軽貨物ドライバーの仕事をしていると、「個建て」と「車建て」という言葉をよく耳にします。
普段の生活では使わない言葉なので意味が分からないという方もいるでしょう。
ですが、お金にまつわる話なので、軽貨物ドライバーの仕事をしていく上でしっかりと理解しておく必要があります。
今回は、以下の2点を中心に詳しくご説明していきましょう。
- 「個建て」と「車建て」の違い
- 「個建て」と「車建て」のメリットとデメリット
「個建て」と「車建て」の意味の違い
運送業界で使われる「個建て」や「車建て」といった言葉。
なかなか普段の生活では使わない言葉なので、意味や違いが分からないという方も多いのではないでしょうか。
「個建て」や「車建て」の意味の違いも明確にしながら、「個建て」や「車建て」についてご説明していきましょう。
両者の共通点も明示することで、両者の違いがより鮮明になるのではないでしょう。
「個建て」とは
「個建て」の読み方は「こだて」です。
ちなみに通い箱とは2つ以上の場所を行ったり来たり輸送する際に、運ぶ箱も循環させながら使うことが多く、その際に使用する箱のことです。
「車建て」とは
「車建て」の読み方は「しゃだて」です。
また、1回限りのスポット配送と、定期的なスポット配送でも「車建て」は変わってくるのが一般的になっています。
「個建て」と「車建て」の共通点
「個建て」と「車建て」の共通点は輸送費用の考え方という点です。
輸送費用を考える場合、荷主は「個建て」にする方が得なのか「車建て」にする方が得なのかを検討します。
意味が違う!「個建て」と「車建て」の双方のメリットとデメリットとは
「個建て」と「車建て」のメリットとデメリットについてご紹介していきましょう。
どちらが良いというわけではなく、双方の良い点や悪い点をしっかりと頭の中に入れておくことで、より軽貨物ドライバーとして効率よく稼いでいくことができるのではないでしょうか。
「個建て」のメリット
「個建て」のメリットについては主に2点あるといわれています。
- 簡単にコストを計算できる点
- コストや経営をスリム化させやすい点
上記の2点について、詳しく説明していきましょう。
簡単にコストを計算できる点
荷主は配送していく箱1つあたりの金額で計算していけるため、「配達個数×1箱の配送料」で簡単にコストを計算していくことができます。
配送の依頼を受ける軽貨物ドライバーは収入を簡単に上記の式で計算できるのもメリットです。
コストや経営をスリム化させやすい点
上記でも述べたように、軽貨物ドライバーも収入を計算できるので、赤字にならないような配送経路を事前に考えたり、決まった個数なので荷量の監視も最低限で済んだりします。
よって、余計なことに使う時間のコストがかからないです。時間というコストを下げることで、その時間で他のことに力をいれられるため、より稼いでいくこともできます。
「個建て」のデメリット
荷主にとって、「個建て」は、割高になってしまう配送の仕方です。
配送会社への配送料の交渉をしないと、依頼する荷物の量を減らさないとコストダウンにならないため、思った量を送れないということもでてきます。
逆に、荷物量が増えるほどコストも膨れ上がるので、どのくらい送るのかといったことを考えなくてはなりません。
どのくらい送るのかを考える時間がもったいないと判断した場合、配送会社の提示した金額に乗ってしまいコストが増えるということが生じてしまいます。
うまくいけば、高収入が軽貨物ドライバーに入ってくる「個建て」ですが、交渉力が必要になるため、経験や妥協点をうまく見つけるといった能力が求められますので気をつけてください。
「車建て」のメリット
「車建て」には「車建て」のメリットがあります。
以下の5点のメリットが一般的です。
- コストを下げた配送の依頼が可能
- 複数の配送経路を組み合わせてもコストを低くできる点
- 荷主も軽貨物ドライバーもコスト意識が持てる点
- 規模のメリットを得られる点
- 載せられるだけ載せておくれるので割安に配送可能な点
上記の5点のメリットについて、それぞれ詳しくご紹介していきましょう。
コストを下げた配送の依頼が可能
先ほどご紹介した「個建て」と比べると「車建て」は安く配送できることが多いです。そのため、荷主にとってはコストダウンができます。
ですが、荷主からは喜ばれる配送方法になるため、仕事を得られる可能性が上がるというメリットもあります。
複数の配送経路を組み合わせてもコストを低くできる点
例えば、A地点からC地点まで荷物を運びたいときに、B地点で他のD地点からの荷物と合流させて運びたいということも荷主側の事情であるでしょう。
この場合、「個建て」ですと、すべての配送のコストが高くなってしまいます。
ですが、「車建て」だと、荷物ではなく車に対しての配送料になるため、「個建て」と比べて割安で運んでいくことが可能です。
軽貨物ドライバーの側も、収入は減ってしまいますが、経由地までや経由地からの細やかな配送料の計算をしなくて済むため、事務作業に時間を取られず、荷物の管理と配送だけに注力できます。
荷主も軽貨物ドライバーもコスト意識が持てる点
車1台に対しての計算になるため、荷主側は効率的にかつより多く荷物を運ぼうとするでしょう。軽貨物ドライバーの側も引き受ける荷物の量などを考えないと割りに合わない仕事になってしまいます。
よって、荷主も軽貨物ドライバーも両者ともがコストに対して強い意識を持たないと、win-winの関係になれません。荷主と軽貨物ドライバーの双方がコストの意識をより高められ、事業の効率化を進めていくことができます。
規模のメリットを得られる点
荷主側も軽貨物ドライバー側も規模のメリットが得られます。荷物に対する配送料ではなく、車体に対しての配送料になるので、コストを抑え荷物をより多く運ぶことが可能です。
例えば、AからC地点に荷物を運びたい場合、B地点で中継してD地点からの荷物を運ぶということができ、A地点やC地点の周辺の荷主だけでなく、B地点やD地点、またはBやD地点よりも前のEやFといった地点周辺の荷主からの依頼も受けられます。
そういった事業の拡大が自然と起こり、結果規模のスケールを軽貨物ドライバーは得られるでしょう。荷主の方もより広範囲に運ぶことができるため、柔軟な配送戦略で事業を営めます。
載せられるだけ載せておくれるので割安に配送可能な点
荷主側の最大のメリットなのではないでしょうか。
「車建て」のデメリット
「車建て」にもデメリットがあります。それは、荷物の量が少ない場合には荷主が「個建て」よりも割高な配送料がかかる可能性が高い点です。
この場合、「個建て」に変更するために配送料を計算し直したり、依頼する荷物の量の調整といった時間がかかったりして非効率になることもあります。
また、必然的に安く多く荷物を運ぼうとするため、荷主も軽貨物ドライバーも荷物の監視に手間がかかり、時間や労力を浪費してしまう可能性も出てくるでしょう。
荷物の量や監視、広範囲な経路設定に時間も人手もかかってしまうので、気をつけなければなりません。
まとめ:「『個建て』と『車建て』の違いやメリットデメリットをしっかりと確認して仕事をしていこう!」
「個建て」と「車建て」の違いやメリット・デメリットについてご紹介していきました。
普段の生活ではあまり使わない言葉なので、意味が分かりにくいと感じる方もいるかもしれませんが、軽貨物ドライバーの業務をしていく上で大切なお金の考え方なので、しっかりと理解しておきましょう。
メリットとデメリットを比べて、どちらの業務形態の方がより稼げるのかを考えながら軽貨物ドライバーの仕事をしていくことが、高収入につながるので気をつけてください。
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