トラック運転手の仕事は、免許があれば誰でもチャレンジできる反面、人によって向き不向きがあります。
向いている人はやりがいや楽しさを感じられますが、そうでなければ続けることが難しくなるでしょう。
この記事では、トラック運転手に向いている人と向いていない人の特徴を紹介します。
トラック運転手には、向き・不向きがある?
トラック運転手は、対象車両の運転免許を保持していれば、老若男女問わず挑戦できる仕事です。
しかし、長時間の運転や勤務中は1人の時間が大半などの点から、向き・不向きがはっきりと分かれやすい仕事でもあります。
トラック運転手に向いている人の特徴
まずは、トラック運転手の仕事と自分の相性についてみていきましょう。
トラック運転手に向いている人の特徴は以下のとおりです。
- 車の運転が好きな人
- 体力・健康に自信がある人
- 1人の時間が苦にならない人
- プライベートに仕事を持ち込みたくない人
- 責任感がある人
それぞれ解説します。
車の運転が好きな人
車の運転が好きな人は、トラック運転手に向いている可能性があります。
トラック運転手は、1日の拘束時間のうちほとんどを運転に費やします。1日の労働時間上限は13時間以内ですが、週に2日までは最大16時間まで延長になることもあります。
また、運転中だけでなく待機中や、休憩中もトラックの中にいることが多いため、1日の大半をトラックの中で過ごすことになります。
つまり、車の運転が好きで「いくらでも運転できる」というような人には天職かもしれません。
一方で、車の運転が苦手な人や、長時間の運転をきついと感じる人には難しいでしょう。
参考:トラック運転者の労働時間等の改善のための基準|厚生労働省委託事業 株式会社日通総合研究所
体力・健康に自信がある人
体力や健康に自信がある人も、トラック運転手に向いています。
トラック運転手の仕事は運転することだけではありません。
職種によっても異なりますが、荷積みや荷下ろしを運転手が行わなければならないケースも多く、荷量が多かったり、重い荷物ばかりだったりすると相当な体力を消費することもあるでしょう。
また、長時間の運転には体力を要します。
長い時間同じ体勢でいつづけるため、腰を痛めたり痔を患ったりするドライバーも少なくありません。
長く活躍するためには、ある程度の体力と健康が必須といえるでしょう。
1人の時間が苦にならない人
1人の時間が好きな人はトラック運転手に向いているかもしれません。
トラック運転手は基本的に単独行動です。
長時間人と話さず、車両に1人でいることになるので、その時間も楽しめる人であれば問題ありません。
例えば、人付き合いが苦手な人や黙々と仕事をしたい人、運転中に好きな曲を聴きながらマイペースに働きたい人には働きやすい環境といえます。
一方、常に誰かと話していないと気が済まない人や孤独に耐えられない人には向いていない可能性があります。
プライベートに仕事を持ち込みたくない人
プライベートと仕事をしっかり線引きしたいという考えがある方にも、トラック運転手は適任です。
トラック運転手には家に持ち帰るような仕事がなく、すべて勤務中に完結するためです。
家にいたり、友人や家族といたりするときまで仕事に追われたくないという方には、合っているかもしれません。
責任感がある人
どの仕事にも責任感は必要ですが、トラック運転手には特に高い責任意識が求められます。
トラック運転手の仕事は、荷物を時間どおりに指定された場所まで運ぶことであり、一度任された以上、どんな事情があってもやり遂げなければなりません。
「今日は疲れてるから少し手を抜こう」など、ほかの仕事では調整可能なことも、トラック運転手の場合は難しくなります。
また、当然一般常識や交通ルール、顧客からの指示なども守る必要があります。
そのため、責任をもって自分の仕事を全うできる人にしかできない仕事です。
トラック運転手に向いていない人の特徴
反対に、トラック運転手として働くのが難しいのはどのような人でしょうか。
- 運転のセンスがない・運転が苦手な人
- 時間やルールを守れない人
- 1人ではなく複数人で仕事がしたい人
- 体調面に不安がある人
- 気性が荒い人・気が短い人
それぞれ解説します。
運転のセンスがない・運転が苦手な人
そもそも運転に苦手意識がある人は、トラック運転手に向いていないでしょう。
たしかに免許を持っていれば誰にでも運転の権利はありますが、毎日仕事として運転するなら、ある程度の運転スキルが必要になります。
センスがあれば安全なわけではないですが、苦手意識をもっていると走行中のトラブルを頻繁に起こしてしまう可能性があります。
百歩譲って事故対象が物であればまだよいですが、人身事故を起こしてしまうと大きな問題に発展します。
また、運転が苦手な場合は、仕事自体が苦痛になってしまうかもしれません。トラック運転手の仕事はほぼ運転であり、この仕事を続ける以上避けられません。
長く続けようと考えるなら、やはり運転センスや「運転が好き」という気持ちがあったほうがよいでしょう。
時間を守れない人
時間を守れない人も向いていないでしょう。
トラック運転手は常に時間に追われながら仕事を進めるためです。
荷下ろし先に余裕を持って到着しようと思ったら、時間を逆算して計画的に行動する必要があります。
時間に遅れても気にならない人や、スケジュール管理のできない人には務まりません。
1人ではなく複数人で仕事がしたい人
複数人で協力しながら仕事がしたい人にも向いていません。
荷下ろし先の職員と話す機会などはあっても、ほとんどの時間は1人が基本です。
運転中も単独行動になるため、誰かと協力しながら働く機会はほとんどありません。
「チームで仕事をしたい」「仲間と楽しく仕事がしたい」と考えている人は、ほかの仕事を選択することをおすすめします。
体調面に不安がある人
程度にもよりますが、体調面に不安がある人はトラック運転手に向いているとはいえません。
先述のとおり、トラック運転手の仕事は体力を要します。
極端に体力がなかったり持病があったりする場合、続けていくのは難しいかもしれません。
トラック運転手の労働時間は長時間になることが多く、生活リズムも不規則になりがちです。
健康な方でもハードだと感じる仕事なので、はじめから体調面に不安を抱えている人はなおさらでしょう。
ただ体力がないだけであれば、体を鍛えることである程度適応できるようになる可能性がありますが、持病がある場合は体調を優先すべきです。
トラック運転手にこだわらず、無理なく続けていける仕事を探したほうがよいでしょう。
気性が荒い人・気が短い人
気性が荒い人や気が短い人も、トラック運転手に向いていない可能性があります。
トラック運転手として仕事をするうえで、気性の荒さや気の短さはマイナスになる場面が多いといえます。
例えば気が短いと、運転中にイライラしてしまったり、間に合わないからとほかの車を煽ったりなど、運転がメインの仕事であるからこそ、トラブルのきっかけになるポイントも多分にあります。
運転時は人間の本性が現れやすいので、日ごろからせっかち、イライラしやすいという人は要注意です。
トラック運転手に向いてなくてすぐ辞める人は多い?
トラック運転手になったものの、向いていないことを理由にすぐ辞める人は少なくありません。
「自分には向いている」「できる」と思っていても、いざ始めてみると想像と現実の業務にギャップを感じる人が多いためです。
例えば、日常的に長時間運転をする機会がない人にとっては、「1日に10時間以上運転する」ことがピンとこず、実際にやってみてはじめてきつさがわかったというケースもあります。
また、出先では待機中や休憩中も車内で過ごさなければならず、荷下ろし先で何時間も待たされることもあるため、「こんなはずではなかった」と思う人もいるでしょう。
そのほか、「思ったよりも稼げなかった」という人もいます。
なお、トラック運転手に向いていないためにすぐ辞める人の特徴として、「すぐ休みがちになる」という運送会社の声もあります。
トラック運転手になるにはどうしたらよい?
トラック運転手の場合、学歴関係なく採用してくれる運送会社も多いため、免許さえあれば誰にでもチャンスはあるでしょう。
ただし大手運送会社の中には一部、大卒を中心に採用するところもあります。
また、同じトラック運転手でも、運転するトラックによって必要な免許が異なります。
「どこで働きたいか」「どのようなトラックに乗りたいか」によって取得すべき免許が異なるため、あらかじめ応募する会社に必要な免許を確認しておくとよいでしょう。
未経験からトラック運転手としてデビューする場合の流れは以下のとおりです。
- 免許を取得する
- 運送会社に就職する
- 先輩に横乗りしてもらう
- トラック運転手として独り立ちする
まず、必要な免許を取得します。
例えば宅配用の2トン車であれば、免許を取得したタイミングによっては普通自動車免許でも運転できますが、コンビニ配送に使用される3トン車なら準中型免許、4トン車なら中型免許が必要です。
トラック運転手としてやっていきたいのであれば、中型や大型免許を取得することをおすすめします。
ただし運送会社によっては、働きながら免許を取得させてくれる場合もあります。
応募する際に確認しておきましょう。
中型・大型免許の取得条件は以下のとおりです。
中型免許 | ・満20歳以上 ・普通、準中型、大型特殊免許のうち、いずれかの運転歴が通算2年以上あること |
大型免許 | ・満21歳以上 ・普通、準中型、中型、大型特殊免許のうち、いずれかの運転歴が通算3年以上あること |
そのほか、フォークリフトの免許を取得していると重宝されます。
運送会社に入社したら先輩に横乗りしてもらい、横乗り期間が終了するとトラック運転手として独り立ちできます。
「横乗り」とは、先輩や研修担当者に同乗してもらい、業務を教わることです。
期間は運送会社にもよりますが、1週間〜1カ月程度が一般的です。
運転の仕事をするなら軽貨物ドライバーもおすすめ◎
トラック運転手には向き不向きがありますが、「向いている人の特徴」にいくつか該当するのであればチャレンジしてみてもよいかもしれません。
ただし、記事で解説したとおり、長時間運転に加え不規則な生活リズムでの稼働など、トラック運転手の仕事ならではのきつい面もいくつかあります。
運転の仕事はトラック運転手だけではありません。
車を運転する仕事かつ稼げる仕事であれば、軽貨物ドライバーを選択するのもよいでしょう。
軽貨物ドライバーとは、軽バンや軽トラックなどで指定された場所に荷物を配達する仕事です。
軽貨物ドライバーとひと口にいっても宅配やルート配送、スポット便などさまざまな種類がありますが、中でも一般的なのはアマゾンやメルカリなどの荷物を届ける宅配です。
多くの場合は個人事業主として運送会社と業務委託契約を交わし、委託ドライバーとして稼働します。
報酬の仕組みはほとんどが歩合制。頑張りが報酬に直接反映されるため、能力を上げれば大きく稼げる可能性があります。
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