2022年12月より、Amazonが新たな独自配送プログラムを開始しました。その名も「Amazon Hubデリバリーパートナープログラム」。
Amazon Hubデリバリーパートナープログラムは、あくまでも本業をメインにしながらも、隙間時間に配達できるプログラムです。
好きなときに好きなだけ配達でき、余裕があるときだけ稼働するといった働き方も可能です。
この記事では、Amazon Hubデリバリーパートナープログラムの概要や単価、収入などについて解説します。
Amazon Hubデリバリーパートナープログラムとは
Amazon Hubデリバリーパートナープログラムとは、地域の中小企業や店舗などがアマゾンの荷物を配達し、報酬を受け取るプログラムです。
現在参加しているのは飲食店やアパレルショップ、美容院や花屋などさまざまで、普段運送業とは無縁の業種からも多くの企業や店舗が参加しています。
Amazon Hubデリバリーパートナープログラムでは、本業のスケジュールに合わせて仕事を受注できます。
たとえば、飲食店の準備中やクリニックの診察外の時間帯といった隙間時間の利用や、閑散期にだけ仕事を受けて繁忙期は仕事を受けないなど、本業に影響しないよう仕事量の調節が可能です。
なお、登録条件や配達範囲は、以下の表のとおりです。
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
登録条件 | ・事業を営んでいる ・空き時間に配達が可能 ・荷物を保管するスペースがある | 次のうちいずれかの証明書が必要。・事業の登記情報・開業届・納税証明書 |
配達方法 | 徒歩 | 台車を使用してもよい。 |
自転車 | 任意保険に加入する必要あり。 | |
バイク | 任意保険の加入が必要。125cc以上は黒ナンバーの取得も必要。 | |
自動車 | 軽自動車のみ使用可能。ただし黒ナンバーの取得が必要。任意保険の加入も必要。 | |
配達範囲 | 拠点から約2km圏内 | |
最低稼働日数 | 週2日程度からスタート可能 | 慣れてきたら週3〜7日で都合に合わせて稼働。 |
稼働時間 | 不在の荷物の再配達がなければ、荷物の到着から16時ごろまで | 不在の荷物があれば16時半以降から不在回り。再配達がある場合は夜間も配達を行うことも。 |
配達個数の目安 | 1日につき30〜50個 | 割り当て可能な物量は地域によって異なる。正式な数はアマゾンとの相談によって決定する。(上限は1つのアカウントにつき200個まで) |
あくまで目安ですが、配達個数はそれほど多くありません。そのため、隙間時間でも十分対応できるでしょう。
配達個数は最大200個まで希望できますが、実際はアマゾンとの相談によって配達個数が決まるため、必ずしもそのとおりになるとはかぎりません。
なお、時間指定の荷物は14〜16時のものがときどきある程度です。そのほかの荷物は、基本的には好きなタイミングで配達できます。
ただし不在の荷物や再配達依頼が多いときは、希望稼働時間外も配達に多くの時間を割く必要があります。
Amazon Hubデリバリーパートナープログラムの特徴
Amazon Hubデリバリーパートナープログラムは、アマゾンフレックスや通常の委託ドライバーとはさまざまな点が異なります。
たとえば、アマゾンフレックスと比較したときに異なる部分は以下のとおりです。
項目 | Amazon Hubデリバリーパートナープログラム | アマゾンフレックス |
---|---|---|
報酬 | 配達個数による | ブロック(時間)による |
稼働拠点 | 自宅や会社の事務所など | ステーション |
配達以外に発生する業務 | 荷物の受け取りや荷物の管理なども発生する | ほとんど配達のみ |
不在の荷物への対応 | 連絡がつかなければ最長3日間訪問する必要あり | ステーションに返却する |
仕事の取り方 | 配達したい日に仕事を入れられる | その都度オファーを取る |
このように、アマゾンフレックスと比較するとあらゆる点が異なることがわかります。
Amazon Hubデリバリーパートナープログラムは個人でも登録できる?
Amazon Hubデリバリーパートナープログラムは、個人でも法人でも登録が可能です。
ただし、個人と法人では登録時の必要書類が異なります。
個人の場合は「開業届」か「納税証明書」を用意しましょう。
Amazon Hubデリバリーパートナープログラムの募集地域
Amazon Hubデリバリーパートナープログラムが発表された、2022年12月時点での募集対象エリアは以下9か所です。
- 東京都
- 千葉県
- 埼玉県
- 神奈川県
- 大阪府
- 京都府
- 兵庫県
- 愛知県
- 福岡県
プログラム発表時に「日本全国の中小企業の皆さまにご利用いただけるようにエリアの拡大を目指す」とコメントしていることから、今後エリアの拡大が予想されます。
Amazon Hubデリバリーパートナープログラムに登録するメリット
店舗や企業のオーナーがAmazon Hubデリバリーパートナープログラムを活用するメリットは、どのようなところにあるのでしょうか。
ここでは、Amazon Hubデリバリーパートナープログラムに登録するメリットについて解説します。
隙間時間や空きスペースを有効活用できる
まず、隙間時間や空きスペースを有効活用できることが挙げられます。
業種によっては、準備中や診察外などの理由で空き時間が数時間できる場合があります。その間、オーナーやスタッフ全員がフルで働くことはあまりありません。
また、閑散期には仕事が激減するような業種もあります。
本業を優先しながらも隙間時間を有効活用し、副収入を得られるAmazon Hubデリバリーパートナープログラムは、そのようなケースにもってこいといえるでしょう。
また、空きスペースや使用していない倉庫などを荷物置き場として活用できるため、スペースを持て余している場合にも適しています。
土地勘を活かせる
配達先は店舗や事務所から最長でも2km圏内にあるため、土地勘を存分に活かした配達が可能です。
慣れていない土地であれば1軒1軒の配達に時間がかかりますが、土地勘があればスムーズに配達できるため、さくっと配達して戻ってくることもできるでしょう。
また、地域住民とコミュニケーションをとるよい機会にもなり、配達が本業の宣伝につながる可能性もあります。
ほとんど初期費用をかけることなく始められる
荷物を置けるスペースさえあれば、ほとんど初期費用をかけることなく始められる点もメリットです。
少ない配達個数から始められ、エリアによっては徒歩や自転車でも配達できるため、無理に軽貨物車両を用意する必要もありません。
Amazon Hubデリバリーパートナープログラムへの参加にデメリットはある?
Amazon Hubデリバリーパートナープログラムに参加するデメリットは以下のとおりです。
- あくまでも副業程度の収入にしかならない
- 不在対応や時間指定が本業の営業時間とかぶってしまう可能性がある
- 不在票や置き配の際に使用するカバーなどを発注する必要がある
当プログラムでは、1日中配達するわけではないため、それほど大きな収入にはなりません。そのため、Amazon Hubデリバリーパートナープログラムだけで生計を立てられるほど稼ぐのは難しいでしょう。
また、不在が発生した際の不在回りや時間指定などが本業の営業時間とかぶってしまう可能性もあります。
スタッフのうち誰かが対応できればよいですが、ぎりぎりの人数で切り盛りしているような場合は本業に支障が出てしまうおそれがあります。
そのほか、不在票や置き配の際に使用するカバーなどは自分で発注する必要がある点にも注意が必要です。
Amazon Hubデリバリーパートナープログラムの単価や収入は?
Amazon Hubデリバリーパートナープログラムの報酬は、配達個数×荷物単価で計算できます。
そのため、単純にたくさん配達すればその分報酬額は上がります。
収入例は以下のとおりです。
配達個数 | 荷物単価 | 1日の報酬額 |
---|---|---|
30個 | 138円 | 4,140円 |
50個 | 6,900円 | |
100個 | 13,800円 | |
150個 | 20,700円 | |
200個 | 27,600円 |
Amazon Hubデリバリーパートナープログラムの荷物単価は、地域によって異なります。
上記の例では138円で計算していますが、地域によっては上記の金額よりも高くなったり低くなったりする可能性があるため注意が必要です。
上記の例でいけば、荷物の上限である200個の配達で1日に27,600円稼げます。
ただし、普通のドライバーが軽貨物車両で配達できる個数は1時間に20個程度であるため、200個配達しようと思ったらそれなりに時間がかかります。
何人かのスタッフで手分けすることも可能ですが、本業と副業のウェイトが逆転してしまうかもしれません。
Amazon Hubデリバリーパートナープログラム 評判・口コミ
実際にAmazon Hubデリバリーパートナープログラムを始めた人の評判や口コミを見てみましょう。
私は40年以上、写真館を経営しています。Amazon Hubデリバリーパートナープログラムに参加し、慣れ親しんだ地域での土地勘を活かし、日中の空き時間を有効活用できるようになりました。副収入を得られるだけでなく、健康維持や地域の方々との交流にも役立っています。配達は簡単で、Amazonのサポートも受けられます。親しみのある地域なので、宛先に書かれている名前を見るだけで、どの家に配達すべきか分かることがほとんどです。この年齢でも新たな収入源を得られることに感謝しています。
「Amazon Hubデリバリーパートナーを始めてから、月の売り上げが2倍近くになっただけでなく、配達先でお会いしたお客様から多くの注文をいただけるようになりました。町内会の会長として、毎日数時間、近所を移動しながら地域のニーズを把握し、サポートを続けることができ、これ以上の喜びはありません。」
「柴犬のブリーダーで犬のドッグフードやおもちゃも販売しています。すきま時間にできるというお話だったので、引き受けることにしました。子犬が産まれて忙しくなったら配達業務の受諾は中断できます。本業を優先してスケジュールを組めるのがいいですね。」
「Amazon Hub デリバリーパートナー」プログラムに参加し空き時間を活用しています。コミュニケーションを大切に、理容店と配達の仕事で地域の暮らしを支えます」
(参考:パートナーズボイス|Amazon Hub デリバリーパートナープログラム公式)
このように、隙間時間を上手に使い、本業のかたわらAmazon Hubデリバリーパートナープログラムを行っている人もいます。
Amazon Hubデリバリーパートナープログラムの1日の流れ
Amazon Hubデリバリーパートナープログラムの1日の流れは以下のとおりです。
- 午前中に荷物が到着する
- スマートフォンで集荷作業をする
- 配達する
- 再配達・不在回りをする
順番に解説します。
1.午前中に荷物が到着する
指定した日の9:00〜10:00ごろにアマゾンから荷物が到着します。
荷物の到着場所は登録してある拠点です。荷物が届き次第、荷物用のスペースに運び込みます。
大きな荷物はなく小さな荷物がメインですが、それなりにスペースが必要でしょう。
2.スマートフォンで集荷作業をする
荷物が拠点に到着したら、専用のアプリを使い、スマートフォンで荷物を読み込みます。
台車に荷物を乗せる、軽貨物車両に積み込むなど、手段に合わせて配達の準備をします。
3.配達する
配達準備ができたらいよいよ配達です。
時間指定の荷物は、指定された時間内に届ける必要があります。
不在の場合は不在票をポストに投函し、荷物はいったん拠点へと持ち帰ります。
4.再配達と不在回りをする
不在の荷物や再配達依頼があれば、16時以降に再度配達に出ます。
配達先に届けられればよいですが、そこでもまた不在だった場合は拠点に持ち帰り、その日から継続して3日間配達し続ける必要があります。
Amazon Hubデリバリーパートナープログラム登録方法
Amazon Hubデリバリーパートナープログラムに登録するためには、まずアマゾンの公式サイト内にあるAmazon Hubデリバリーパートナープログラムの専用ページから、資料請求しましょう。
資料は、以下の情報を入力後「送信」を押せば請求できます。
- 会社名や事業名
- 氏名
- 運用を検討している町名
- 運用を検討している都道府県名
- 運用を検討している郵便番号
- 運用を検討している住所
- 日中連絡先
- メールアドレス
資料請求後、電話にて質疑応答を行い、面談日程を設定します。設定した日時に面談を行い、問題がなければそのまま契約です。
そのあと配達に関するアドバイスをもらい、プログラムが開始します。
質疑応答の段階で、気になることはすべて聞いておきましょう。荷物単価など、報酬面についても確認しておくと安心です。
登録時に必要な書類
登録時に必要な書類は以下のとおりです。
- 事業の登記情報、開業届、納税証明書のうちいずれか1点
- 印鑑
- 銀行口座
以上3点があれば登録できます。
登録完了後、1週間以内にスタートできます。
隙間時間に稼ぐなら軽貨物運送の仕事もおすすめ◎
Amazon Hubデリバリーパートナープログラムについて解説しました。
隙間時間を有効活用したい場合にうってつけの、Amazon Hubデリバリーパートナープログラム。
興味がある人はぜひ始めてみてはいかがでしょうか。
しかし、採用されない場合や始めてみて「合わない」と感じる可能性もあります。また、配達の仕事に興味が湧いて、もっと本腰を入れたいと考える方もいるかもしれません。
その際はAmazon Hubデリバリーパートナープログラム以外にも、軽貨物ドライバーの案件を探してみるとよいでしょう。
軽貨物ドライバーの仕事の中には、1日数時間の稼働で稼げるものや車両がなくても始められるもの、未経験OKのものなどさまざまな案件があります。
気軽に始められる案件もあるため、副業として検討するのもアリでしょう。
希望に合った求人は、軽貨物求人の専門サイト「ハコボウズ」で探せます。ドライバーの利用は無料なので、まずはどのような仕事があるのか、一度覗いてみてはいかがでしょうか。