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配達中の駐禁についてまとめ。「おかしい」という意見も?

配達業務中、駐車違反を避けられずに困っている軽貨物ドライバーの方は多いのではないでしょうか。限られた時間で効率よく配送をこなす必要があるなか、駐車スペースがないエリアでの取締りは軽貨物ドライバーの悩みの種です。

「業務上の停車なのに駐禁をとられるのは理不尽だ」と感じるドライバーも多く、こうした声を受けて、配達中の車両に対する駐車規制の一部見直しや駐禁対策の工夫が求められています。

この記事では、配達中に駐車違反となる条件や最新の法改正内容、効果的な駐禁対策も紹介します。ぜひ参考にして、安全で効率的な配達に役立ててください。

目次

【前提】配達中でも駐禁はとられる

結論から言うと、配達中の車両でも駐車禁止違反の切符が切られます。道路交通法で「駐車禁止」となる条件が明確に定められており、配達のための一時停車であっても、条件に該当すれば取締りの対象となります。

以上の内容を前提に、ここからは駐禁に該当する条件を説明します。

駐車違反になる条件

道路交通法に基づき、以下の場所で駐車すると違反となります。

  • 駐停車禁止の標識がある場所
  • 交差点、横断歩道、自転車横断帯内と端から5m以内
  • 踏切内と端から前後10m以内
  • バス停・安全地帯から10m以内
  • 軌道敷内
  • 道路の曲がり角から5m以内
  • 道路工事区域から5m以内
  • 坂の頂上付近・勾配の急な坂の上やトンネル内
  • 消火栓から5m以内
  • 車庫出入口3m以内

このほかにも、駐車禁止の区域や条件はさまざまに定められており、該当する場所での駐車・停車車両は取締りの対象となっています。配達中の車両も例外ではありません

出典:指定・法定の駐停車禁止場所(道路交通法第44条第1項)|北海道警察

参考:駐車禁止除外指定車標章とは

特定の条件を満たした車両に対して、駐車禁止区域での一時的な駐車を認める許可証です。公共性の高い車両や、社会生活上どうしても必要とされる車両が交付対象となります。たとえば、医療機関の救急車や、訪問介護に向かう車両、配達業務を行う一部の車両などが該当します。

配達中や緊急時の停車が許可される場合がありますが、標章の交付を受けるためには所定の手続きや条件を満たす必要があります。

参考:
特定の業務に従事する車両に対する除外指定車標章の交付について|愛知県警察
除外対象車両一覧|埼玉県警察

駐車禁止除外指定車標章は配達中の車両に適用される?

駐車禁止除外指定車標章は、緊急車両や福祉車両など公共性が高く、特別に駐車が許可される必要がある車両に対してのみ交付されます。

通常の配達業務で使用される軽貨物車や一般の配送車両は対象外であり、駐車禁止区域での停車が認められません。

この点を理解し、駐車禁止にならないよう対策する必要があります。

配達中に駐車違反をとられるデメリット

顧客に荷物を配達することで収入を得る軽貨物ドライバーにとって、駐車違反をとられるデメリットは大きいです。最悪の場合、配達業務自体が行えない状態にもなりかねません。

軽貨物ドライバーが駐車違反をとられるデメリットは以下のとおりです。

反則金をとられる

軽貨物ドライバーが配達中に駐車違反をとられると、反則金の支払いが必要となります。金額は場所や違反内容によって異なりますが、頻繁に違反をとられると大きな負担となります。

違反点数が加算される

駐車違反をとられると運転免許証に違反点数が加算されます。

累積点数が増えると免許停止や免許取り消しのリスクが高まります。免停により配達自体行えなくなる可能性があり、とくに注意が必要です。

運転免許証のグレードが落ちる

違反を重ねると、ゴールド免許がブルー免許になるなど免許のグレードが下がり、次回更新時に任意保険料が上がります

配達中に駐禁をとられたら、反則金は自腹で払う?

配達中に駐車違反をとられた場合、その反則金は基本的に配達員の自己負担となります。

道路交通法上「運転者が自らの行為に対して責任を負う」として運転者の責任となるためです。使用者として企業が違反金を払うケースは少なく、ドライバーが自腹で支払うのが現状です。

出典:道路交通法|e-Gov 法令検索

配達中の駐禁は「おかしい」に関する実際の声

実際に配達中の駐禁に「おかしい」と感じている人はいるのでしょうか。

ここでは実際にSNSに投稿された声を紹介します。

実質的に通行の妨げにならない場所に停車中の車両が、駐禁を切られているケースが投稿されています。配達中である車両に対し、駐禁を切ることに関しては「おかしい」と感じている人が多いのではないでしょうか。

容赦なく取締りを行う姿を見て、駐車監視員の取締り件数を稼いでいるのでは?といった声も上がっています。

配達に携わる方々は、業務中の駐禁に対し理不尽さや矛盾を感じているのが見てとれる投稿が少なくありません。

出典:「こりゃ物流コスト上がるわなぁ」駐車監視員の容赦ない取り締まりが話題、SNS法改正求める意見も|神戸新聞NEXT

配達中の駐禁は「おかしい」とドライバーが感じる理由

配達中の駐禁に対してドライバーが「おかしい」と感じる理由は、業務上の必要性があるにもかかわらず、駐車スペースが不足していることにあります。とくに都市部では、限られた時間で効率よく配達するために、やむを得ず路上駐車するケースが多いのが現状です。

違反金の支払いが自己負担になることも多く、経済的な負担増や免停へのリスクが増すため、不満が高まります。

配達中の駐禁に関する法改正は行われている?

2024年11月現在、配達車両の駐車禁止に関する具体的な法改正は行われていません。

しかし、昨今の配達需要の増加や運送事業者等からの要望を受け、配達車両の駐車に対して規制緩和の取り組みが進んでいます。ここでは警視庁による駐車規制見直しの取り組みを紹介します。

貨物車両の駐車規制緩和・貨物車専用駐車枠の設置

各都道府県では、運送事業者の要望箇所に貨物車専用の駐車スペースを設置しています。

貨物車専用の路面表示や標識により区切られたスペースに、配達車両を駐車できます

現在、東京都で貨物車専用のスペースが設置されているエリアは、以下の通りです。

エリア設置数
千代田区、中央区、港区26ヵ所
品川区、大田区9ヵ所
世田谷区、渋谷区13ヵ所
新宿区、中野区、杉並区7ヵ所
文京区、豊島区8ヵ所
北区、板橋区、練馬区23ヵ所
台東区、荒川区、足立区12ヵ所
江東区、江戸川区9ヵ所
昭島市、立川市、東大和市小金井市、国分寺市9ヵ所
東久留米市、小平市、東村山市清瀬市、武蔵野市、三鷹市調布市、狛江市12ヵ所
青梅市、あきる野市、八王子市日野市、多摩市、稲城市15ヵ所
貨物車専用のスペースが設置されている東京都のエリアと設置数

自身の配達エリアの設置スペースを把握し、駐禁対策に活用するとよいのではないでしょうか。

しかし、配達車両に対し充分な駐車スペース数であるとは言い切れないのが現状です。

出典:
「2024年問題」に向けた警察庁の取組について|内閣府
貨物集配中の車両に係る駐車規制の見直し|警視庁

配達中の駐禁対策4選

ここでは配達中の駐禁対策に有効な手段をいくつか紹介します。

絶対に安全であると断定はできませんが、駐禁をとられるリスクを減らす手段になるのではないでしょうか。

1)コインパーキングを利用する

駐車違反のリスクを完全に回避する確実な手段です。都市部では駐車スペースが限られており、やむを得ず路上駐車せざるを得ないケースが多々あります。

コインパーキングを利用すれば駐禁のリスクがなく、安心して配達業務を行えます。

配達を担当するエリアで、近くのコインパーキングの場所を確認しておくとスムーズです。駐車料金は発生しますが、違反金を払うリスクを避けるために有効な対策です。

委託会社に所属しているドライバーであれば、コインパーキングの駐車料金は後日精算できるケースが多いので確認しておくとよいでしょう。

2)駐禁対策として、横乗りしてもらう

「横乗り」とは、助手席に別のスタッフが同乗し、配達中に車を見張る役割を担う方法です。ドライバーが荷物を届けに行っている間に横乗りスタッフが車内に残ることで、駐車違反のリスクを減らせます。

配達場所が取締りの厳しい都市部のエリアであるケースで有効な手段です。

自社の配達員の状況やスタッフのリソースを考え、時間に余裕のある人に横乗りを頼んでおくとよいのではないでしょうか。

3)駐禁対策アプリケーションを使う

駐車監視員対策としてアプリケーションを使うのも有効です。車両に監視用スマートフォンを設置し、駐車監視員を感知した際に配達員の携帯に通知が来るシステムになっています。通知を受け、車両に戻れば駐禁の回避が可能です。

都市部の高層マンションを担当しているドライバーや、オフィスビルへの配達が多い軽貨物ドライバーは長時間車両を離れる場面が多く、活用してみる価値はあるでしょう。

ですが、スマートフォンのカメラの性能や、アプリケーションのシステムエラー、天候など外的要因に左右される点は注意が必要です。

出典:
駐車監視員アラートアプリPARKING-ALERT|駐車監視員アラートアプリ
愛車みまもりアプリ!駐禁ハチ公|GRG

4)集合住宅・マンションでは荷さばき場を利用する

各都道府県により異なりますが、規模の大きな集合住宅やマンションには、配送車専用の荷さばき場が設置されていることがあります。このスペースを活用することで駐車違反のリスクを減らせます。

荷さばき場は短時間の停車を想定したスペースであり、ほかの車両の通行を妨げることなく安全に配達が行えます。事前にマンションの管理者や住民に荷さばき場の利用ルールを確認し、指定の場所で配達することで、住民とのトラブルや駐禁リスクを回避できます。

新設のマンションや集合住宅には、荷さばき場が設置されているケースが多く、駐禁対策として活用しやすいでしょう。

「配達中」のプレートを置く対策は効果がある?

一部のドライバーが取り入れている方法ですが、法律上の効果はなく駐車違反の取締りの回避は基本的に期待できません。プレートを置いても、駐車禁止エリアでの停車が許可されるわけではなく、取締り対象になります。

しかし、住宅地の配達時において配達中のプレートを提示することで、近隣住民からの苦情や通報を予防する効果が期待できます。トラブルを未然に防ぐ意味では一定の効果が見込めるでしょう。

以上のように、個人で取り組める駐禁対策は多く存在します。

担当エリアに応じた対策をとることで、駐禁のリスクを減らせるのではないでしょうか。

ルールを守って効率的に配達できる軽貨物ドライバーを目指そう

ここまで解説してきたように、軽貨物ドライバーにとって配達中の駐禁リスクは、切っても切り離せない問題です。

道路交通法をはじめ、ルールを理解したうえで適切な対策をとり、駐禁をとられるリスクを減らしていきましょう

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