昨今フリーランス、つまり会社に所属せずに働く「個人事業主」が増えています。軽貨物ドライバーも同じく、フリーランスで軽貨物ドライバーを行っている人も多いです。
Amazon Flexが良い例で、自分の好きな時間にシフトを入れてAmazonの商品を運んで報酬を得ることができます。
しかし、フリーランスの軽貨物ドライバーで意外と知られていないのが「労災保険」についてです。
会社に所属していないため、労災保険は自分自身で入らないといけませんが、種類が多いためわからない人が多いのではないでしょうか。特に労災保険と聞くと保険料が高いイメージで加入するのが面倒臭いと言う人もいるはずです。
そこで本記事では、フリーランス軽貨物ドライバーにおすすめの格安労災保険である「一人親方労災保険」について解説します。
一人親方労災保険とは
一人親方労災保険とは個人事業主(フリーランスドライバー)が加入できる労災保険です。
別名は特別加入制度とも言われており、下記のことに対応可能です。
・業務中に怪我をした場合
・業務中に病気になった場合
業務中なので、「労災」と認定されれば、休業中の金銭面・治療費の補償を受けることができます。
会社と業務委託契約をしている軽貨物ドライバーは、代わりのドライバーが仕事をしてくれますが、フリーランスのドライバーはそうはいきません。
特に、怪我をしてドライバーとしての仕事ができないので収入源がなくなります。一人親方労災保険は治療費も含めて給料面の保証もしてくれるので、フリーランスドライバーにとっては入っておくべき保険でしょう(保証内容は各組合によって違いあり)。
一人親方労災保険のメリット
一人親方労災保険のメリットは3点あります。
- 保険料が安い
- 保証が幅広く、充実している
- フリーランスの軽貨物ドライバーによって、精神的に安定する
それぞれ詳しく解説していきましょう!
保険料が安い
一人親方労災保険の特徴として、保険料が安いことが特徴です。しかし、組合によって保険料は変動するので注意しましょう。
保険料については、プランによって違いますが平均して下記の通りです。
一人親方労災保険は「組合費」という費用があり一般的に800円となっています(組合や会社によります)。組合費+保険料という形でも上記の金額なので他の保険の金額より安いと言えるでしょう。
保険料が安いので、フリーランスの駆け出しドライバーでも簡単に加入することができます。最近では、ネットでも相談・入会サービスをしてくれる会社が増えてきているので非常に便利です。
補償が幅広く、充実している
一人親方労災保険は補償が幅広く、充実していることが特徴です。
・入院時、治療費が無料
・通院時、治療費が無料
・死亡時、400万円以上の保険金が支払われる
・休業補償額は8,000円/1日
もちろん、加入する保険によって内容が違う場合がありますが、基本的に上記の通りです。一人親方労災保険は入院時・通院時の治療費が無料になります。
多くのフリーランスの軽貨物ドライバーにとって、怪我をしている間は仕事ができないので、非常に助かるのではないでしょうか。
また万が一、死亡事故で被保険者が死亡したとしても遺族に400万円以上の保険金が支払われます。一見少ないと思われるかもしれないですが、保険料が最低2,000円ほどの価格なので加入して損はないでしょう。
フリーランス軽貨物ドライバーにとって、精神的に安定する
一人親方労災保険はフリーランスの軽貨物ドライバーにとって、精神的に安定する労災保険です。
一般的にフリーランスの軽貨物ドライバーは個人事業主なので、1人です。会社に所属していないので、すべて自己責任・負担となります。
そのような状況で一人親方労災保険はフリーランスのドライバーによって精神的にも負担は減るでしょう。
事故が起こった場合、お客様はもちろん仕事が無くなります。収入がなくなるので、一人親方労災保険は大変便利な労災保険ではないでしょうか。
一人親方労災保険が適用される例
一人親方労災保険が適用される例として、「業務中に発生した事故」がポイントです。業務中であれば適用内となります。
こちらはは全て業務中・通勤中に起こっていることなので保険は適用されます。
業務中ではない事故は適用外となります。
・通勤中・帰宅中に事故を起こし、足を骨折する
・納品先で納品中、フォークリフトにぶつかり怪我をする
・納品中に荷崩れが起き、下敷きになって怪我をする
こちらは業務中に行った場合、適用外とされますが「突発的事故」なので適用内とされる可能性があるので重要です。
・腰痛
・ぎっくり腰
・業務中ではない身体の怪我
腰に負担がかかる仕事を連続的に行い、それを証明できるモノ(納品書など)があれば、労災認定できる可能性があります。
ドライバーの長期労働も事故の原因のひとつなので、日報は必ず毎日付けておきましょう。
一人親方労災保険加入の流れ
一人親方労災保険加入の流れはどのような流れになっているのでしょうか。加入方法について解説します。
- 一人親方労災保険の組合に連絡・ネット上でフォームを記入する
- フォーム記入後、組合から連絡があり、組合に訪問
- 組合にて、一人親方労災保険に加入する
一般的に以上のやりとりですが、組合の中にはネットだけで完結することができる組合もあるので便利です。
ネットのフォームですが、個人事業主の情報や住所・口座などの内容となり簡単に書けるので約3〜5分ほどで終わるでしょう。
一人親方労災保険加入に必要なものは?
一人親方労災保険加入の手続きに必要なものは以下の通りです。
- 運転免許証コピー
- 各種確認書(営業許可証・請求書・納品書・記録等)
- 認印
- 銀行印
- 通帳
一般的な保険に入る際に必要なものと変わらないので、手続きする際は上記のものを忘れないようにしましょう。ネットで完結できる場合もありますが、上記はどこかで必要になる可能性があるので常に手元に置いておくことをおすすめします。
おすすめの一人親方労災保険は?
一人親方労災保険はさまざまあり、どれを選べばいいのかわからない人が多いでしょう。そこでおすすめの一人親方労災保険を2つ紹介します。
- 労災保険特別加入
- 運送一人親方共済会
労災保険特別加入
労災保険特別加入とは厚生労働省が設定した個人事業主・自営業者をの保護を目的とした労災制度です。
一人親方労災保険は民間の企業が多いですが、労災特別加入が国の労災制度となります。
- 運送業だけでなく、他のサービス業も適用できる
- 社会保険労務士を通して申請するので手間がかからない
- 従業員を雇っても従業員にも適用することができる
- 運送業だけでなく、他のサービス業も適用できる
- 社会保険労務士を通して申請するので手間がかからない
- 従業員を雇っても従業員にも適用することができる
労災保険特別加入は国の労災保険なので適用の幅も広く、人を雇った場合も適用することができるので便利です。
また、国の保険なので保険料も安く、保険料を安く抑えたい人は労災保険特別加入が良いのではないでしょうか。
詳しい情報を知りたい人は厚生労働省のホームページをご覧ください。
運送一人親方共済会
運送一人親方共済会は民間の労災保険です。労災保険特別加入と違う点はお金の支払いが幅広い点です。
- 万が一、事故で障害が起こった際も支払いが発生される
- 被保険者が死亡した場合、遺族にも支払いが発生する
- 業務中、怪我をして要介護が必要になった場合、一定金額の支給がされる
上記のように、運送一人親方共済会はお金の補償に関して非常に幅が広いです。保険料は労災保険特別加入より少し高いですが、家族がいる場合は民間の保険に加入するのが良いのではないでしょうか。
運送一人親方共済会は静岡に拠点を置く組合ですが、ネットでも加入は可能です。まずは、ホームページをご覧になってはいかがでしょう。
一人親方労災保険を選ぶ際の注意点
一人親方労災保険を選ぶ際には3つの注意点がありますので、保険を選定する上での参考にしてください。
- 保険によって保険料が違うので注意
- 補償内容が保険によって異なるので注意
- 入会費・年会費が別で発生するので注意
保険によって保険料が違うので注意
一人親方労災保険は保険によって料金が違うでの注意が必要です。
国主体の労災保険(例:労災保険特別加入)は基本的に民間の労災保険より安いので、安い保険を希望する人には良いでしょう。
民間でも安い労災保険はありますが、補償内容によって金額が変わるので注意が必要です。また、「年会費」が別途かかるので忘れないようにしましょう。
労災保険は基本的に保険料は変わりませんが、長期で入ると保険料が変動する場合があります。契約する際に担当者に聞くのもアリでしょう。
補償内容が保険によって異なるので注意
補償内容は保険によって異なるので注意が必要です。例えば、一人親方労災保険で損害補償給付金がありますが、プラスアルファとして遺族給付金を付け足すと保険料が上がるケースもあります。
もちろん補償内容は広がりますが、保険料が上がります。補償内容を広げる際はよく確認をして家族がいる場合は家族と話し合うのが良いでしょう。
入会費・年会費が別で発生するので注意
基本的に民間の一人親方労災保険は入会費・年会費が別で発生するので覚えておくべきでしょう。
入会費・年会費は合わせても平均で2,000円もしない場合が多いですが、組合によっては金額が高い場合もあります。
加入する際は保険内容をよく確認することはおすすめします。
まとめ 軽貨物ドライバーは労災保険に加入するべき!
フリーランスの軽貨物ドライバーにとって「労災保険」は命綱です。ドライバーは車両を商売道具として働くので、危険と隣り合わせの仕事と言ってもいいでしょう。
そのために一人親方労災保険は加入しても損はない保険です。月に支払う金額も約2,000円から5,000円なのでそこまで高くありません。
金額を少しでも安く抑えたいのであれば、国が管理している一人親方労災保険、補償金が手厚いことを望むのであれば民間の一人親方労災保険が良いでしょう。
どちらを選ぶにしろ、軽貨物ドライバーは事故と隣り合わせで何が起こるかわかりません。フリーランスの軽貨物ドライバーにとって、一人親方労災保険は加入するべき保険であると考えます。