自分でスケジューリングして、配送業務を行うことができます。収入も受け取りも配送を行ったブロックごとなので、自分の力量や働ける時間を合わせて業務をすることが可能です。
アマゾンフレックスで働くドライバーは増加傾向
昨今、アマゾンフレックスで働くフリーランスの軽貨物ドライバーは増加傾向となっています。アマゾンフレックスの最大の強みは「隙間時間に働ける」ということです。
2019年2月に施行された労働基準法の改正でドライバーの労働時間も大きく変わりました。今まで、働いた分だけ賃金をもらってきたドライバーですが、労働基準法が変わり下記のようになりました。
施行前:13時間以上/1日+残業時間が60時間/月 ※運送業の平均残業時間
施行後:13時間/1日(最高でも16時間)※休息時間は8時間
厚生労働省:トラック運転者の労働時間等の改善基準のポイント
労働基準法の改正により、フリーランスドライバーを含めた多くの軽貨物ドライバーの労働時間は大幅に削減されました。しかし、逆に一般的なドライバーは好きな時間、働けなくなってしまいました。
そして生まれたのが、隙間時間です。その隙間時間を使ってアマゾンフレックスを始めるフリーランスドライバーが増えてきました。
また、2020年から流行した新型コロナウイルスの影響で、アマゾンやECサイトを通しての荷物が急増。それにより、個人ドライバーも増えたことも要因のひとつです。
アマゾンフレックスのドライバー登録方法
では、アマゾンフレックスの登録方法はどのようにすればいいのでしょうか。
4つの手順があるので、順に解説していきます。
- 条件事項を確認する
- iPhoneまたはandroidのスマートフォンを持っている
- 登録資格のある車両を準備する
- アプリを通しての、登録方法
条件事項を確認する
まず、アマゾンフレックスで働くための条件をクリアしているかを確認しましょう。
確認事項は下記の通りです。
- 年齢が20歳以上である
- 普通⾃動⾞免許を保持している
- スマートフォンを所持している
- 自分名義の事業⽤⿊ナンバー軽貨物車両を所有している
- 任意保険(対物1億円以上、対⼈無制限)に加入している
上記5つの事項は必須の条件なので、アマゾンフレックスを始める際は必ず確認しておきましょう。
また、黒ナンバーを取得するためには各県にある運輸局に届け出を提出する必要があります。
黒ナンバーを取得するための手続きについては、以下の記事で詳しく解説しています。
iPhoneまたはandroidスマホを持っている
アマゾンフレックスを始めたいドライバーはiPhoneまたは、androidのスマートフォンが必要になります。
なぜなら、iPhoneまたはandroidのスマートフォンからアマゾンフレックス専用のアプリをダウンロードし、使用しなければならないからです。
今の時代、スマートフォンを持っていないドライバーは少ないですが、所持していない場合はiPhoneかandroind端末を手に入れましょう。アマゾンフレックスだけでなく、配送業務をする上でも便利なので、買って損はないです。
登録資格のある車両を準備する
アマゾンフレックスの配送業務を始めるにあたって、車検証上の使用者名義が自身の軽貨物車両が必要になります。
軽貨物車両のレンタル・リースについては、アマゾンフレックスがオプションプランとして用意しています。
もちろん自分で車両を用意しても問題ありませんが、そちらもぜひ確認してみてはいかがでしょうか。
アプリを通しての、登録方法
アプリをダウンロードしたら、早速登録をしてみましょう。登録方法を画像付きで解説していきます。
まずはAppstoreかandroidのGoogle Playストアからアマゾンフレックスをダウンロードしてください。
アマゾンフレックスのアプリをダウンロードし、アプリを開くと、アマゾンのアカウントでサインインするかアカウントを作成するかの画面になります。
アカウントを持っている方はそのままログインして、持っていない方は作成しましょう。
アマゾンのアカウントを持っていない方はアカウントを作成しましょう。
登録をすると、入力したメールアドレスに認証コードが送付されるので、認証コードを入力しましょう。
希望する配達エリアを選択しましょう。
アマゾンフレックスの配送業務を行うにあたって、必要書類の一覧を見ることができます。この画面で、どんな書類が必要か確認をしましょう。
全て準備できている場合は、続行ボタンを押してください。
個人情報を入力しましょう。
各項目をクリックして確認していきます。
軽貨物車両で配送業務をする場合、入らなくてはいけない保険が記載されています。確認し、全てにチェックを入れましょう。
各書類をスマートフォンで撮ってアップロードしましょう。
報酬が振り込まれる口座の入力をしてください。
アマゾンフレックスの業務内容の動画を観ることになります。全部で7つありますので、全て観ましょう。
過去7年間の犯罪歴を確認するための身元調査の画面になります。なければ、いいえを選択しましょう。
以上で、登録は終了となります。登録後は、アマゾンフレックスから審査され、返答待ちとなります。審査に合格すれば、登録完了です。
アマゾンフレックスの配送業務
アマゾンフレックスの仕事は非常にシンプルな業務です。
以下では、実際に業務を開始するまでの流れを解説していきます。
①:エリアを選択
最初にすることは、自分の配送エリアを選択することです。やり方としては下記の通りです。
- アマゾンフレックスのアプリを開く
- 自分の担当するブロックを検索
- 配達ブロックのオファーの一覧を見る
- 業務を行う配達ブロックを予約
オファーを見る際は、業務を行う時間、そして業務を行った後でもらえる金額が記載されています。
この2つを確認し、担当したい配達ブロックを予約することをおすすめします。あとは配達日に指定されたアマゾン配達ステーションに行くように指示があります。
②:業務を開始
業務開始当日、指定されたアマゾン配達ステーションに向かいましょう。アマゾン配達ステーションで受付をし、自分の担当ブロックの商品を積み込み、配送という流れです。
- 自分の担当するブロックの商品をアプリでスキャン
- 商品を車両に積み込む
- アプリが指示するルートに従い、配送を行う
業務としてはシンプルです。
基本的に積み込みを行う際、ドライバーの検品が必要になりますが、アマゾンフレックスの配送業務の場合は商品のバーコードをアプリでスキャンして検品終了となります。
後は商品を車両に積み込んで、アマゾンフレックスのアプリが指示するルート順に配送を行うことになります。
③:業務が終了したら報酬を受け取る
業務が終了したら、アプリ上で終了報告を行います。その後、 報酬を受け取るという流れです。
報酬については、アマゾンフレックスで登録した口座に振り込まれる仕組みになっています。また、業務を行った翌週以降に振り込まれるシステムです。
アマゾンフレックスで配送を始めるメリット
アマゾンフレックスは、最先端のITツールを活かした物流システムですが、当然メリットとデメリットも存在します。
まずはメリットを解説します。
- 隙間時間に仕事ができる
- 固定収入を得ることができる
- とにかく自由
隙間時間に仕事ができる
アマゾンフレックスのメリットは「隙間時間」に仕事ができる、ということです。
配送業務において、忙しい時期と時間に余裕のある時期があります。その余裕のある時期にアマゾンフレックスの仕事を入れて、配送業務を行うドライバーも存在します。
隙間時間に仕事ができて、自分でできるか選ぶことができる。仕事をしたいフリーランスのドライバーにとってはうってつけのサービスになります。
固定収入を得ることができる
アマゾンフレックスの強みは「アマゾン」という企業の看板です。誰もが知っているアマゾンいうECサイト。世界、日本でもNo.1の受注数になります。
そのため、アマゾンフレックスの配送業務をしているフリーランスのドライバーも安定した収入を得ることが可能です。担当したブロックごとに支払われるので、金額も固定されています。
1日2ブロック(5時間程度の1ブロック)×22日稼働の場合
出典:アマゾンフレックス
2万370円×22日=44万8140円
1日2ブロック(4時間程度の1ブロック)×22日稼働の場合
1万6296円×22日=35万8512円
1日1ブロック(4時間程度)×22日稼働の場合
8148円×22日=17万9256円
エリアによっては金額の差はありますが、22日間を4時間働いただけでも20万円近くの収入を得ることができます。そして、10時間ほど働いたら、44万円は稼ぐことは可能です。
上記の金額はドライバーにとって、隙間時間で稼ぐため、そして安定した収入が欲しい人にとっては十分な金額ではないでしょうか。
とにかく自由
アマゾンフレックスの配送業務は以下の通りとにかく自由です。
- 服装は自由
- 個人で働くことができる
- 時間を自由に選べる
運転できるスキルと車両さえ調達できれば、誰でもできる業務です。また、アマゾンの配送では「置き配システム」があります。
置き配とは、ドライバーがお客様に商品を受け渡すことなく、玄関やガスメーターボックスに置いていっていいというシステムです。
このシステムはお客様が選ぶことができ、昨今問題となっている「再配達」が激減しました。
このように、アマゾンフレックスの業務は、自由にストレスなく配送業務を行うことができます。
アマゾンフレックスで配送を始めるデメリット
次にアマゾンフレックスのデメリットの部分を解説します。
- 細かい荷物が多いため、体力がない人は厳しい
- 配達中の「経費」は自己負担
- 収入が頭打ちしてしまう
細かい荷物が多いため、体力がない人は厳しい
アマゾンの商品は大小様々な種類があります。エレベーターのないマンションの3Fや4Fに、飲料などの重たい荷物を運ぶことも当然あります。
そのため、ある程度の体力がないと業務は務まりません。
セール期間などは荷物量が増加し、多い時は200件以上の商品を配送します。したがって、体力の自信がない人はきつい業務になるでしょう。
配達中の「経費」は自己負担
アマゾンフレックスの配送業務中、道路に停車することができず、駐車場に止めたとしましょう。
一般の会社であれば、「経費」として会社に請求できますが、アマゾンフレックスは個人との契約になるので、駐車場代などの料金は自己負担になります。また、車両のガソリン代も自己負担です。
したがって、アマゾンフレックスを行う場合は、経費を計算して、配送業務を行う必要があります。
収入が頭打ちしてしまう
アマゾンフレックスは固定された収入を得ることができます。
しかし、各エリアやブロックごとに単価は決まっているので、どれだけ配送業務を行っても結果として収入は変わりません
一般の会社であれば、昇給や結果を残せば役職のポストが与えられて、給料が上がりますが、アマゾンフレックスは昇給がないので収入が頭打ちしてしまいます。
アマゾンフレックスの体験談を紹介
アマゾンフレックスの実際体験した声を聞いてみましょう。以下はtwitterからのアマゾンフレックスを体験したドライバーの体験談になります。
・個人事業主でドライバーです。最近はドライバーの数も増えてきてます。まず安定した収入となると如何にして良い荷主と委託契約が出来るかにつきますね。
出典:twitter:アマゾンフレックスの体験談
アマゾンフレックスですがあくまでもフレックス制ですので副業としてなら良いかと思います。
・アマゾンフレックスのメリットは自由に仕事ができるのは魅力です。自由な時間を有効に得る事ができ、働く土地も選ぶことが可能。旅行がてら他の地域に行って配達することも可能になります。働く時間も時間制で時間外は配達しなくても良い。バック仕分け作業がなく、積込も10分で完了な点が魅力です。
まとめ
アマゾンフレックスは好きな時間に仕事ができて、収入も決まった金額でも良いのであればおすすめな働き方でしょう。
月収から見てもフルタイムで働けば45万ほど稼ぐことは可能で、隙間時間を使っても20万近くはお金を稼ぐことはできます。
しかし、会社に属しているのと違い、給料は頭打ちでボーナスはありません。また、安定して仕事を確保できないといった悩みもあるようです。
外資系企業が母体ですので、いきなり経営方針が変わりリストラにあうということも考えられるので、メリット・デメリットをしっかり把握した上で、働き方を選択していくことをおすすめします。